パンチやダイ、強力ばねなどプレス金型部品を取り扱うオネストンは2021年に創業50周年を迎える。プレス部品専門商社として基盤を築き、近年は「1個づくり」をテーマにした特殊品対応やリバースエンジニアリングほか、アメリカ・…
高精度、省人化ニーズが高まる国内市場で注力すること 田代勝氏(三菱電機 産業メカトロニクス事業部長)【この人に聞く】
三菱電機は50年以上に渡って、高精度、高性能な放電加工機を開発し、付加価値の高い金型づくりに貢献してきた。近年では省人化ニーズへの対応に注力する他、金属3Dプリンタを開発するなど技術領域を広げている。同社は今後、金型業界にどんな技術革新をもたらすのか。今年4月、産業メカトロニクス事業部長に就任した田代勝氏に今後の展開などを聞いた。
ライフサイクル全体で提案

たしろ・まさる
1966年生まれ、愛知県出身。89年名古屋大学卒業後、三菱電機入社。主にNC装置の営業を担当し、2002年から約4年間台湾に駐在、NC装置の拡販と液晶関連の市場開拓に尽力した。14年NC事業推進部長、21年産業メカトロニクス事業部副事業部長、22年4月同事業部長に就任し、現在に至る。
国内の金型市場をどう捉えているか。
国内は高精度化、省人化ニーズが高まっていると感じている。成長分野のEV関連部品ではより高い加工精度が求められているし、人手不足が深刻化する中では工程間をどうつなぐかが、大きな課題となっている。
何に注力するか。
一つは高精度対応だ。ここ数年、油加工液仕様のワイヤ放電加工機「MXシリーズ」の小~中型機種を揃えた他、ベッドやガイドなど機械構造の強化に取り組んでいる。また、加工条件を自動で設定できるAI技術「Maisart(マイサート)」の適用を広げている。これまで形彫放電加工機だけだったが、ワイヤ放電加工機にも搭載した。より簡単に高精度な加工ができる。
省人化ニーズへの対応は。
AMR(自律走行搬送ロボット)を活用した金型生産の自動化をサポートするシステムを開発している。スケジューラを使って、工程間のワーク搬送などを自動で運用できるシステムを目指しており、今年の工作機械見本市「JIMTOF2022」に出品予定だ。
金型業界でも環境対応のニーズが強まっている。
これから取り組むべき課題と捉えている。すでに、リモートサービス「iQ Care Remote4U(アイキューケアリモートフォーユー)」で稼働状況を把握し、最適化を図ることで、消費電力の削減につなげる提案などを行っている。今後、ロスの少ない加工や機械づくりを実現するための技術開発に挑んでいく。
今年3月には金属3Dプリンタを発売した。
当社の金属3Dプリンタ「AZ600」は溶接用ワイヤをレーザーで溶融して造形する方式を採用している。金属粉末を用いた造形方式に比べ、空孔ができにくく、加工時間が短いのが特長だ。金型では補修や冷却用水管部品の造形、その他では発電用タービンブレードの補修などの用途を考えている。ただ、付加製造(AM)は開発途上の技術。今年設立した「新事業推進グループ」を中心にさらなる開発を進めていく。
今後の事業展開は。
機械単体だけでなく、周辺技術やサービスを含めた提案を行っていきたいと考えている。導入から修理・メンテナンス、更新までのライフサイクルの中で、当社の機械を使って良かったと思ってもらえるものを今後も提供していきたい。
金型新聞 2022年10月10日
関連記事
リブランディングを実施 アイセル(大阪市中央区)はこのほど、リブランディングを実施し、企業イメージの刷新を図った。企業ロゴの変更やアイコンの作成、製品のデザインの統一といった対外的な部分での変更に加え、社内では改めてミッ…
Hexagon(東京都千代田、03-6275-0870)は、計測やCAE、CAD/CAM技術を生かして製造プロセスのDX化を推進する「Smart Manufacturing(スマートマニュファクチャリング)ソリューション…
中小製造業のグループ化事業に集中できる環境を整備優れた技術守り次代につなぐ 2006年に金型ベンチャー企業から父が経営するねじメーカーの由紀精密に入社しました。そこで感じたのは企業規模が小さすぎて、あらゆる機能が無さすぎ…
4月に本学にある、地域連携スマート金型技術研究センター内に「次世代3次元積層技術研究会」を立ち上げました。活動は金属3Dに関連した研究会と勉強会ですが、岐阜大が目指すのは金属3D積層技術を生かした金型づくりを社会実装する…