金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

30

新聞購読のお申込み

【インタビュー】扶桑精工・松山広信社長「攻めの企業を目指す 」

営業改革や自社ブランド開発

まつやま・ひろのぶ
1980年生まれ、東京都出身。2004年立教大学卒業後、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、営業、企画などを経験した。19年扶桑精工に入社、20年同社社長に就任し、現在に至る。

2020年9月にガラスびん用金型やブロー成型金型、インジェクション金型などを手掛ける扶桑精工(神奈川県相模原市)の社長に就任した。受注産業特有の受け身体質から脱却し、「積極的な『攻め』の企業を目指す」と抱負を語る。

19年9月に前職の銀行を退職し、義父である前田順也会長(前社長)が経営する扶桑精工に入社した。入社後、同社の決算書の分析や管理職と面談。会社の強みや弱み、働く人の人となりや現場の雰囲気などを把握することに努めた。

そこで感じたのは、「攻め」の姿勢の欠如だった。「祖業のガラスびん用金型をはじめとした金型技術では長年培ってきた高いノウハウがあり、それを上手く伝承している。こうした強みを持つ一方で、個別受注生産ゆえの受け身体質によって、営業力に課題があった」。

こうした課題を解決するため、営業改革に着手。今年2月には若手従業員数人でテレアポを行い、新規顧客開拓に取り組んだ。1か月半ほどの短期集中で実施し、2000件以上と接触することができた。他にも金融機関からの紹介なども積極的に取り入れている。

営業面に加えて注力するのが、自社ブランド・商品の開発だ。昨年5月に若手10人ほどでプロジェクトを立ち上げた。ガラス、プラスチック、鋳物と素材別にチームを分け、オリジナル商品の開発を目指す。「『攻め』の企業を目指すためには、自社ブランド・商品が不可欠。来年までには何とか形にしたい」。

また、管理職研修の一環としてマーケティング手法や経営知識などビジネスに必要な教養も学ばせている。決算書の読み方や法律の知識などは自らが講師指導を行っている。「ただ、良いものを作っていればいいという時代ではない。今後は中小企業であっても、こうした知識を身に付けて事業を展開していく必要がある」。

新型コロナウイルスの感染拡大、カーボンニュートラルに向けた動きなど、世界は加速度的に変化している。「攻め」の姿勢を求めるのも、この激動の時代に対応するためだ。「スピード感を持って、今後も様々な取り組みを進めていきたい」。

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

鈴木工業 デジタル技術を駆使し、スピード追求した金型づくり【金型の底力】

自動車用プレス金型を手掛ける鈴木工業は、スピードを追求した金型づくりを進める。これまでにシミュレーションソフトなどのデジタルツールを導入したほか、金型部品の分散加工などに取り組み、金型製作のスピードを向上させてきた。足元…

キューシボ 出力1200Wの大型レーザーで金型補修【金型応援隊】

金型のレーザー肉盛り溶接を手掛けるキューシボは、出力1200ワットのファイバーレーザー溶接機を導入した。金型に加え、産業用タービン(ロータ)などの肉盛り溶接も始める考えだ。 導入したのは独アルファレーザー社の「ALFla…

マツダが金型を作る理由【特集:自動車メーカーの金型づくり】

魂動デザインなど独自の哲学で「走る歓び」を追求するクルマづくりに取り組むマツダ。金型はそれを実現するための極めて重要なマザーツールだ。なぜ社内で金型を作り続けるのか。金型づくりを進化させるため取り組むこと、これから目指す…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –アジア–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

久野金属工業 金型・プレス・組立一貫生産【金型の底力】

プレス業界の活性化に ハイテン材など高張力鋼板や難加工材のプレス金型及びプレス加工を手掛ける久野金属工業は、次世代車向けのプレス部品の製造を強化するため、約30億円を投じ、愛知県豊明市に新工場を建設。金型からプレス加工、…

トピックス

関連サイト