金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

15

新聞購読のお申込み

【インタビュー】冨士ダイス 社長・久保井 恒之社長「順応力を持った企業目指す」

今年4月、ダイスなど超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の社長に就任した。自動車産業の大変革など同社を取り巻く事業環境が加速度的に変化する中、「変化に対して順応力を持った企業を目指していく」と抱負を語る。

経営効率を高め、事業領域を拡大

くぼい・つねゆき
1958年生まれ、東京都出身。81年芝浦工業大学卒業後、冨士ダイス入社。2014年取締役、18年常務、20年副社長、21年社長に就任し、現在に至る。国内の各製造拠点で生産技術などに従事した後、生産本部長や営業本部長などを務めた。趣味はサイクリング。座右の銘は「着眼大局・着手小局」。

次世代自動車への転換の加速、コロナ禍による生活様式の変化、国際秩序の不安定化などによって、同社の顧客も大きく変化している。「持続的な成長のためには、従来の考え方に固執することなく、事業領域を広げていかなければならない」と変革の重要性を強調する。

昨年には新規分野を開拓する営業部隊を新設。営業ノルマを定めず、将来を見据えた企画や提案に注力させることで、「新しい成長エンジンを創出していく」という。自動車分野ではモータや電池、磁性材など次世代自動車に関連する部品の取り込みを狙う。また、自動車以外でもマイクロ流路やガラス成形品などの医療関連を始め、様々な分野への拡販を目指す。

加えて、「国内の事業領域を広げつつ、海外事業も強化していきたい」とアジア地域を中心とした海外事業の売上拡大も視野に入れる。中国の販売拠点を増やす他、タイとインドネシアにある海外製造拠点の生産能力強化などを計画している。

また、変化に対応できる企業体質への転換にも取り組む。製造から開発、営業と幅広い部門を務めてきた自身の経験を生かし、「無駄を省き、筋肉質な企業体質に変革させていきたい」と意気込む。生産面では外部コンサルを活用した生産現場の改善や生産拠点の再編などを検討している。その他、ITを活用した営業手法の導入や業務効率の改善も進めていく考えだ。

今年策定した中期経営計画では、営業利益率を2021年度見込みの約3.5%から26年度までに12.5%以上に引き上げる目標を掲げた。経営効率のさらなる向上に挑み、2023年度までにコロナ禍前の売上高170億円、26年度までには200億円を目指す。

「当社の強みは、『粉末冶金技術』と『精密加工技術』。この2つを生かしながら、自由で柔軟な発想で顧客のニーズに対応した挑戦を続けていく」。

金型新聞 2021年10月10日

関連記事

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く<br>セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

日本の金型変わる経営環境 未来の扉どう開く
セントラルファインツール 三宅 和彦 社長に聞く

研究開発が新たな道  リーマン・ショック以降需要が回復しているものの、これがいつまで続くのか。自動車の電気化やインターネットの技術革新が産業構造にどんな影響を及ぼすのか。それが、日本の金型メーカーの多くの経営者が抱く未来…

「新たな壁に挑み突破できる組織作り」 大垣精工・松尾幸雄社長[この人に聞く]

プレス金型及び量産を手掛ける大垣精工(岐阜県大垣市、0584-89-5811)は今年3月、松尾幸雄氏が社長に就任し、新たな船出に乗り出した。同社は独自の技術で世界シェア№1を誇るハードディスクドライブ(HDD)部品をはじ…

黒田機型製作所 金属AMで新事業【金型の底力】

プレス金型やウレタン発泡成形金型を手掛ける黒田機型製作所は今年4月、事業再構築補助金を活用し、金属3Dプリンタを導入した。高い冷却効果が求められるバイオ樹脂向けの金型開発に着手する。主力の自動車業界に加え、新たな事業の柱…

【インタビュー】新栄工業代表取締役社長・中村新一氏 「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげることができる」

 プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区、043-258-2310)は2019年末に、プレス金型メーカーのアポロ工業(埼玉県吉川市)を資本提携によってグループ化した。「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげるこ…

鋳造に独自の新工法
マツダ

特集 次世代車で変わる駆動部品の金型鋳造に独自の新工法  次世代自動車の技術は電動化に限らない。注目されるのがエンジンの進化だ。燃費性能を追求する新型エンジン「スカイアクティブ」。多くの自動車メーカーが電動化に力を入れる…

トピックス

関連サイト