ヤマシタワークスはこのほど、薬品などの錠剤を錆びずに打錠できる「ハイブリッド打錠用杵」で、発明協会の「発明奨励賞」を受賞した。同賞は科学技術の発展と産業振興に貢献した製品や技術に贈られる賞。 受賞した製品は同社の鏡面磨き…
ニチダイ 鍛造型の状態可視化するダイセットを開発
センシング機能でDX推進

冷間鍛造金型を手掛けるニチダイはダイセット内に荷重や変位、振動など各種センサを組み込み、金型の状態を可視化するセンシング機能を持った『インテリジェントダイセット』を開発。これにより、型寿命や製品不良などの異常検知が可能で、今後はデータ蓄積・解析を進め、金型の予知保全を実現する技術の開発を進めていく。
冷間鍛造は材料(金属)を常温のまま金型に押し付けて金属を変形させる技術だが、型寿命のバラツキや不良発見に作業者の目視確認が必要(熟練技能)など課題も多い。
同社はダイセット内に荷重センサや変位センサ、AEセンサなどを組み込み(最大16チャンネル)、プレス機からの実荷重や金型の変位などを、1ショットごとやリアルタイムでモニタリングすることでプレス内部の状態を把握し、製品や金型異常の早期発見につなげ、最適な金型メンテナンスや製品不良の削減を図る。伊藤直紀社長は「インテリジェントダイセットをMMS(ものづくりマネジメントシステム)と呼んでおり、鍛造のDX化で型寿命の予測や成形不良の削減に貢献したい」と話す。同製品は従来プレス機のまま、ダイセットの交換のみで使用できるのが大きな特長で、温度・重さ・色覚・音などニーズにも対応でき、早期製品化を目指す。
同社はさらに、先を見据えた技術開発を進める。「可視化を実現したが、まだ型寿命のバラツキや成形不良の原因を突き止められていない」とインテリジェントダイセット開発を担当する新事業開発部の森満帆主任は話す。サイバーフィジカルシステムを用いて、各種センサから得たデータの蓄積・解析を進め、異常の原因を把握し、金型の予知保全を実現する実証実験を始めた。伊藤社長は「見据えるのは20年先。鍛造のDXは道半ばだが、未来は当たり前になるだろう。その時、自律的な金型の予知保全を実現できれば、工場の自動化や無人化、SDGsやカーボンニュートラルにも貢献できる」と胸を張る。同社は4月の大阪展に続き、7月に開催されるインターモールド名古屋に出展し、実機を交えた鍛造のDX化を披露する。
金型新聞 2022年6月9日
関連記事
松井製作所(大阪市中央区、06・6942・9555)はこのほど、皮革と樹脂をコンパウドした新素材の販売を開始した。射出成形で本革同様の質感が再現可能で、単なる材料販売にとどまらず、成形技術のサポートを含めた包括的なソリュ…
ダイカストメ—カーのエーケーダイカスト工業所(埼玉県比企郡)、樹脂型メーカーのエービー(川崎市高津区)ら5社が連携し、ダイカスト金型向けの入れ子や部品を製作した。3Dプリンタによる冷却水管の造形だけでなく、離型剤を通すた…
大型機中心に年20台 牧野フライス製作所は、大型加工機を中心にレトロフィットやオーバーホール事業を強化する。年間で最大20台程度対応できる体制を整え、今年度内には同事業の売上高を3~5億円を目指す。 子会社の牧野技術サー…
レゾナック(東京都港区、髙橋秀仁社長CEO)は、独自の発泡成形技術を用いて、自動車の後部に配置されるバックドア用『アウターパネル』の試作品を開発した。現在同社が手掛ける外装発泡成形品では最大の大きさ。従来のソリッド成形品…


