金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JANUARY

29

新聞購読のお申込み

【インタビュー】扶桑精工・松山広信社長「攻めの企業を目指す 」

営業改革や自社ブランド開発

まつやま・ひろのぶ
1980年生まれ、東京都出身。2004年立教大学卒業後、UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、営業、企画などを経験した。19年扶桑精工に入社、20年同社社長に就任し、現在に至る。

2020年9月にガラスびん用金型やブロー成型金型、インジェクション金型などを手掛ける扶桑精工(神奈川県相模原市)の社長に就任した。受注産業特有の受け身体質から脱却し、「積極的な『攻め』の企業を目指す」と抱負を語る。

19年9月に前職の銀行を退職し、義父である前田順也会長(前社長)が経営する扶桑精工に入社した。入社後、同社の決算書の分析や管理職と面談。会社の強みや弱み、働く人の人となりや現場の雰囲気などを把握することに努めた。

そこで感じたのは、「攻め」の姿勢の欠如だった。「祖業のガラスびん用金型をはじめとした金型技術では長年培ってきた高いノウハウがあり、それを上手く伝承している。こうした強みを持つ一方で、個別受注生産ゆえの受け身体質によって、営業力に課題があった」。

こうした課題を解決するため、営業改革に着手。今年2月には若手従業員数人でテレアポを行い、新規顧客開拓に取り組んだ。1か月半ほどの短期集中で実施し、2000件以上と接触することができた。他にも金融機関からの紹介なども積極的に取り入れている。

営業面に加えて注力するのが、自社ブランド・商品の開発だ。昨年5月に若手10人ほどでプロジェクトを立ち上げた。ガラス、プラスチック、鋳物と素材別にチームを分け、オリジナル商品の開発を目指す。「『攻め』の企業を目指すためには、自社ブランド・商品が不可欠。来年までには何とか形にしたい」。

また、管理職研修の一環としてマーケティング手法や経営知識などビジネスに必要な教養も学ばせている。決算書の読み方や法律の知識などは自らが講師指導を行っている。「ただ、良いものを作っていればいいという時代ではない。今後は中小企業であっても、こうした知識を身に付けて事業を展開していく必要がある」。

新型コロナウイルスの感染拡大、カーボンニュートラルに向けた動きなど、世界は加速度的に変化している。「攻め」の姿勢を求めるのも、この激動の時代に対応するためだ。「スピード感を持って、今後も様々な取り組みを進めていきたい」。

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く<br>セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く
セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

研究開発が新たな道  リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来…

中村精工 DXで年間20社以上の新規開拓を実現

新たに福岡工場が稼働 射出成形事業を強化 自動車向けプラスチック金型の設計・製作を手掛ける中村精工(岐阜県岐阜市、058-388-3551)は1月、成形事業及び金型メンテナンスを行う福岡工場(福岡県飯塚市)を立ち上げ、1…

【新社長に聞く】シー・アイ・エム総合研究所  富田 英史社長「現場と経営つなぐ司令塔に 」

とみた・ひでし1999年慶応義塾大卒。システム会社での開発経験を始め、日本ヒューレットパッカードや日本オラクルでコンサルティング部門の部門長を歴任。直近では政府系ファンド出資のランドデータバンクの立ち上げに専務執行役員と…

AM技術の可能性
DMG森精機 AM部 ブルーメンシュテンゲル健太郎 部長に聞く

 金属3Dプリンタを使った金属積層技術(AM技術)は様々な分野で広がっている。代表的なものは航空宇宙、医療、自動車で、さらに多方面へ拡大することは間違いない。そこで金属3Dプリンタを活用した次世代の金型づくりの可能性を探…

マイクロヴェルト 技能問わずどこでも使える測定機【金型応援隊】

マイクロヴェルトは4月にもレーザー式の回転工具外径測定機「マイクロヴェルトナノ9」を発売する。設置環境や技術者のスキルを問わず、極めて短い時間で高精度に測定できる。 工具を独自のVブロックにセット。ボタンを押すと工具が回…

トピックス

関連サイト