金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

20

新聞購読のお申込み

【ひと】住友電工焼結合金金型開発室長 ・栢野正治さん 技能検定への功労が瑞宝単光章に

技能検定に挑む技術者の目は普段のそれと輝きが異なるという。レベルの違う課題に出会い、技術の海の広さと、自らを知る。「受検者のそうした『成長』の一端に携われることが嬉しい」。

岡山県の技能検定委員として機械加工や放電加工を担当する。務めて25年、多くの技能士育成に貢献してきた。功労が称えられ、昨年、春の叙勲で瑞宝単光章を受章した。

入社当時、岡山の本社工場の金型部門は自社で使う金型の補修をしていた。しかしその年、新作部門が発足し、立ち上げメンバーに。金型の経験は無く、新作部門のある伊丹工場で基礎から学んだ。

手掛けるのは自動車部品などの粉末焼結金型。「薄肉化や複雑化する部品の品質や生産性を左右するのは金型」。技術開発に日々挑み、最適な強度で拘束し金型の寿命を延ばす独自の焼き嵌め法などを開発してきた。

技能検定委員に選ばれたのは入社9年目。放電や研削などの加工技術、金型、プレス成形に至る生産技術の広い知見が評価された。今も続けるのは受検者と下積み時代の自らが重なり「背中を押したくなる」からだ。

金型づくりでこれからの課題は、機械化の領域を広げていくこと。「加工はできる限り機械に任せて品質を安定させたい」。ただ、「機械化の方法を考えるのは人。育成にもっと力を入れていきたい」。

金型新聞 2021年4月10日

関連記事

【金型応援隊】太陽テクニカ ダメ元でも相談を

一桁ミクロンの加工精度 「マシニングで出せない精度の穴加工は、是非任せてほしい」と語るのは、長年ジグボーラー加工やジグ研削加工に携わってきた、太陽テクニカの大畠正陽社長。同社は、航空・宇宙産業の部品から工作機械の主要精密…

【ひと】サンアイ精機 代表取締役社長 菊地 晋也さん

髭のサンタクロース 誰しも12月24・25日をワクワクして過ごした子供時代の記憶があるだろう。それはクリスマスプレゼントがもらえる日だからだ。「子供たちにとって記憶に残る楽しい1日を体験してほしい」。そんな願いを込めて地…

伊藤製作所がテクニカルセンタを設立した理由【金型の底力】

順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…

直彫加工のニーズに応え、横型の微細加工機を開発 塚田良彦氏(東洋機械製作所 取締役Th事業部長)【この人に聞く】

長年、工作機械や放電加工機メーカーのOEMやODMを手掛けてきた東洋機械製作所。鋳造から機械設計、製作、塗装、組立までを手掛ける能力の高さから多く機械メーカーの製品の設計や製造を請け負ってきた。そんな同社が35年ぶりに自…

この人に聞く2016<br>牧野フライス製作所 井上 真一社長

この人に聞く2016
牧野フライス製作所 井上 真一社長

要望に合わせ創造と変革  「色々と教えると新しい経営はできないだろうから、あなたには多くは教えない」―。工作機械業界のカリスマ、牧野二郎前社長がそう伝えるほど、全幅の信頼を置く。 顧客重視をより進化  入社時に「機械もソ…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト