金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

14

新聞購読のお申込み

伊藤清光さん 進取の精神で取り組む現代の名工【ひと】 

小林工業 製造部 金型設計グループ リーダー 伊藤清光さん(59)

セラミックスや焼結機械部品、超硬合金の刃先交換用チップ。これらは粉末にした材料を金型に入れ、成形機で押し固めた後に焼結する「粉末冶金」によって出来上がる。

従来の粉末成形は、成形体の外周に凹凸がついた形状の成形が難しく、焼結後に研磨加工で溝を入れる必要があった。そこで焼結後の加工が不要となるネットシェイプ成形の金型構造を考案。生産コストを約30%削減した。その高度な金型設計技術などが評価され、令和4年の「現代の名工」に選ばれた。

入社した当初は、頭の中で成形体を金型形状に置き換え作図していた。時には、手書きのアイソメ図で補足説明をしなければ形状が伝わらず、効率が悪かったため1990年代後半に3次元CADの導入を提案。「設計者として生き残るため必死に操作を習得した」。

試作成形で金型が破損した際、連日夜遅くまで原因を調査し、対策を考えたこともある。材料力学や金属材料の教科書を復習し、簡易的に強度を計算する表を作成した。

苦労がある分、喜びも大きい。「自身が設計した金型で、成形機から製品が現れる瞬間は何とも言えないものづくりのやりがいを感じる。それまでの苦労も吹っ飛ぶ」。

好きな言葉は「進取」。現状に満足せず、常に新しいことへ挑戦する「進取の精神」で今後も設計に取り組む。

金型新聞 2023年3月10日

関連記事

特集〜世界の需要どう取り込む〜
金型のサムライ世界で挑む –メキシコ–

 新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…

―スペシャリスト―リバン・イシカワ<br>金型の経験生かし心配り

―スペシャリスト―リバン・イシカワ
金型の経験生かし心配り

精密金型部品 キャビティやコア、スライドコアなどの金型部品を専門に手掛ける会社がある。富山県南砺市のリバン・イシカワ。金型づくりで培った経験を生かし、独自の工夫や細やかな心配りで自動車関連メーカーの金型部門や金型メーカー…

田口型範 社長 田口 順さん(70)
〜ひと〜

親子2代で旭日単光章を受けた  昨年11月、秋の叙勲で「旭日単光章」を受賞した。創業以来72年連続で黒字経営を続けたこと、2007年に経済産業省から「元気なモノ作り中小企業300社」を受けたことなどが認められた。「個人で…

【インタビュー】ミスミグループ本社 常務執行役員 ID企業体社長・吉田 光伸氏「ものづくりのDXを加速」

ミスミグループ本社(東京都文京区、03- 5805-7050)はこのほど、オンライン機械部品調達サービス「meviy(メビィー)」の新機能をトヨタ自動車と共同で開発した。3DCAD上で設定した部品の穴情報を「meviy」…

経産省素形材産業室 星野昌志室長が語る「素形材産業ビジョン」に込めた思い

経済産業省は3月28日、金型を始めとした日本の素形材産業が今後進むべき方向性についてまとめた「素形材産業ビジョン」を12年ぶりに公表した。3代目となる2025年版ビジョンでは、日本の素形材産業の現状や課題をまとめ、204…

トピックス

関連サイト