金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

MAY

29

新聞購読のお申込み

「計測、CAD/CAM、CAE技術生かし、DX化を推進」Hexagon先端技術開発室・立石源治室長【この人に聞く】

Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション」の開発に注力している。Hexagonの立石源治氏に特長や今後の展開などを聞いた。

データ共有しデジタルツイン

スプリングバックを予測

たていし・もとはる
1957年生まれ、佐賀県出身。83年明治大学理工学部卒業後、日本マーク入社。2003年京都工芸繊維大学で工学博士を取得。17年エムエスシーソフトウエアテクニカルフェロー、現在はHexagon先端技術開発室室長。日本計算工学会フェローも務める。

「Smart Manufacturingソリューション」とは。

Hexagonが持つ計測、CAE、CAD/CAM技術を統合し、顧客のものづくり改革を支援するソリューションだ。手戻り・試作の削減やリードタイムの短縮を実現するために、製造現場で取得したデータを上手く管理、 共有し、 デジタルツイン技術を活用して製造プロセス全体を最適化する仕組みを提案している。

具体的には。

製造プロセス全体を最適化するには、データを上手く共有できる仕組みを作ることが重要だ。当社では設計から生産まで製品のライフサイクルを通したデータの管理が可能なシステム「ViLMa(ビルマ)」を提供している。CAD情報や計測データ、シミュレーションデータを紐づけて管理でき、蓄積したデータは品質管理だけでなく、デジタルツインの構築にも活用できる。

どういうことか。

デジタルツインはこれまで、現実を上手く表現するために、熟練作業者が高度なノウハウを駆使して計測データのばらつきを分析しながら調整し、合わせ込んでいた。「Smart Manufacturingソリューション」では、AIを活用することで、蓄積したデータから高性能なデジタルツインを構築できる。誰でも扱える点がこれまでのデジタルツインとの違いだ。リアルとバーチャルの両方の技術を持っているHexagonだからこそ可能な技術と言える。

金型向けのソリューションは。

現在、板成形に特化した金型設計最適化システム「Smart Press Shop(スマートプレスショップ)」を開発している。性能の高いデジタルツインによって、高精度なスプリングバックの予測や見込みを考慮した型形状の作成、補修時期と部位の推定、仮想検具による全品検査などが可能になる。これにより、実機での試作回数を大幅に減らせ、量産までのコストや工数を削減できる。

今後の展開は。

今後も計測、CAE、CAD/CAM技術を進化させ、ソリューションを拡充させていく。まだまだ日本の製造業は部門間での分断があり、全体での最適化が図れていないという課題がある。部門間をシームレスにつなぐ環境を提供し、ものづくりのさらなる効率化、高精度化に貢献したい。

金型新聞 2022年6月9日

関連記事

伊藤製作所がテクニカルセンタを設立した理由【金型の底力】

順送り金型やプレス加工を手掛ける伊藤製作所は本社近くにテクニカルセンタを設立し、金型部門を集約することで、本社工場などにプレス機械を増設し、需要が高まっているプレス部品の増産体制を整える。さらに、CAEや3D形状測定機、…

【この人に聞く】テクノア社長・山﨑耕治氏「システムにおける中小企業の専門医として導入検討時の不安を取り除く」

 一品一様の世界である金型産業は生産や技術面で人に頼ることが多く、デジタル化が喫緊の課題。そこで生産管理システムで生産性向上や経営のサポートに取り組んでいるのがテクノア(岐阜県岐阜市)だ。金型など中小企業向けで多品種少量…

日本金型工業会 事務局長 川田 明美さん(58)
〜ひと〜

会員の声をカタチにしたい  昨年、金型メーカーで働く女性が現場の課題などを話し合った「かながた小町」を企画した。金型メーカー約420社が参加する日本金型工業会の行事の多くは経営者やマネジメント層が対象。「金型メーカーで働…

鈴木工業 デジタル技術を駆使し、スピード追求した金型づくり【金型の底力】

自動車用プレス金型を手掛ける鈴木工業は、スピードを追求した金型づくりを進める。これまでにシミュレーションソフトなどのデジタルツールを導入したほか、金型部品の分散加工などに取り組み、金型製作のスピードを向上させてきた。足元…

不二精工 淡路島で新工場を稼働し、大型化対応や研究開発を強化【金型の底力】

同社は1920年の創業で、接点などの電子機器向けのプレス部品を強みに業容を拡大してきた。近年は、車載部品での採用も進んでおり、その精密な金型とプレス技術は世界中で認められている。 例えばスマートウォッチに搭載された気圧セ…

関連サイト