金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

18

新聞購読のお申込み

【この人に聞く】双葉電子工業精機事業センター長・ 河野透氏「ソフト・サービス分野へ拡大」

 双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)は昨年、2023年度(24年3月期)までの中期経営計画「Futaba Innovation Plan(フタバ・イノーベーション・プラン)2023」を策定した。金型用部品やプレートなどを手掛ける生産器材部門では、高品質なハード製品を核とし、ソフト・サービス分野への拡大を狙う。精機事業センターの河野透センター長に、具体的な取り組みや今後の方向性など聞いた。

ソフト・サービス分野へ拡大

 1959年生まれ、千葉県出身。83年明治大学商学部卒業後、双葉電子工業入社。2016年経営企画部長、17年精機営業センター長、20年精機事業センター長に就任し、現在に至る。

新しい中期経営計画での取り組みは。

 「モノづくりを基軸としたソリューションによる事業領域の拡大」を掲げ、新しい事業の創出に取り組む。顧客のニーズに対応した製品やサービスを開発していくつもりだ。5年後には生産器材部門の売上高を80億円増やすことを目指す。

なぜ、そうした取り組みを進めるのか。

 市場がこれまで以上に変化しているからだ。新型コロナの影響で、社会が大きく変化している。金型業界でも、「内需減少」「サプライチェーンの見直し」「人口減少」など環境変化による課題が懸念されている。こうした需要に対応できるようにお客様ファーストで取り組みを進めていく。

具体的には。

 ソフト・サービス分野への拡大を進める。一つは金型内計測システム「モールド・マーシャリング・システム(MMS)」のクラウドサービス化。昨秋から「MMS」で取得したデータをクラウド上で管理・閲覧できるサービス「MMSCloud」を開始した。昨夏からは活用方法が学べる「センシングスクール」も開校した。販売して終わらず、ユーザーの声を聞きながら価値のあるサービスを展開していきたい。

その他には。

 工作機械の稼働状況を監視する「工作機械IoTモニタリングシステム」、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」なども発売した。今後も「お客様に価値のある」新製品を積極的に開発していく。

既存事業では。

 カスタム品対応の強化に取り組む。当社のこれまでの強みはプレートやモールドベースなどを規格化した製品。しかし近年は、ニーズが多様化し、顧客図面での加工が増え、モールドベースの約8割(台数)は顧客図面での加工で受注している。そこでカスタム品の加工をより早く安定した品質で提供できる製造体制を構築する。3年間で約52億円の設備投資を予定しており、特に自動化に注力する。また、顧客から預かったCADデータを当社で使いやすくするための取り組みも進める。

 その他、協力工場を含めた全工場の稼働状況を把握し効率良く生産配分する仕組みも整えた。既に見積もりスピードの向上や納期の短縮といった効果が出ている。

17年に子会社化したカブク(東京都新宿区)とのシナジーは。

 昨年刷新したECサイト「フタバオーダーサイト」と、カブクが提供するオンデマンド製造プラットフォーム「カブクコネクト」との連携を進めている。将来的には当社オーダーサイトを通じて、プレートや金型部品に加え、治具や特殊部品などの製作依頼も可能な仕組みを整えるつもりだ。

海外のサービス体制は。

 他部門の拠点・販路を活用し、海外でも同水準のサービスが提供できる体制を構築していく。現状でもアフリカを除く地域に販路がある。海外展開する金型メーカーをサポートしていきたい。

金型新聞 2021年1月10日

関連記事

【我ら金型応援隊】トクピ製作所 超高圧で自動化促進

産業用高圧ポンプや高圧クーラントユニットの製造、販売を手掛けるトクピ製作所は、超高圧クーラントユニットの製造に注力している。 「HIPRECO」は、最大30Mpaの水圧で刃先からクーラント液を噴射。切屑を細かく分断、排出…

金型産業の未来・トヨタ自動車<br>高見 達朗氏に聞く

金型産業の未来・トヨタ自動車
高見 達朗氏に聞く

粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…

情報収集や課題解決の場に 砥粒加工学会 会長インタビュー

今年3月、研削や研磨など砥粒加工技術の振興、発展を目的とした活動を行う砥粒加工学会の会長に就任した清水大介氏(牧野フライス精機社長)。金型メーカーに対して、「生産現場に直結した技術の発信を行う砥粒加工学会を情報収集や、加…

魚岸精機工業 「低廉化金型」で「古くて新しい」課題を解決

ロットに応じ金型を安く 低廉化金型を開発 自動車部品などのダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は、ロット数に合わせて、金型の価格を安くする「低廉化金型」の開発に成功した。ある金型では従来に比べて最大45%安くなるという。…

伊藤清光さん 進取の精神で取り組む現代の名工【ひと】 

セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。 従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、…

トピックス

関連サイト