テラスレーザー(静岡市駿河区、054-270-7798)は、2019年に設立された金型補修用レーザー溶接機メーカー。高品質でありながら低価格を実現し、独自技術を活かしたユーザビリティの高い製品を提供する。「『直す』とい…
【鳥瞰蟻瞰】ニットー ・藤澤秀行社長 一般の人に広く知ってもらうこと必要

自社の強みを発信
広く知ってもらうことが、会社の成長につながる
「自動車や電機メーカーなどの企業(法人)がお客さんなのだから、自分たちの仕事を一般の人に知ってもらう必要はない」。私もこの会社に入社した当時はそう思っていました。しかし、今は全く違います。一般の人に広く知ってもらうことが、自社の成長につながると考えています。
そのきっかけが、自社製品でした。当社はプレス用金型製造だけでなく、設計から試作、量産までの一貫生産が可能です。この強みをアピールするために、2012年にスマホケースを自社で企画し、製造から販売までを全て手掛けることにしました。
ヌンチャクのように振り回すことができるケースなのですが、それを私自身で実演し、動画をネットに公開したところ、「無駄にかっこいい」と話題になったのです。これまでに43カ国で約5万個売れ、神奈川県から表彰を受けるなど、想像以上の反響がありました。
また、中小企業として初めてクラウドファンディングを活用した事例だったようで、様々なメディアにも取り上げられました。それによって、当初の狙いだった一貫生産のアピールに成功しただけでなく、様々な副次効果が生まれました。社員のモチベーション向上のほか、採用や教育面でもプラスに作用しましたし、知財戦略の知識なども身に付きました。
そして何よりも良かったのが、様々な方との連携が広がったことです。デザイナーや異業種など既存の事業領域を超えたつながりができるようになりました。その成果の一つがアシストスーツ「archelis(アルケリス)」です。
開発のきっかけはある大学の先生と知り合ったことでした。「手術時は長時間立ったままの姿勢になるため、足腰に負担がかかる」という医療現場のニーズを聞き、その課題を解決するために商品開発に取り掛かりました。あらゆる人が装着できるように改良を重ね、通常は製品発表の場である展示会をテストの場として活用し、1000人以上の方に着用してもらいながら、約4年かけて作り上げました。
当初は医療現場向けに開発した商品だったのですが、製品化し一般発売してみると、工場や飲食店など、立ち仕事のある様々な業種、業界から引き合いがあり、多くのニーズがあることに気付きました。市場のニーズに対してよりスピーディーかつ柔軟に対応できるように、20年には新会社「アルケリス」を立ち上げ、営業や開発を強化しています。
こうした自社製品の開発は、「下請けからの脱出」という側面もありますが、それだけではありません。新しいことに取り組み、それを広く一般に発信し続けることで、既存事業の顧客からも「常におもしろいことをやっている」という信用度の向上にもつながります。当社も数年前に比べて、売上高や取引先の数は伸びています。自社製品や高度な加工技術など、自社の強みとなり他社に真似のできないものをつくり、それを情報発信していくことが、今後さらに成長させていくには大事だと思います。
金型新聞 2021年4月10日
関連記事
分業せずに生産性向上一人で開発から製造まで育成には失敗できる環境が大事 大企業に限らず日本の製造業の多くが分業でものづくりを行っています。複数の人員が役割を分担して行う分業という仕組みは、効率良く生産するための有効な手段…
熱間鍛造金型を直彫り トヨタグループ唯一の素材メーカーである愛知製鋼は、特殊鋼に加えて、自動車のエンジンや足回り部分に使用する鍛造部品も手掛けている。「月間1万型を生産、消費する」という金型部門では、高い品質と生産性を実…
事業を継続するために常識にとらわれず挑戦するそれが競争力の原動力に 変わり者とか常識外れとよく言われます。世の中であまり知られてない頃に5軸加工機を購入したり、たびたびCAD/CAMや工作機械の機種を変えたり。どうも周り…
粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…


