昨秋、日本金型工業会は6年ぶりに改訂した「令和時代の金型産業ビジョン」で、金型メーカーはこれまでのように単に言われたものを作るだけの「工場」から、顧客に価値提供する「企業」への変革が必要だと指摘した。これまで続けてきた…
工場長に求める条件とは?! 金型メーカー経営者にアンケート【特集:工場長の条件】
チームで業務遂行する力
金型づくりが高度化し、先が読みづらい時代。だからこそ、工場長の役割がより重要になり、また求められることも変化しているのではないか。そう考え、本紙では「経営者が今の工場長に求める条件は何か」を探るために、アンケート調査を実施した。そこでは、業務遂行力を筆頭に、人材育成、経営力など、経営者に近しい総合的な能力を求めていることが分かった。※調査はアンケートフォームを使い、8月中旬に310人の取締役以上の経営者に送付。64人からの回答を得た。
経営者アンケート

現場での経営の代弁者
まず聞いたのが「工場長に求める条件」と「その理由」。要素をより明確にするために、選択肢から1つだけを選んでもらった。最も多かったのは「業務遂行能力」。理由は「工場長は現場の生産、品質、コストを含めたチーム運営遂行能力が大前提」や「経営陣と課題を共有しながら業務を遂行して欲しい」という声が多い。「他の要素は全て持っていなければ工場長にはなれない」というシビアな意見も。
次いで多かったのが、「人材管理・育成能力」。「今の金型づくりは一人で完結できない。部下に任せ、管理する力がより重要になっている」や、「自走できる人を育成できれば現場はスムーズにいく」などという回答があった。「責任感」では、「経営者は長期、工場長は短期で結果責任が求められる」や、「他責ではなく『自分ごと』として運営できるかどうかで全ての能力に関係してくる」と指摘する声も。
「経営力(数字を読む)」を重視する声も多い。「金型メーカーは工場『経営』能力次第で浮き沈みする。利益率、固定費など分析する能力が必要」や「経営状態を把握しない適切な対策が打てない」など、経営者と同じ感覚を持つことを期待している。
業務遂行能力、育成、経営力—。もはや経営者と同等の役割が求められているが、一方で育成はどうしているのか。多かったのが外部機関を使った教育。「社内だけでは視野が狭くなる」ことも背景にあるようだ。
「OJT」も多い。具体的には「『なぜこの判断を下したのか』という理由を説明する」や、「売上や利益を見ながら経営分析を一緒に行う」など、考え方や経営手法をマンツーマンで伝えている。
また、「営業を担当させる」、「自社以外に触れさせることで視野が広がる」など、外部交流も重要な育成方法として位置付けているようだ。
自由回答では、「経営者の不得意分野を補うことが工場長の役割。中小企業ではオールマイティーな人材は少なく、経営者と両輪で動ける信頼関係が必要」や、「生産現場における経営の代弁者」などがあり、やはり経営者に近しい能力を求めていることが分かる。
金型新聞 2022年10月10日
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