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七宝金型工業 ポーラス金型の検証開始

ダイカストの技術革新へ

ダイカスト金型メーカーの七宝金型工業(愛知県津島市、0567-24-8787)は金属3Dプリンタ—を活用し、ポーラス金型(多孔質金型)の実用化に向け研究を進めている。金型内部から離型剤を染み出す構造のポーラス金型が実現できれば、離型剤塗布の工程が削減でき、サイクルタイム短縮や不良率低減にもつながる。松岡寛高社長は「実現すれば、他社にない唯一の技術と言える。まだまだ課題は多いが、研究も進んでおり、ダイカストの技術革新に向けて邁進したい」とし、試作型を用いた検証を始めた。

生産性向上に貢献

ポーラス金型の研究を始めたきっかけは「世界的に金型の品質が向上し、日本の金型メーカーの優位性が薄れてきたため、危機感が募った」と話す。同社は大型ダイカスト金型を強みに、タイやメキシコなどグローバル展開しているが、金型の技術進化が希薄になっているとも感じていた。

そこで、2015年に金属3Dプリンタを導入し、新たな金型技術の開発に取り組む。「まずは3D冷却水管の開発から始めた」と松岡社長。さらに、ダイカストの離型剤に着目し、外部からの塗布を内部から染み出す構造にできないかと考え、取り組んだのがポーラス金型だ。18年に戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に選ばれ、材料はマルエージング鋼を使い、金属3Dプリンタで50μmほどの微小な穴を作り、そこから離型剤が染み出す構造を確立。「難しいのは狙い通りの穴サイズや位置に造形すること。従来は造形不良を起こさせることで多孔質な形状を作っていたが、これだと思う通りに穴を作ることはできない。研究を進め、穴のコントロールが可能になり、微小な穴でなくても離型剤塗布に問題ないことまで突き止めた」。

21年は新あいち創造研究開発補助金を取得。試作型を製作し、機能性や寿命など基礎データ作りも始まった。課題は材料や寿命。松岡社長は「SKDは問題もあり、今はマルエージング鋼を使っているが、寿命などの課題も残る」と指摘する。また、顧客ニーズに合ったポーラス金型を製作できるかの検証も必要だが、「我々の技術とマッチするユーザーや興味を持つユーザーと協力して進めていきたい。メリットがあると証明できれば、EV部品など課題に適合する可能性があり、成形のサイクルタイム短縮や不良率低減といった課題解決につながる」と語り、金型の新たな付加価値に向けて研究は続く。

金型新聞 2022年1月10日

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