金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

02

新聞購読のお申込み

金型に押し寄せるCASE

 100年に一度の変革期と言われる自動車業界。それを語るときに欠かせないキーワードが「CASE」だ。「C=コネクテッド(つながる)」、「A=オートノマス(自動運転)」、「S=シェア(共有)」、「E=エレクトリック(電動化)」の頭文字をとったもので、自動車メーカーもCASEに対応するための開発投資を積み増している。もちろん、金型需要の8割を占めると言われる自動車業界だからこそ、CASEは金型にも変化を迫る。その影響が最も大きそうな一つが電子部品だ。CASEによって、「どんな電子機器が増えるのか」、「市場規模はどうなるのか」—。電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた2030年までの電装機器の見通しから、その動向をまとめた。

ECU生産額30年に1・9倍
金型需要も増えるか

ECUの需要は増えるとみられている(図出典:JEITA)

 「自動車向けの金型を手掛ける企業はバッテリー、モータ、電子部品の3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」—。自動車メーカーと共同で燃料電池用のセパレータなどを手掛ける精密プレス金型メーカーのニシムラの木下学社長はそう指摘する。

 モータやバッテリーは、モータコアや電池向けの金型など比較的想像しやすい。一方、CASEによって広範な影響を受けそうなのが電子部品だが、多岐に亘るため、その中身は見えづらい。

 では、電子部品がどの程度で成長していくのか。JEITAが注目したのが、車の電装化で増大しているエレクトリックコントロールユニット(ECU、電子制御装置)の動向だ。ECU全体の2017年の世界生産額は9・5兆円。これが30年には約1・9倍の17・8兆円まで成長すると見通した。年率では約4・9%成長する見込みだ。

 さらに系統別に、情報系、環境対応系、ボディ系、安全系、センシング系、パワートレイン系の6つに分類(図)。なかでも、最も成長率が大きいのが、DC/DCコンバータや電力制御装置などの環境対応系のECU。17年には3000億円程度だった市場が30年には1・7兆円まで6倍近くの成長を見込む。

 次いで拡大が期待されるのはディスプレイ制御装置(HUD)などの情報系だ。1・9兆円から4兆円まで大きく成長するとみている。自動運転に不可欠な安全系やカメラやレーダなどセンシング系のECUもそれぞれ4兆円、1・7兆円と拡大すると見通している。

金型しんぶん 2019年12月10日

関連記事

日鍛工 22年受注予想・4.6%増3400億円

EV、デジタル投資が活発化 日本鍛圧機械工業会(北野司会長・アイダエンジニアリング常務)はこのほど、2022年の鍛圧機械受注額が前年比4.6%増の3400億円になる見通しを発表した。半導体などの部材不足や海運混乱などの懸…

藤本敏樹氏著「金型産業連関表作成の試み」

金型の現状、データで俯瞰 日本の金型の動きを統計データに基づいて分析した論述は少なくない。そのデータベースとしてたびたび使われるのは政府が日本の金型生産をまとめた機械統計(従業員30人以上を対象に調査)や工業統計(同4人…

日本特殊光学樹脂 高精度・高品質の樹脂レンズ【特集:ものづくりを変えるレンズ金型】

支える3つのコア技術、大型機導入、 新分野の提案も フレネルレンズをはじめとする特殊なプラスチックレンズの金型製造から成形までを手掛ける日本特殊光学樹脂。同社は分解能10ピコメートル(1000億分の1メートル)の加工機を…

金型経営者アンケート 次の10年を勝ち残るために取り組むこととは?【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

自動車の電動化などによる金型需要の変化、少子高齢化による人手不足、アディティブ・マニファクチャリング(AM=付加製造)を始めとした新たな製造技術や技術革新―。金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型…

【特集:2024年 金型加工技術5大ニュース】5.自動化

多品種少量の金型を加工 2024年、金型づくりにおける自動化の技術で最も革新的だったのは、多品種少量の金型を自動で切削加工する技術ではないだろうか。形状も大きさも数量も異なる金型の部品を無人運転で加工する。人手不足に直面…

トピックス

関連サイト