金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

24

新聞購読のお申込み

【金型の底力】富窪精機 高精度、高難度の部品加工に挑戦

高精度と5軸で高度な金型
培った技術生かし量産部品へ

 ゴム金型を主力に、月産30~40型を生産する富窪精機。試作用金型から量産用金型までトータルでサポートする。主要顧客は自動車の防振ゴムや吸気マニホールド、燃料ホースなど。国内メーカーはもとより海外自動車メーカー向けの金型も手がける。事業規模拡大、事業ウェイトのバランス化に向けて高精度・高難度の部品加工にも挑戦中だ。

富窪 俊一 社長

 富窪俊一社長は「当社の強みの一つは、高精度加工」という。工場内に±1℃に温度管理をする恒温精密加工室を設け、牧野フライス製作所の5軸制御立形マシニングセンタ「D500」と微細精密マシニングセンタ「iQ500」、安田工業のジグボーラ「YBM950V」を設置。燃料電池車(FCV)の燃料電池用セパレータ金型(ゴムシール用)はじめ超精密部品も製作している。

得意の高精度5軸加工
挑戦している精密円筒部品

 セパレータ金型では従来、ヘール加工が採用されていたが、溝深さ1㎜±5μmの高精度加工を「iQ500」と12万回転の高速スピンドルを使ってミリング加工に置き換えた。加工に汎用性を持たせることができ、工具コストも削減できる。

 一方、「ゴム金型の難しいところは、ゴムが柔らかいこと」という。金型が逆テーパになっていても、ゴムを変形させれば離型できる。金型コストを抑えるため、金型を分割せず一体で作るとアンダーカットを多用することになる。

 そこで必要になるのが5軸加工。同社のもう一つの強みは、5軸加工機を使いこなせること。現在、牧野フライス製作所の5軸制御MC、D500(恒温室内)とD800を擁し、フル稼働している。CAMは、CAM‐TOOL(C&Gシステムズ)とhyperMILL(OPEN MIND Technoligies)を用途・目的に応じて使い分ける。

 高精度な5軸加工機にスリムで高バランスの焼きバメ式工具ホルダを採用することで、工具長を短くでき、干渉による加工制限域を減らし、アンダーカット部を難なく加工できる。「回転時のバランスが良く、安定して高精度な加工ができる」という。精緻なCAMデータも威力を発揮する。結果、加工条件を上げることができ、納期短縮にも貢献している。

 現在、樹脂蛇腹ホース用金型に取り組んでいる。要求溝幅は0.2㎜。極小径エンドミルと焼きバメホルダを駆使し、5軸制御MCでエンドミルの当たる角度を正確に制御する必要がある。

5軸MC「D800」の前で、後列右が富窪社長

 もう一つ挑戦は、円筒の内面にスプライン加工など微細・高精度な加工を施す特殊部品だ。従来のスロッターでの加工をマシニングセンタに置き換える。CAMを駆使し、5軸加工機による切削工具の角度制御と、ワーク干渉回避で高精度に追い込む。「干渉との闘いですよ」と製造1課林雅典リーダーは笑う。

 今後は、金型以外の部品加工にも注力したい考えだ。受注の波を避けられない金型だけでなく「量産部品にも進出したい」と富窪社長。金型以外の売上高ウェイト20%を目指す。培った5軸制御加工と微細高精度加工のノウハウが、顧客を拡げようとしている。

会社概要

  • 本社:愛知県春日井市牛山町1238
  • 電話:0568-31-2520
  • 代表者:富窪俊一社長
  • 創業:1977年
  • 従業員:34人
  • 事業内容:ゴム用金型の設計製造、超精密部品加工。

Q・人材育成で何に取り組んでいるか。

多能工の育成を

 作業効率の向上に向けて、多能工育成に取り組んでいる。ある工程に仕事量が集中し、バランスが崩れるケースがある。そんなボトルネックの発生を防ぐためだ。コロナ禍の影響で仕事量が減少した昨年から、金曜日の午後に育成時間を設けた。チーム或いは個人個人にテーマを設定し、教わる側と教える側に分かれて研修・実習をする。徐々に効果が出てきている。

金型新聞 2021年5月14日

関連記事

明星金属工業 社長と行く1日社員体験

型でおむすび作り 自動車のプレス金型を手掛ける明星金属工業(大阪府大東市、072・877・1661)は旅行専門誌じゃらんと、金型工場を見学したり型でおむすびを作って食べたりできる体験イベントを始めた。 上田幸司社長の案内…

伊藤英男鉄工所 平削から研磨まで一貫生産体制

『お客様第一主義のものづくり』をモットーに、金型や金属部品など大型部品の平削から研磨まで一貫生産を確立。専門メーカーならではのVAやVE提案で最適なリードタイムやコストダウンを提案。年3000件以上のオーダーに応え、直近…

三井ハイテック 電子部品・モータコア好調 22年2-10月期

三井ハイテック(北九州市八幡西区、093-614-1111)の2022年2‐10月期業績は、売上高が前年同期比32.7%増の1309億2200万円、営業利益が同93.6%増の184億9700万円だった。リードフレームやモ…

伊藤製作所 プレス加工ラインを新設

車載・電子部品に対応 プレス金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所(三重県四日市市、059・364・7111)はプレス工場を増設し、新たに受注した車載・電子部品に対応する順送プレス加工ラインを新設。プレス加工から洗浄、検査…

TOWA 2022年3月期第3四半期連結決算

売上約85%増382億円 旺盛な半導体需要が牽引 TOWAは2022年3月期第3四半期の連結決算を発表し、売上高は382億円(前年同期比84.8%増)、営業利益は90億円(同288.9%増)、経常利益は90億円(同274…

トピックス

関連サイト