金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JULY

13

新聞購読のお申込み

田口型範 社長 田口 順さん(70)
〜ひと〜

親子2代で旭日単光章を受けた

 昨年11月、秋の叙勲で「旭日単光章」を受賞した。創業以来72年連続で黒字経営を続けたこと、2007年に経済産業省から「元気なモノ作り中小企業300社」を受けたことなどが認められた。「個人ではなく、田口型範という会社で受賞したと解釈している」。

 先代の父、貞一さんも1985年に「勲六等単光旭日章(現在の旭日単光章)」を受賞しており、親子2代の栄誉となった。「木型職人で『現代の名工』にも選ばれた父に対して、自分は経営者タイプ」と自らを称する。

 大学卒業後に入社。翌年、二本松工場(福島県)の立ち上げに責任者として携わった。「ボルト1本すら無い未開の地で苦労したが、経営者としての感覚が身に付き、良い経験ができた」。

 89年に先代から社長を引き継いだ。「2代目として自分の強みを見つけるのに必死だった」。NC(数値制御)化を進めたり、5軸制御マシニングセンタを業界に先駆けて導入したり、現在の「木型」「金型」「試作」「インペラ」という4本柱を確立した。

 今後は技能者の育成に力を注ぐ。「日本の金型が世界一という時代はとうの昔に過ぎ去った。技術力が落ちており、このままでは世界から取り残される」と危機感を抱く。機械の操作、プログラム、設計など従業員を一から教育し、技術力の底上げを目指す。

金型新聞 2020年6月4日

関連記事

【インタビュー】リヒト精光 鋼に命を吹き込む技術

鋼に命を吹き込む技術 『鋼に命を吹き込む』を合言葉に、プレス金型やプラスチック金型、ダイカスト金型ほか、半導体向け金型など幅広い型種の長寿命化に貢献する技術集団がリヒト精光(京都市南区、075-692-1122)だ。同社…

田岡秀樹氏

【プレス型特集】
本田技研工業 田岡 秀樹氏に聞く
プレス型メーカーの目指すべき方向性

自分の強み生かす道を 本田技研工業 完成車新機種推進部 主任技師 田岡 秀樹氏に聞く 高級車か、低価格車か、2極化も 金型なくして新車開発ならず 自動運転、ライドシェア、電気自動車(EV)の進化―。自動車業界では急激な変…

【金型の底力】キヤノンモールド世界に誇れる「見通せる工場」

世界一の金型メーカーへ 新本社工場が本格稼働 キヤノンモールドは移転を進めていた「本社・友部事業所」を7月から本格稼働させた。市内に分散していた工場を1か所に集約。自動化や人・モノの移動を減らすなどして、従来比で1.5倍…

【金型応援隊】太陽テクニカ ダメ元でも相談を

一桁ミクロンの加工精度 「マシニングで出せない精度の穴加工は、是非任せてほしい」と語るのは、長年ジグボーラー加工やジグ研削加工に携わってきた、太陽テクニカの大畠正陽社長。同社は、航空・宇宙産業の部品から工作機械の主要精密…

【金型の底力】日本精機 金属3Dプリンタの技術や知見を蓄積

ダイカスト金型メーカーの日本精機は金属3Dプリンタを活用した金型づくりに本格的に乗り出す。7月に金属3Dプリンタ2台を導入した。きっかけはSKD61相当材で造形が可能になり、金型への適用領域の可能性が広がってきたこと。ま…

トピックス

関連サイト