弱電部品やライフサイエンス部品、自動車部品など幅広い業種のプレス用金型を手掛ける永井製作所。ここ数年、積極的な設備投資を進め、生産体制の強化に取り組んでいる。昨年には事業再構築補助金を活用し、約1億円をかけてマシニングセ…
澤越俊幸さん 3Dプリンタの普及にまい進する[ひと]
日本AM協会専務理事 澤越 俊幸さん
金型、航空機、自動車、電子部品—。日本のものづくりに3Dプリンタ(AM)を普及させる。それを目標とする一般社団法人の専務理事を務める。会員企業や研究機関とスクラムを組み、セミナーによる啓蒙活動や官庁との連携に奔走する。
FA機器商社・立花エレテックで2013年、3Dプリンタの販売担当になり困っていた。マスコミが『魔法の機械』と取り上げブームに。しかし実際は「加工品質が良くなく超高額。ほとんど売れませんでした」。
それはAMやソフトメーカーも同じだった。同じ境遇の企業が集まり前身の任意団体を設立。19年には近畿経済産業局と実用化促進プロジェクトを企画し、国の補助金で金型メーカーなど38社がAMを活用した研究成果を発表。活動が広く知られるきっかけになった。
とはいえ今なお普及の実感は乏しい。障壁と感じるのが日本の中小ものづくり企業の高すぎる技術力だ。「すでに確立した加工技術があるのに品質もコストも保証のないAMを購入する企業は少ない」。
そこで取り組むのが、ものづくりの上流への啓蒙活動。発注元がAMを推奨すればものづくりの裾野に一気に広がるはず。今年法人化したのは、そのためでもある。「団体を設立してから今年で9年。そろそろ普及の道を拓いていきたい」。会員企業の思いを背負い、挑戦し続ける。
金型新聞 2022年7月1日
関連記事
研削盤メーカーの岡本工作機械製作所(群馬県安中市、027-385-5800)は今年5月、新たに3カ年の中期経営計画を発表した。新中期経営計画の達成に向けた基本戦略の一つとして「顧客付加価値強化」を挙げる。「今まで以上に…
粗形材改革の〝要〟 孫の代まで続く金型産業 「金型は、常に進化させながら孫の代まで延々と続く重要産業」――トヨタ自動車ユニット生技領域長、常務理事高見達朗氏はこのほど、日本の金型産業について熱く語った。日本産機新聞の自動…
昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…
事業を継続するために常識にとらわれず挑戦するそれが競争力の原動力に 変わり者とか常識外れとよく言われます。世の中であまり知られてない頃に5軸加工機を購入したり、たびたびCAD/CAMや工作機械の機種を変えたり。どうも周り…