企業間の情報共有を容易に Dr.型管Cloud シー・アイ・エム総合研究所(東京都目黒区、03-5745-1181)は11月、金型に関する様々な情報をクラウド上で一元管理できる「Dr.型管Cloud」をプレリリースする。…
ニチダイ 鍛造型の状態可視化するダイセットを開発
センシング機能でDX推進

冷間鍛造金型を手掛けるニチダイはダイセット内に荷重や変位、振動など各種センサを組み込み、金型の状態を可視化するセンシング機能を持った『インテリジェントダイセット』を開発。これにより、型寿命や製品不良などの異常検知が可能で、今後はデータ蓄積・解析を進め、金型の予知保全を実現する技術の開発を進めていく。
冷間鍛造は材料(金属)を常温のまま金型に押し付けて金属を変形させる技術だが、型寿命のバラツキや不良発見に作業者の目視確認が必要(熟練技能)など課題も多い。
同社はダイセット内に荷重センサや変位センサ、AEセンサなどを組み込み(最大16チャンネル)、プレス機からの実荷重や金型の変位などを、1ショットごとやリアルタイムでモニタリングすることでプレス内部の状態を把握し、製品や金型異常の早期発見につなげ、最適な金型メンテナンスや製品不良の削減を図る。伊藤直紀社長は「インテリジェントダイセットをMMS(ものづくりマネジメントシステム)と呼んでおり、鍛造のDX化で型寿命の予測や成形不良の削減に貢献したい」と話す。同製品は従来プレス機のまま、ダイセットの交換のみで使用できるのが大きな特長で、温度・重さ・色覚・音などニーズにも対応でき、早期製品化を目指す。
同社はさらに、先を見据えた技術開発を進める。「可視化を実現したが、まだ型寿命のバラツキや成形不良の原因を突き止められていない」とインテリジェントダイセット開発を担当する新事業開発部の森満帆主任は話す。サイバーフィジカルシステムを用いて、各種センサから得たデータの蓄積・解析を進め、異常の原因を把握し、金型の予知保全を実現する実証実験を始めた。伊藤社長は「見据えるのは20年先。鍛造のDXは道半ばだが、未来は当たり前になるだろう。その時、自律的な金型の予知保全を実現できれば、工場の自動化や無人化、SDGsやカーボンニュートラルにも貢献できる」と胸を張る。同社は4月の大阪展に続き、7月に開催されるインターモールド名古屋に出展し、実機を交えた鍛造のDX化を披露する。
金型新聞 2022年6月9日
関連記事
供給網の競争力向上へ トヨタ自動車は7月から、部品メーカーに分割で支払っていた金型費用を一括支払いに切り替えた。部品メーカーが金型の製作に必要な費用を先行して負担しなくてもいいようにする。部品のサプライチェーンの資金繰り…
野宮産業は、工業用ブラシやブラシを使った自動機・洗浄機などを設計・製作するメーカー。顧客の要望に応じて作るオーダーメイド製作に強みを持つ。 同社の「金型清掃用ブラシ」は金型専用の毛材を使用しており、高温状態の金型を清掃で…
ダイカスト金型などで使用され始めた金属3Dプリンター。しかし、造形で広く使われる粉末材のマルエージング鋼では熱伝導性が低いなどの課題もあり、SKD61相当の粉末材の開発が求められていた。今回、三菱商事テクノスと大手素材メ…
金型技術を原動力に Ringは、金属の板をプレスし樹脂を一体化するインサート成形品や、複数の部品からなる組立製品を手掛ける。生産拠点も国内・海外とグローバルに展開している。事業拡大のコアとなっているのが金型技術だ。時代の…


