「CASE」による自動車業界の大変革は金型メーカーに大きな変化を迫ってきた。そして昨年から続くコロナ禍。リモート環境への対応やデジタルツールの活用など、変化せざるを得ない状況はさらに加速している。こうした混迷の時代に合…
清水龍司さん 承継に向けて社内改革を進める【ひと】

群馬県高崎市でプレス加工を手掛けるシミズプレスの3代目として生まれた。しかし、当初は会社を継ぐ気はなかった。
転機となったのは大学1年時。「これからさらに成長する国や地域を見ておきたかった」と中国に短期留学した。そこで語学力など学生のレベルの高さに衝撃を受けた。世界の中で自分が持てる武器は何か。考えた末に「技術なら戦える」と継ぐことを決意した。
大学で経営学を専攻しながら技術専門校に通い、プレスや溶接など1年間で20以上の技術資格を取得した。卒業後は工場向けネットワークサービス会社に就職。年間約300件の企業を訪問し、「多くの経営者と出会い、経営に関わるノウハウを学ばせてもらった」。
26歳で入社。現在は常務として組織体制や採用などの社内改革に取り組む。無駄を減らし、効率良く動ける組織づくりを進める。
10月には金型工場を新設した。「競争力を高めていくには、材料や形状など新しい加工に挑戦しなければいけない。そのためにはプレスだけでなく、金型技術を強化する必要がある」。内製だけでなく、外販も行い、5年後には金型の売上を倍以上に引き上げることを目指す。
大学生の時から意識してきた海外。「量だけでは敵わない。付加価値の高い仕事で差別化を図っていきたい」。承継に向けて次代を見据える。
金型新聞 2022年10月10日
関連記事
伊藤製作所(愛知県弥富市)は熱間鍛造金型やダイセットを主力とし、クランクシャフトなどの自動車向けや建機・重機、免振装置、航空機といった幅広い市場で活躍する。特に大型の金型やダイセットが得意で、ダイセットは500~6300…
女性が活躍する職場へ 「友達に金型を知っている人はいなかった」と話すのは七宝金型工業の松岡咲希さん。同社社長を務める父の影響で入社し、現在入社4年目。仕上げやCAM課を経て、昨年から営業部に所属し、訪問から見積もり依頼、…
5軸MCで原寸大のシャトルを作った 原寸大のバドミントンシャトルをアルミ合金で作り上げた。羽の厚みは0.6㎜と薄く、細い。そんな加工難度の高い形状を、5軸マシニングセンタ(MC)を駆使して加工した。その高い技術力と柔ら…
木質流動成形でSDGsに貢献 技術で差別化を図る 「木質流動を世の中に広め、木材が樹脂やアルミに変わる新たな材料として注目され、持続可能な社会作りに貢献したい」と話すのはチヨダ工業の早瀬一明社長。SDGsやカーボンニュー…


