金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

JUNE

14

新聞購読のお申込み

鉄やアルミをマグネシウムに置き換え 藤岡エンジニアリングが進める軽量化提案

脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2 を削減すること。そしてもう一つは、顧客のCO2 削減に貢献する金型の開発や提案だ。カーボンニュートラルの達成に向け、積極的に取り組む金型メーカーを取材した。

独自の合金を開発

インサート成形品

マグネシウムへの置き換え、軽量化提案

インサート成形機

マグネシウム合金の開発やインサート成形に取り組む藤岡エンジニアリング(岡山県真庭市、0867-52-1351)は、鉄やアルミニウムをマグネシウムに置き換える提案で、顧客のカーボンニュートラルの実現に貢献しようとしている。軽量化や製造工数の短縮を可能にし、CO2排出量の削減につなげる。

同社はマグネシウム部品の量産や、樹脂・マグネシウムの射出成形用金型などを手掛けてきた。この培った技術をもとに新分野の開拓を模索する中、2020年から大学などと共同で合金開発に着手。今年3月に熱伝導率の高いマグネシウム合金を開発した。

マグネシウムは実用金属の中で最も軽く、その比重はアルミニウムの3分の2とされる。その一方で、熱伝導率が低いという課題があった。同社が開発した合金は熱伝導率が120W/m.kと通常のマグネシウム合金の約2倍、通常のアルミニウム合金と比較しても1.2倍ほど高い。

これまでアルミニウム合金が使われていた自動車のヘッドライトのヒートシンクやバッテリーケースなどに採用できる。現在は量産化に向けたコスト評価などの研究開発を進めており、「何とか年内には成果を出したい」(藤岡譲社長)。

合金開発に加えて、取り組んでいるのがインサート成形だ。昨年8月に竪型射出成形機(型締め力150t)を導入。マグネシウム合金と樹脂の複合化による新しい部品の開発に挑んでいる。「部品によっては従来の半分ほどの重さまで軽量化できる」(藤岡社長)。

また、樹脂は金属に比べてより細かい形状に成形できるため、後工程で形状加工する必要がなく、製造工数の削減、CO2排出量低減に貢献することができる。現状は、デジタルカメラの部品や電子部品、自動車部品向けなどで置き換えを提案している。

カーボンニュートラルに対して金型メーカーとして何ができるか。藤岡社長は「金型の製造工程での取り組みはもちろん、金型が使われる現場で発生する不具合や無駄を減らしていくことではないか」と語る。同社では金型にセンサを取り付けて不具合を未然に防ぐなど、今後もカーボンニュートラルに貢献する金型技術の開発に注力する考え。

金型新聞 2022年7月1日

関連記事

JIMTOF総集編 PART2:DX、デジタルツイン
加工プログラムや解析、自動で

JIMTOF2022で次世代の技術としてひときわ注目を集めたのがデジタル技術だ。IoTやAI、クラウドなどを活用し機械の稼働状況監視や加工の不具合低減に生かす。金型づくりでもデジタルトランスフォーメーション(DX)が課題…

試作回数を半分に削減 大阪銘板【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

自社商品の生産性アップ 大阪銘板は自動車などのプラスチック内外装製品などを中心に金型から成形、二次加工までを手掛ける。グループ全体で4つの生産拠点を持ち、型締め力100~2000tクラスのプラスチック製品を生産している。…

牧野フライス製作所 人の作業やミス減らす、各種データを一元管理【特集:金型づくりを自動化する】

金型加工支援システム 「人が介在する作業をどう効率化するか」—。牧野フライス製作所は工具やワーク、加工情報などのデータを自動でつなぎ、一元管理することで、人による作業を減らす提案を強化している。 加工の自動化は進化する一…

かいわ 自社で商品生み出す道に

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

MOLDINO ギガキャスト、燃料電池の金型向け切削工具を販売開始

大型化、難削化、微細化に対応 切削工具メーカーのMOLDINO(東京都墨田区、03・6890・5101)は2月17日、ギガキャストや燃料電池の金型加工に適した新製品を販売すると発表した。今年1~2月にかけて3製品を販売開…

トピックス

関連サイト