ゼロベースで知恵絞る 得意な分野で連携を 顧客の生産技術をサポート 日本金型工業会の学術顧問を務める、日本工業大学大学院の横田悦二郎教授は、日本のプレス金型の強みを「他の型種に比べ、技術の蓄積が生かせる部分が大きい」と…
「金型業界で働く女性の声や悩みにも耳を傾けて」名古屋精密金型営業部部長・渡邊祐子氏
インターモールド大阪では4月20日、女性雇用のメリットや現場の男女共同参画などを討論する特別イベントが開かれる。労働人口減少により製造業は女性の活躍が課題で、金型業界も働き方改革など取組みが始まっている。日本金型工業会では女性の活躍を推進する「かながた小町」を設け、現場で働く女性の声や悩みなど業界内へ発信を強化。そこで金型業界における女性活躍の現状や課題、業界に知ってもらいたいことをイベントの参加者である名古屋精密金型の渡邊祐子部長に聞いた。

経営者層の「聞く力」
リモートワーク導入も
働く女性の現状は。
業界内で女性が増えたという実感はありません。製造現場は男性が中心。設計や磨き工程など一部に女性も入っていますが、女性が入社し活躍する現場にするには道のりは長いと感じます。
現場の取り組みは。
働きやすい環境にしようと女性専用の休憩室を作るなど取り組んできましたが、改めて、女性たちにヒアリングすると意外なニーズを聞きました。
そのニーズとは。
彼女たちはやる気があるのに男性と平等なチャンスを与えてもらえていないと感じているようです。例えば、残業できるのに声がかからないとか。上司の気遣いもあると思いますが、「働ける、頼られたい」という女性がいることを知ってほしい。
キャリア志向ですね。
そこは個人で異なりますが、女性とコミュニケーションを図り、互いのニーズをマッチングする必要があります。女性は本音が言えないことも多いので、経営者層と女性の間を取り持つ調整役がいると心強いですね。
まずは聞くことだと。
経営者や工場長など少しずつ女性雇用に対する理解を深めてほしい。今後も人手不足は深刻化し、工場の働き手は減っています。求人を出しても応募も来ません。その中で、金型を作り続けるには男性はもちろん、女性もアシスト役として活躍する場はたくさんあると思います。例えば、重量物の運搬でパワーリフトを導入すれば、女性でも納品に行けます。少額投資で女性も働ける環境を作れるなら、業界の発展につながるのではないでしょうか。
金型業界に伝えたいことは。
互いにリスペクトする環境づくりが重要です。産休や育児休暇制度に加え、テレワーク導入も業界課題の1つ。まずは互いを知ることで溝も埋まります。インターモールド大阪に続き、7月の名古屋展でも女性従業員による討論会を行います。これをきっかけに女性の声に耳を傾けてほしい。
金型新聞 2022年4月10日
関連記事
「CASE」による自動車業界の大変革は金型メーカーに大きな変化を迫ってきた。そして昨年から続くコロナ禍。リモート環境への対応やデジタルツールの活用など、変化せざるを得ない状況はさらに加速している。こうした混迷の時代に合…
リブランディングを実施 アイセル(大阪市中央区)はこのほど、リブランディングを実施し、企業イメージの刷新を図った。企業ロゴの変更やアイコンの作成、製品のデザインの統一といった対外的な部分での変更に加え、社内では改めてミッ…
金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事 「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…
「コロナ禍で航空機など需要が落ち込み、試作車市場も変化している」と語ったのは鳥羽工産の傍島聖雄社長。同社は金型製作(プレスや射出成形)から量産(少ロット)まで一貫生産体制を強みに、これまで自動車の試作型や試作車の製作、航…