ITやセンシング技術を駆使した「金型のスマート化」が進んでいる。温度や圧力など様々なセンサを金型に取り付け、インターネットに接続することで、金型の状態がいつでもどこでも把握できるようになるほか、取得したこれらのデータを…
【この人に聞く】双葉電子工業精機事業センター長・ 河野透氏「ソフト・サービス分野へ拡大」
双葉電子工業(千葉県茂原市、0475-24-1111)は昨年、2023年度(24年3月期)までの中期経営計画「Futaba Innovation Plan(フタバ・イノーベーション・プラン)2023」を策定した。金型用部品やプレートなどを手掛ける生産器材部門では、高品質なハード製品を核とし、ソフト・サービス分野への拡大を狙う。精機事業センターの河野透センター長に、具体的な取り組みや今後の方向性など聞いた。
ソフト・サービス分野へ拡大
1959年生まれ、千葉県出身。83年明治大学商学部卒業後、双葉電子工業入社。2016年経営企画部長、17年精機営業センター長、20年精機事業センター長に就任し、現在に至る。

1959年生まれ、千葉県出身。83年明治大学商学部卒業後、双葉電子工業入社。2016年経営企画部長、17年精機営業センター長、20年精機事業センター長に就任し、現在に至る。
新しい中期経営計画での取り組みは。
「モノづくりを基軸としたソリューションによる事業領域の拡大」を掲げ、新しい事業の創出に取り組む。顧客のニーズに対応した製品やサービスを開発していくつもりだ。5年後には生産器材部門の売上高を80億円増やすことを目指す。
なぜ、そうした取り組みを進めるのか。
市場がこれまで以上に変化しているからだ。新型コロナの影響で、社会が大きく変化している。金型業界でも、「内需減少」「サプライチェーンの見直し」「人口減少」など環境変化による課題が懸念されている。こうした需要に対応できるようにお客様ファーストで取り組みを進めていく。
具体的には。
ソフト・サービス分野への拡大を進める。一つは金型内計測システム「モールド・マーシャリング・システム(MMS)」のクラウドサービス化。昨秋から「MMS」で取得したデータをクラウド上で管理・閲覧できるサービス「MMSCloud」を開始した。昨夏からは活用方法が学べる「センシングスクール」も開校した。販売して終わらず、ユーザーの声を聞きながら価値のあるサービスを展開していきたい。
その他には。
工作機械の稼働状況を監視する「工作機械IoTモニタリングシステム」、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」なども発売した。今後も「お客様に価値のある」新製品を積極的に開発していく。
既存事業では。
カスタム品対応の強化に取り組む。当社のこれまでの強みはプレートやモールドベースなどを規格化した製品。しかし近年は、ニーズが多様化し、顧客図面での加工が増え、モールドベースの約8割(台数)は顧客図面での加工で受注している。そこでカスタム品の加工をより早く安定した品質で提供できる製造体制を構築する。3年間で約52億円の設備投資を予定しており、特に自動化に注力する。また、顧客から預かったCADデータを当社で使いやすくするための取り組みも進める。
その他、協力工場を含めた全工場の稼働状況を把握し効率良く生産配分する仕組みも整えた。既に見積もりスピードの向上や納期の短縮といった効果が出ている。
17年に子会社化したカブク(東京都新宿区)とのシナジーは。
昨年刷新したECサイト「フタバオーダーサイト」と、カブクが提供するオンデマンド製造プラットフォーム「カブクコネクト」との連携を進めている。将来的には当社オーダーサイトを通じて、プレートや金型部品に加え、治具や特殊部品などの製作依頼も可能な仕組みを整えるつもりだ。
海外のサービス体制は。
他部門の拠点・販路を活用し、海外でも同水準のサービスが提供できる体制を構築していく。現状でもアフリカを除く地域に販路がある。海外展開する金型メーカーをサポートしていきたい。
金型新聞 2021年1月10日
関連記事
EV金型を高精度加工、自動化提案や技術向上に力 安田工業はこのほど、立形5軸マシニングセンタ(MC)の新機種「YBM Vi50」を発表した。立形5軸MCの中型機で、EV(電気自動車)部品の金型を高精度、高能率に加工できる…
樹脂やプレス金型の製作から少量の成形まで手掛けるハマダ工商は今年2月、事業再構築補助金を活用し、金属3Dプリンタを導入した。水管を自由に設計した冷却効果の高い金型で、反りを抑えた防犯レンズカバーの成形品を提供するのが狙い…
自動車部品向けプレス金型メーカーの進恵技研は今年4月、本社工場に隣接する西工場に新棟を設立し、第7工場として稼働を開始した。門形マシニングセンタ(MC)5台や、40tクレーンなどを設備し、より大物加工に対応できる体制を構…
木質流動成形でSDGsに貢献 技術で差別化を図る 「木質流動を世の中に広め、木材が樹脂やアルミに変わる新たな材料として注目され、持続可能な社会作りに貢献したい」と話すのはチヨダ工業の早瀬一明社長。SDGsやカーボンニュー…