微細加工の大型化に対応 工作機械の「マザーマシン」として世界で高い評価を得ている安田工業。近年、金型業界でもニーズが高まる微細加工向けとしてJIMTOF2016で「YMC650」を発表し微細加工分野の開拓に努めている。…
「品質の安定化を図る」阪村エンジニアリング社長・松井大介氏
EV化への対応加速

まつい・だいすけ
1975年生まれ。大阪府出身。2000年龍谷大学国際学部卒。1999年同社入社(在学中にアルバイト入社)、2009年取締役製造部長、21年代表取締役に就任。座右の銘は「意志あるところに道は開ける」。趣味はゴルフと海外出張。
磨きロボットなど販売
現状について。
自動車向けはダウンしているものの、工作機械やロボットの需要増加で六角穴付きボルト(キャップボルト)向けの金型が好調で、2月は単月で過去最高の売上高だった。新型コロナウイルスでグローバルのサプライチェーンが寸断され、部品不足に陥っているが、逆に海外輸入していたボルト向け金型が国内回帰し、盛況となっている。また、アウトドア需要で自転車や家庭用ゲーム機など幅広い市場で動きが活発だ。
顧客の幅を広げることが重要ですね。
時代の変化が早く、予測できない中では特定の産業や顧客へ依存するより、幅広い市場や顧客を開拓することが重要だと思う。当社も依存度が10%を超える顧客はない。自社技術やPRを強化し、金型メーカーも攻める時ではないだろうか。
自動車産業はEV化で変革が訪れています。
確かに変革の時代だが、金型メーカーにとってはチャンスと言える。EV化でなくなる部品もあるが、電池やモータといった新しい部品や軽量化で新工法開発や工法転換が進み、金型の高精度化・品質安定化が求められる。当社も数年前に設備投資を図り、EV部品の受注につながっている。今後は増設も検討していく。
社内の取り組みは。
鍛造におけるニーズの1つが品質の安定化だ。昨今はユーザーの品質管理も厳しさを増している。そこで昨年、磨き工程の自動化を図る磨きロボットシステムを開発し、社内運用や販売を始めた。引き続き、人では技量などで品質の安定が難しい工程に対し機械化を進め、品質の安定を図るほか、工場内で活用するAGV(自動搬送ロボット)の導入も視野に入れている。
人材面では。
機械化を図るとはいえ、人がいないと事業は継続できない。直近はSDGsに取り組み、プラスチックの梱包資材を紙に変更できるか検討し、若手支援で奨学金の補助制度を始めた。健康経営優良法人2022にも認定されたところだ。中小企業の最大の課題は『人』。解決するにはイメージ戦略も重要になる。
金型新聞 2022年4月10日
関連記事
鋼に命を吹き込む技術 『鋼に命を吹き込む』を合言葉に、プレス金型やプラスチック金型、ダイカスト金型ほか、半導体向け金型など幅広い型種の長寿命化に貢献する技術集団がリヒト精光(京都市南区、075-692-1122)だ。同社…
ホットランナの市場拡大を 今年、日本法人設立30周年を迎えたハスキー(東京都町田市、042-788-1190)。プリフォーム射出成形システムの世界最大手でありながら、ホットランナメーカーとしての側面も持つ。日本では20…
ロットに応じ金型を安く 低廉化金型を開発 自動車部品などのダイカスト金型を手掛ける魚岸精機工業は、ロット数に合わせて、金型の価格を安くする「低廉化金型」の開発に成功した。ある金型では従来に比べて最大45%安くなるという。…
自動車用プレス金型を手掛ける鈴木工業は、スピードを追求した金型づくりを進める。これまでにシミュレーションソフトなどのデジタルツールを導入したほか、金型部品の分散加工などに取り組み、金型製作のスピードを向上させてきた。足元…


