自動車部品などのプレス金型を手掛けるササヤマは設立50周年を迎えた昨年度、新たな中期経営計画をスタートした。その3カ年のプロジェクトは金型製作期間を半減するなど競争力の再強化を目指す。EV化が加速するなど取り巻く経営環境…
【インタビュー】冨士ダイス 社長・久保井 恒之社長「順応力を持った企業目指す」
今年4月、ダイスなど超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03-3759-7181)の社長に就任した。自動車産業の大変革など同社を取り巻く事業環境が加速度的に変化する中、「変化に対して順応力を持った企業を目指していく」と抱負を語る。
経営効率を高め、事業領域を拡大

くぼい・つねゆき
1958年生まれ、東京都出身。81年芝浦工業大学卒業後、冨士ダイス入社。2014年取締役、18年常務、20年副社長、21年社長に就任し、現在に至る。国内の各製造拠点で生産技術などに従事した後、生産本部長や営業本部長などを務めた。趣味はサイクリング。座右の銘は「着眼大局・着手小局」。
次世代自動車への転換の加速、コロナ禍による生活様式の変化、国際秩序の不安定化などによって、同社の顧客も大きく変化している。「持続的な成長のためには、従来の考え方に固執することなく、事業領域を広げていかなければならない」と変革の重要性を強調する。
昨年には新規分野を開拓する営業部隊を新設。営業ノルマを定めず、将来を見据えた企画や提案に注力させることで、「新しい成長エンジンを創出していく」という。自動車分野ではモータや電池、磁性材など次世代自動車に関連する部品の取り込みを狙う。また、自動車以外でもマイクロ流路やガラス成形品などの医療関連を始め、様々な分野への拡販を目指す。
加えて、「国内の事業領域を広げつつ、海外事業も強化していきたい」とアジア地域を中心とした海外事業の売上拡大も視野に入れる。中国の販売拠点を増やす他、タイとインドネシアにある海外製造拠点の生産能力強化などを計画している。
また、変化に対応できる企業体質への転換にも取り組む。製造から開発、営業と幅広い部門を務めてきた自身の経験を生かし、「無駄を省き、筋肉質な企業体質に変革させていきたい」と意気込む。生産面では外部コンサルを活用した生産現場の改善や生産拠点の再編などを検討している。その他、ITを活用した営業手法の導入や業務効率の改善も進めていく考えだ。
今年策定した中期経営計画では、営業利益率を2021年度見込みの約3.5%から26年度までに12.5%以上に引き上げる目標を掲げた。経営効率のさらなる向上に挑み、2023年度までにコロナ禍前の売上高170億円、26年度までには200億円を目指す。
「当社の強みは、『粉末冶金技術』と『精密加工技術』。この2つを生かしながら、自由で柔軟な発想で顧客のニーズに対応した挑戦を続けていく」。
金型新聞 2021年10月10日
関連記事
大型機組立工場新設の理由 牧野フライス製作所は昨年末、山梨県富士吉田市に大型加工機の組み立て工場を新設すると発表した。12年ぶりの新工場で、総額210億円を投資し、大型加工向けを強化する。2026年初めに本格稼働する予定…
プレス加工メーカーの新栄工業(千葉市花見川区、043-258-2310)は2019年末に、プレス金型メーカーのアポロ工業(埼玉県吉川市)を資本提携によってグループ化した。「M&Aは事業領域の拡大や技術の強化につなげるこ…
自動車の電動化(EV化)に伴い、ものづくりも大きな変革期を迎えている。従来のエンジン車には搭載されなかった電動化部品の需要が高まり、新規需要の取り込みが部品メーカー各社の大きな課題となっている。その中、ハイテン材加工の車…
「どうも、石井精工のユーチューブチャンネルです」。2021年から動画投稿サイト「ユーチューブ」に自社の紹介動画や、使用した工具のレビュー動画などを投稿する。約2年で動画本数は100本を超え、登録者数は1000人を突破した…