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久野金属工業 取締役副社長 久野 功雄氏 〜鳥瞰蟻瞰〜

我が社しか実現できないモノを

少し高くても選んで頂ける
それがブランド力       

 従来のお客様と金型メーカーには阿吽の呼吸のようにお互いを必要とする関係があり、スムーズに仕事を進める上で大切です。ですが、新規開拓となると簡単ではありません。昨今の自動車業界は部品の共通化で、金型の仕事量は減っています。その中で新規開拓するには、「既存の金型メーカーには出来ないこと」でなくてはなりません。そこで効果を発揮するのがブランドだと思います。

 ブランドとは他社より少し高くても選んで頂けること。当社も技術開発力を武器に、ものづくり日本大賞など各賞を受賞し、ブランド作りに努めています。金型業界はコスト競争も激しいため、そうした状況に陥らない企業はブランドがあるといえます。 

金型メーカーのブランド力の源は技術開発です。実際それだけではありませんが、当社(プレス金型と量産)も既存メーカーでは困難で、お客様が苦労している、または、初めて取り組む仕事を積極的に受注し実績を重ねています。そして、お客様の手間をかけず、短納期対応すると、「こんなにスムーズに立ち上がったことはなかった、製品がきれいだ」と好評価を頂いています。「価格は高いが、助かっているから今後も宜しく」と言ってもらうのが最大の誉め言葉で、そのために時間と労力とお金をかけています。

 まず取り組むべきことは、高精度かつ高速で加工できる工作機械など先行設備投資が必須です。機械で完結できることは機械で行わなければ、納期、精度、コスト面で勝負することができません。当社では量産用生産設備もメーカーと共同開発し、自社開発のIoTサービスである「IoT GO」による生産性向上に加え、設計力、現場力を掛け合わせ、大きな力とにしています。

 続いて、昨今のテーマとなるIT投資です。HP戦略はもちろん、IT活用によるスピード感を重視して、2年前から社内SNSに取り組み、開発業務を含む全部門との情報の共有化を図っています。これまで金型の打ち合わせは情報が伝わるのが遅く、正確でないことが課題でしたが、IT活用で良質な情報を素早く伝えることができます。直近は新型コロナウイルスの影響で顧客訪問できない状況ですが、Web会議を積極的に使い、従来2週間に1回の顧客訪問が、Web活用で週に1回と頻度を上げることができ、スピードや信頼はさらに高まりました。

最後は『受けた仕事をやりきる』を肝に銘じています。難しい仕事を早く、お客様の要求通り行うのは難しいですが、続けることで実績と信頼が構築できます。そうすることで、少々高くても仕事を出してくれる状況が作れると思います。当社のブランドは『久野金属工業しか実現できないモノがある』。これが1番のブランドです。自社の強みや特色をさらに磨き、現状をベストだと思わず、どんどん変化させて良い環境を作るように励んでいます。

金型新聞 2020年7月1日

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