金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

21

新聞購読のお申込み

ボディ部品向け金型開拓へ 進恵技研が新工場設立で挑むこと[金型の底力]

自動車部品向けプレス金型メーカーの進恵技研は今年4月、本社工場に隣接する西工場に新棟を設立し、第7工場として稼働を開始した。門形マシニングセンタ(MC)5台や、40tクレーンなどを設備し、より大物加工に対応できる体制を構築。従来から手掛けるフレーム部品向け金型に加え、ボディ部品向け金型の開拓を目指す。製造の効率化なども進め、労働環境の改善にも挑む。

佐藤 倫幸社長

ボディ部品向け金型開拓へ

門形MC5台
ドアインナー

第7工場は補助金を活用し、約7億円(設備含む)をかけて設立。これによって、西工場の敷地面積は6827㎡、建物面積は3738㎡に拡大した。テーブルサイズ5m×3mと5m×2・5mの門形MC2台を新規導入した他、本社工場から4m×2m、4m×2・6m、4m×1・5mの門形MC3台を移設。また、40tクレーンや空調設備も導入した。

こうした設備体制を整えるのは、ボディ部品向け金型を開拓するためだ。同社はこれまで、フロントピラーやセンターピラー、レールルーフなどといった自動車の骨格となるフレーム部品のプレス金型を手掛けてきた。特に自動車の軽量化で需要が高まる高張力鋼板(ハイテン材)の金型技術に強みを持ち、成長を続けてきた。

一方で、「今後成長するには、幅広い金型づくりに対応できるようにする必要がある」(佐藤倫幸社長)。電動化や部品の共通化・一体化などによって自動車づくりが大きく変化する中、同社ではこの数年、ドアやフェンダー、ルーフ、ボンネットといったボディ部品向け金型の開拓に取り組んでいる。

第7工場

2017年には西工場を約11億円かけて設立。加圧能力2000tのメカニカルプレスや同1000tの油圧トライアウトプレスなどを導入し、ボディ部品向け金型が製造できる体制を整えた。

今回第7工場を設立したことで、加工能力が向上。「本格的にボディ部品向け金型の開拓に取り組めるようになった。自動車のサイドパネル用金型が製造できる設備を揃えている」(佐藤社長)。今後は本社工場でフレーム部品向け金型、西工場でボディ部品向け金型を手掛けていく計画だ。また、将来的にはアルミニウムのプレス金型への挑戦も検討しているという。

こうした対応できる金型の領域拡大とともに、同社では働きやすい環境づくりにも注力する。目下、加工現場では休日出勤や残業を減らすために、夜間や休日も機械を稼働させることができる仕組みづくりに取り組んでいる。日中は自動加工の短い工程、夜間や休日は自動加工の長い工程を組み込むように工程設計を工夫するなど、より効率良く生産できる体制を目指している。

また、今年からは従業員の健康づくりのために「健康経営優良法人」の取得を目指し、健康診断の受診率100%や「ノー残業デー」の実施などに取り組んでいる。「今後、労働環境を整えなければ、良い人材の定着、確保が難しくなる」(佐藤社長)と、SDGs(持続可能な開発目標)を始めとした取り組みをより強化していく考えだ。

金型産業を取り巻く環境が大きく変化する中、金型メーカーには先を見据えた対応がこれまで以上に求められている。同社は今後も設備投資や技術開発、労働環境の整備などに積極的に取り組み、金型メーカーとしてさらなる成長を目指していく。

会社の自己評価シート

未来に投資する力や変化に対応する力に満点を付けた。また、人材力や設備力、PR・発信力、チャレンジ精神も 9点と高スコア。次いで技術力やチーム力が続いた。一方で、営業力や収益力を課題とした。

会社概要

  • 本社:栃木県足利市藤本町262
  • 電話:0284-73-2135
  • 代表者:佐藤倫幸社長
  • 創業:1983年
  • 従業員:115人
  • 事業内容:各種プレス金型設計・製作(トランスファー・プログレ・タンデム)

金型新聞 2022年7月1日

関連記事

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く<br>世界で認知されるブランドに

冨士ダイス 西嶋守男社長に聞く
世界で認知されるブランドに

生産効率向上し、需要増に対応  耐摩耗工具メーカーとして国内トップシェアを誇る冨士ダイス。超硬合金製のダイスやロール、製缶用金型、ガラスレンズ成形用金型など耐摩耗工具に特化した事業を展開し、来年には創業70年を迎える。「…

三嶋商事 仕上げに専念したいというニーズに応える

ねじ転造盤やローリングマシンなどの販売や転造技術の開発を手掛ける三嶋商事(愛知県日進市、0561-72-2657)は部品加工部門を立ち上げ、冷間鍛造用金型のダイスケースなど1次加工(荒加工)の受託加工サービスを開始した。…

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –中国–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

フジ 金属積層造形で異種材金型を製造【金型の底力】

自動車やオートバイ用エンジンなどの金型を手掛けるフジは、金属積層造形(AM)と5軸複合加工ができるDMG森精機の「LASERTEC65 DED hybrid」を2022年6月に導入した。国内で約10台しか導入されていない…

日本金型工業会・山中雅仁会長に聞く 「稼ぐ力」高める4つの軸とは?

取引適正化の活動継続 今年の通常総会で、日本金型工業会が山中体制になって2年目を迎える。就任以来「稼ぐ力」の強化を訴えてきた山中会長はこのほど、稼ぐ力を鍛えるために4つの軸を設定した。「価格決定力」、「市場拡大の施策の推…

トピックス

関連サイト