金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

24

新聞購読のお申込み

「金型部門を子会社に統合し、DXなど競争力強化へ」東海理化 Smart Craft社長・直井滋樹氏【自動化で変わる金型メーカー】

スイッチやシートベルト、シフトレバーなどプラスチックやダイカストを使用した様々な自動車部品を生産する東海理化は7月、金型部門の主要機能を、金型及び機械設備を手掛ける子会社の理化精機へ統合、新たに「東海理化Smart Craft」を設立。EV化など変革に対応するため、個別に保有する金型技術や技能、設備を集約し、金型部門やエンジニアリングの競争力強化に向けて動き始めた。そこで新会社発足の背景や今後の方向性、取り組みなどを直井滋樹社長に聞いた。

直井滋樹氏

新会社にした背景は。

車作りはCASEなどの影響で垂直統合型から水平分業化が進んでおり、グローバル調達や電動化で異業種の参入も多く、中国などとコスト競争が激しくなっている。強みの金型技術も3Dデータ活用や工作機械の高精度化で優位性があるとは言えず、次世代を見据えて、金型技術を強化する時と判断した。本社開発部門との連携や技術開発を行い、スピード感を持って取り組んでいく。

強化する点は。

組織のスリム化を図り、金型営業課、金型開発課、金型製作課の3部署に集約し、効率性やスピード感を重視した体制にした。また、金型の製作工程も金型生産準備に係るリードタイム短縮を目的に、工程統合や多能化を進め、業務効率を高めることで競争力を上げていきたい。

効率を高めるには。

金型のDX化を進める。例えば、金型の抜き勾配やフィレット設定の自動化、CAM設計のほか、測定プログラムなど自動化を促進するソフトウェアを開発する。また、『不良を流さない』をテーマに、センシング技術で型内圧力やクッション量など成形工程を見える化し、品質の安定化と連続成形を実現した。次は『不良を出さない』を目指し、大学と共同でスマート金型システムを開発する。将来はユーザーの技術サポートを視野に、新たな金型の価値を創りたい。

金型の付加価値とは。

ハイサイクルや多数個取り、工程改善、設備投資費抑制など金型によって提供できる価値は多い。例えば、コネクタ部品で2つの部品を型内で組み付けることで生産時間を短縮した事例や、CAE解析で金型構造を工夫し、難構造金型を現有設備のまま生産できる金型の提案など新工法による生産性やトータルコストに貢献するエンジニアリング力を高めることが重要だ。今後も継続して注力する。

今後の方向性は。

モノ売りだけでなくコト売りにも力を入れる。そのために工作機械やDX投資など2025年までに計2.6億円を投じ、内製型と外販金型にも力を入れる。新たに営業6人を加え、車関連の新規開拓を図り、24年には年間型生産数を200型にし、25年には金型事業の売上高19億円、全体で28億円を目指す。

金型新聞 2022年9月10日

関連記事

共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】

12000tの金型に対応 大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。 三重県の共立…

JIMTOF総集編 PART3:自動化
人口減少時代に備える

金型業界含め国内製造業は慢性的な人手不足を抱え、加工や測定工程で自動化を図ることが大きな課題となっている。そのため、これまで複数の機械で加工していた加工工程を1台の機械に集約し、段取り工程の削減や短縮、さらに、工程間の搬…

学生教育でCAEを活用 岩手大学【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

CAEを活用しているのは企業だけではない。岩手大学では、樹脂流動解析ソフト「3DTimon」(東レエンジニアリングDソリューションズ)を学生の教育で利用している。樹脂を流す際、最適なゲート位置などを自らの勘や経験から教え…

ギガキャストや電動化、競争力のコアは内製【特集:自動車メーカーの金型づくり】

トヨタ自動車の豊田章男社長(現会長)が「自動車業界が百年に一度の変革期にある」と指摘して早5年。ここにきて、自動車メーカーの変化が加速してきた。トヨタは、大型アルミ部品を一体成形する「ギガキャスト」に参入すると発表。全個…

成形品の一体化や多数個取り【特集:進む設備の大型化】

既設機よりも大型の設備を導入する金型メーカーが増えている。成形品の一体化や成形工数の増加、多数個取りなどによって、金型が大型化し、既設機だけでは対応が難しくなっていることなどが背景にはあるようだ。各社、大型の加工機やプレ…

トピックス

関連サイト