金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

30

新聞購読のお申込み

【新春特別インタビュー⑧】オーニック社長・難波 健氏「異なる人材活躍するワンチームとなる」

考え方や能力異なる 人材活躍するワンチーム 時代の変化にしなやかに ~ダイバーシティ~

 1976年生まれ、北海道札幌市出身。99年工学院大学工学部機械工学科を卒業し、オーニックに入社。2013年、社長に就任。経営理念であり創業者(叔父)の意思を受け継ぎ、障がい者が働きやすい職場づくりに日々取り組む。趣味は映画鑑賞、読書。尊敬する人は父・難波功一氏。近ごろのマイブームは靴磨き。

 コロナ禍で需要が減り、一方で脱ガソリン車の動きは産業構造をも揺るがしかねない。日本の金型を取り巻く環境はいま、大きく変化しています。そんな変化の時代を乗り越えるカギの一つが、ダイバーシティ経営だと感じています。

 性別や国籍、身体的能力にこだわらず多様な人が働く。考え方や能力、生い立ちを個性として認め、それぞれの働き方ができる環境をつくる。それは働く人の不便を改善するだけでなく事業全体の改善にもつながるからです。

 オーニックは障がいを持つ人を雇用するために創業した金型部品メーカー。身体的、知的、精神的な様々な障がいを持つ人が働いています。私は1999年に入社し、2013年に叔父の後を継ぎ、働く人が能力を発揮できる職場づくりを続けてきました。

 漢字を読めない知的障がいの人のためにマニュアルの全ての漢字にルビを振る。下半身で温度を感じることが苦手な車イスの人のために作業現場の室温を一定に保つ。

 それはその人たちのためにしたことでした。けれど、ルビを振ったことで他の人もミスが減り、恒温にしたことで金型部品の品質が良くなった。事業全体の改善にもつながったのです。

 それと、ダイバーシティこそいまのような変化の時代に柔軟に対応できるのでは、とも感じています。様々な感性や発想を改善活動や事業展開に取り入れることで、時代の変化にしなやかに対応できると思うのです。

 ものづくりにおいて、人の多様性に合わせるダイバーシティよりも、人の能力や思想が同一的な方が生産性は上がります。けれどそれは市場が一定方向に成長している時の論理で、市場が変化する状態では多様な感性が混在する方が針路を見誤らないと思います。

 ダイバーシティというと障がい者や外国人を雇用することと思われがちですが、私はそうは思いません。成功体験や固定概念の無い新入社員の意見を取り入れる。保育園に子供を送り迎えする社員が参加できる時間に会議を開く。工具は女性が持てる重さにする。

 そうした「多様」な人が活躍できる職場をつくる。そして、「仕事の成果」そのものを尺度として評価する。それがダイバーシティではないでしょうか。ですから、そんなに身構えなくても明日からでもできるんです。やってみればきっと新たな発見や成果につながります。

 それに、全体の成果のために個性を生かす「適材適所」が得意な日本人は、その素養を持っていると思います。それも世界トップクラスの。だから、ダイバーシティでワンチームとなった日本企業はかなり強いと思いますよ。

 オーニックは?。これからはもっと重度の高い障がいを持つ人を受け入れていきます。日本のあらゆる企業でダイバーシティが進んだら、現状のままだと存在価値がなくなりますから。

金型新聞 2021年1月10日

関連記事

【この人に聞く】トーヨーエイテック 表面処理開発担当役員・山中 敏雄氏「アルミの凝着抑える新被膜 」

トーヨーエイテック(広島県南区、082-252-5212)が今年2月に発表したアルミのプレス金型用DLCコーティング「TOYO Arc‐DLC」。高硬度で強固に密着するため、軟質で融点の低いアルミをプレス加工しても金型に…

日本鍛圧機械工業会 長利啓正会長(コマツ産機社長)インタビュー【特集:プレス加工の未来】

電動車による部品の変化や脱炭素対応などさまざまな変化に迫られている金型業界。見てきたように、こうした変化に対応すべく、プレス金型の製造現場ではいろんな取り組みを進めている。一方で、環境変化によってプレス機のニーズは変わる…

ボディ部品向け金型開拓へ 進恵技研が新工場設立で挑むこと[金型の底力]

自動車部品向けプレス金型メーカーの進恵技研は今年4月、本社工場に隣接する西工場に新棟を設立し、第7工場として稼働を開始した。門形マシニングセンタ(MC)5台や、40tクレーンなどを設備し、より大物加工に対応できる体制を構…

【金型の底力】いがり産業 ユーザーが必要な金型を

ユーザー視点の型づくり樹脂とプレス技術の融合 成形メーカーだった、いがり産業が金型製作に着手したのは2004年。10年以上経て、今や金型の外販が売上の7割以上を占めるまでに成長した。成形メーカーという利点と生かし、ユーザ…

この人に聞く
日本デザインエンジニアリング岩壁 清行社長

 「設計の効率化は業務フロー全体を見直さないと意味がない」。そう話すのは、日本デザインエンジニアリングの岩壁清行社長。同氏は長年自身も金型づくりに携わり、近年ではフィリピンで設計支援を手掛ける。また、20年以上前から、日…

トピックス

関連サイト