北米のアルミニウム協会などの調査によると、自動車の1台当たりのアルミ使用量は軽量化のために増えていくという。プレスや押し出しもあり、アルミ=ダイカストと限らないが、アルミの動向はダイカスト型にとって影響は少なくない。で…
小出製作所 機上計測を独自開発【特集:大型化する金型への対応技術】
ギガキャストへの対応を進めているダイカスト金型メーカーの小出製作所。ギガだけに限らず、近年は左右対称の部品を一つの金型で成形する「セット取り」なども大型化を加速させているという。しかも「大型化しても精度は高く、生産性も高める必要がある」(小出悟会長)ため、さまざまな課題が発生している。

その一つが計測だ。「型重量で5tを超えるようなキャビティを計測するにはかなり大型の測定機も必要になる」。しかも、大型になると測定のために段取替えをするのも生産性が悪化してしまう。
こうした計測の課題に対し、長崎大学らと共同で、光技術を生かした機上計測システムの研究を進めている。成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)を活用した。
狙う測定精度は40μm以下。「測定としてすべてを満足させるには精度が足りないが、接触式と併用して使うことも想定している」という。対応サイズ感も単品重量10t位までできるように開発中だ。「まだ詰める部分はあるが、2年以内に実用化したい」と話す。

その事と同時進行させているのが、測定データとモデルデータとの誤差を即座に判断し、補正用のパスを自動で出すこと。そのために、長崎大学以外にも機械やソフトメーカーともパートナーシップを組んでいるという。
大型化では設備投資の負担も大きな課題だ。中小企業が多い業界で、億を超える投資を継続するのは簡単ではない。それに対する小出会長の出した答えの一つが「設備のシェア」だ。
すでに近隣の大型プレス金型メーカーの富士テクニカ宮津らとも相談を進めているという。プレス金型とダイカスト金型の加工では、機械に求められる要素は異なるという指摘もあるが、「そこは両者の知見やノウハウを組み合わせながら、進めたい」と話す。
大型化への対応を進める同社だが、国内市場だけを見ているわけではない。すでに進出しているインドでの大型化の需要拡大もにらむ。23年のインドでの自動車生産は580万台だが「いずれは数千万台単位になる」とみる。そうなると「量産性を重視すれば、必ず大型化というニーズが生まれる。まだ先かもしれないが、インドで需要拡大した時のために大型化への対応は先んじて強化していく」(小出会長)。
会社概要
- 本 社:静岡県磐田市森本1045
- 静岡県磐田市森本1045
- 電 話:0538・37・1147
- 代 表 者:小出良悟社長
- 創 業:1963年
- 従業員数:87人
- 事業内容:ダイカスト金型の設計製造など。
- 事業内容:
- ダイカスト金型の設計製造など。
金型しんぶん2025年5月10日号
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