金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

FEBRUARY

20

新聞購読のお申込み

伊藤清光さん 進取の精神で取り組む現代の名工【ひと】 

小林工業 製造部 金型設計グループ リーダー 伊藤清光さん(59)

セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。

従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、焼結後に研磨加工で溝を入れる必要があった。そこで焼結後の加工が不要となるネットシェイプ成形の金型構造を考案。生産コストを約30%削減した。その高度な金型設計技術などが評価され、令和4年の「現代の名工」に選ばれた。

入社した当初は、頭の中で成形体を金型形状に置き換え作図していた。時には、手書きのアイソメ図で補足説明をしなければ形状が伝わらず、効率が悪かったため1990年代後半に3次元CADの導入を提案。「設計者として生き残るため必死に操作を習得した」。

試作成形で金型が破損した際、連日夜遅くまで原因を調査し、対策を考えたこともある。材料力学や金属材料の教科書を復習し、簡易的に強度を計算する表を作成した。

苦労がある分、喜びも大きい。「自身が設計した金型で、成形機から製品が現れる瞬間は何とも言えないものづくりのやりがいを感じる。それまでの苦労も吹っ飛ぶ」。

好きな言葉は「進取」。現状に満足せず、常に新しいことへ挑戦する「進取の精神」で今後も設計に取り組む。

金型新聞 2023年3月10日

関連記事

【ひと】BESTOWS 代表取締役・西田 勇さん 現場を知るソフトウェア研究者

大学発ベンチャーとしてBESTOWSを設立した、神戸大学工学部助教。製造AIの研究開発や産業機械・専用機などの設計・製作を手がけるアルムのCTOも務めており、AIが加工プログラムを自動で作成する「アルムコード1」の開発に…

【ひと】七宝金型工業営業部・松岡咲希さん(25) 女性が活躍する職場へ

女性が活躍する職場へ 「友達に金型を知っている人はいなかった」と話すのは七宝金型工業の松岡咲希さん。同社社長を務める父の影響で入社し、現在入社4年目。仕上げやCAM課を経て、昨年から営業部に所属し、訪問から見積もり依頼、…

明星金属工業 上田幸司社長に聞く CO2削減に取り組む理由【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車のプレス金型を手掛ける明星金属工業は、工場のエア効率化や照明のLED化などにより16年間でCO2排出量を18・5%削減した。カーボンニュートラルへの取り組みを推進する上田幸司社長は「CO2削減に取り組むことで無駄な…

【新春特別インタビュー⑤】稲垣金型製作所取締役・稲垣 武洋氏「イノベーションを起こし新しい収益モデルを創る」

常識にとらわれない金型 イノベーションを起こし新しい収益モデルを創る 〜新ビジネス〜  1975年生まれ、静岡県出身。98年立命館大学卒業後、富士通に入社し、システム販売などに従事。2004年稲垣金型製作所に入社、18年…

この人に聞く
オークマ 家城 淳社長に聞く

 令和元年に新社長に就任したオークマ・家城淳社長。市場が不透明化している中、「機電情知一体」「日本で作って世界で勝つ」を掲げるオークマの今後について家城社長の思いを聞いた。  家城淳社長愛知県出身。85年大隈鉄工所(現オ…

トピックス

関連サイト