プラモデル事業をプロデュースした 前職は旅行代理店の添乗員。ものづくりとは無縁の出身だが、持ち前のフットワークの軽さを生かし、近未来型お手伝いロボットのプラモデル「カデンナ」をプロデュースした。 プラモデル参入のきっかけ…
江口博保さん 研さん重ねる金型設計の熟練者【ひと】

自動車のフィックスドウインドウやクォーターウィンドウ。その成形コストや歩留まりを改善し、環境に配慮した金型も設計した。顧客製品設計の最終確認会にも出席しアドバイスする。それらが評価され、令和2年度「現代の名工」に選ばれた。
入社1年後に設計工程に配属された。半年過ぎると一人で設計業務の全てを担当。同僚が相次いで退職したため、金型の設計担当は自分ひとりだけ。そこから手探りの「独学」が始まった。
知らないことは顧客や同業他社に質問した。初めて3次元CAD/CAMを導入した時は、顧客の仕事を手伝いながら教えてもらった。トライ&エラーを繰り返す中で金型の設計を身につけた。
仕事が終わるのはたいてい深夜。朝から晩まで無心で設計業務に取り組んだ。「トライ&エラーは言い換えれば、失敗の連続。これに耐え、地道に対策に取り組むことで技術を磨いた」。
苦労もある中、顧客からの感謝の言葉が頑張れる大きな原動力に。「創意工夫を重ねるモチベーションになった。前回よりも喜んで欲しいと毎回必死で考えることができた」。
これからは技術の研さんに励みながら後進を育てる。「顧客と話ができるまでには30年。近道はない」。失敗体験を伝えながら、長い目で人材を育てる。設計者としては黄綬褒章を目標に、さらなる高みを目指す。
金型新聞 2022年9月10日
関連記事
測定ゲージで未来拓く 高級自転車部品や自動車部品などの加工品質を検査するためのゲージを手掛ける会社がある。創業29年のファム。精密金型部品で培ったノウハウを生かし、ゲージも製作。超精密なゲージを安定して作れる技術力で、メ…
〜世界の需要どう取り込む〜 世界の金型需要を取り込むには何が必要か—。世界各地の金型工業会の設立に関わり、世界中の金型業界をよく知る日本金型工業会学術顧問の横田悦二郎氏は「コロナで世界の金型需要は高まるが、需要を確保す…
ギア部品など高難度な加工にも対応 プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。 同社は冷…
売れるものをつくる 物価の高い国で勝負 境地まで突き詰めることが大事 〜海外展開〜 1964年生まれ、茨城県出身。大学卒業後、87年大貫工業所に入社。営業で新規得意先を次々と開拓する一方で、得意先とのやり取りを通じて金…


