ウッデホルムやボーラーブランドで知られる特殊鋼メーカーのアッサブジャパン。昨年には、日本進出70周年を迎え、金属3Dプリンタ(AM)事業の強化や、真空炉を設備投資するなど積極的に事業展開を進めている。世界中で販売するグロ…
【インタビュー】プロトラブズ ・今井 歩社長「当日出荷を開始」
オンデマンド受託製造を手掛けるプロトラブズ(神奈川県座間市、046-203-9100)は今年6月から、CNC切削加工サービスで「当日出荷オプション」の提供を開始した。これまで標準3日、最短翌日だった出荷をさらに短縮する。「ものづくりを加速させることが当社の使命」と話す今井歩社長に狙いや取り組み、今後の展開などを聞いた。

いまい・あゆむ
1970年生まれ。96年デルフト工科大学卒業。2005年ハーバード大学経営大学院MBA課程修了。ソニー、Royal Philips Electronics、メルク、スペクトリスを経て、18年よりプロトラブズにて職務執行者社長を務め、現在に至る。
ものづくり加速させることが使命
プロトラブズとは。
1999年に米国で創業したオンデマンド受託製造会社。日本支社は2009年に設立した。日本国内では切削加工、射出成形を提供している。切削加工は±0・1㎜公差に対応し、樹脂や金属など30種類の素材から選択できる。射出成形は支給材にも対応し、約2000種類の実績がある。
強みは。
スピードと、そのスピードで繁閑を問わず安定的に出荷できることだ。当社サイトに3DCADデータをアップロードしてもらえれば、2~3時間で見積もり回答、数日で出荷することができる。そして今回、さらにその特長を強めるために、切削加工サービスで「当日出荷オプション」を開始した。
狙いは。
ものづくりを加速させることが当社の使命。このコロナ禍で、フェースシールドなど急遽作らなければならないものがあり、改めてものづくりのスピードの重要さに気付いた。1日でも早く製品を出すことは顧客にとって価値につながり、競争力になると考えた。
どうやって当日出荷を可能にしたか。
当社は元々、情報通信技術(ICT)による独自のデジタルマニュファクチャリングシステムを活用し、各製造工程をソフトウェアによって一元管理してものづくりを行っている。各工程間の無駄を無くし、プログラムの最適化を図ったことによって、これまで以上のスピードで製造できるようになった。
どんな需要を見込むか。
目の前にニーズがあるというよりも先行投資のイメージに近い。今後、より早さが求められ、当日出荷がスタンダードになる時代が来るかもしれない。当社がそのニーズを作り、市場そのものに対して刺激を与えたいと考えている。
今後の展開は。
今後は射出成形の納期短縮にも挑戦したい。現状、アルミ金型の製作から成形まで標準2週間かかっているが、もっと短くできると考えている。
また、米国本社では今年初めにオランダのHubsという企業を買収し、より高精度かつ高度な部品製造も可能になった。日本では欧米で展開している3Dプリンティングの提供も検討している。こうした取り組みによって、最も早く、最も包括的なオンラインカスタムパーツ製造業者を目指していく。
金型新聞 2021年9月10日
関連記事
ねじ転造盤やローリングマシンなどの販売や転造技術の開発を手掛ける三嶋商事(愛知県日進市、0561-72-2657)は部品加工部門を立ち上げ、冷間鍛造用金型のダイスケースなど1次加工(荒加工)の受託加工サービスを開始した。…
薄肉の低圧鋳造技術を強みとするドイツのグルネバルド社と提携し、砂型鋳造で、アルミの試作部品を手掛ける木村鋳造所。同社の木村崇専務は「アルミの大型試作部品は急増している」と話す。試作はいずれ量産に移行するため、金型の動向を…
今年4月、切削工具メーカーのMOLDINO(モルディノ)の社長に就任した金子善昭氏。親会社の三菱マテリアルで国内の営業企画や米国のマーケティング担当を務めた他、戦略部長や営業本部長を歴任した。金型加工に適した工具を多くそ…
特集 次世代車で変わる駆動部品の金型(バッテリー、モータ、電子部品) 「自動車向けの金型を手掛ける企業は今後、バッテリー、モータ、電子部品、この3部品に携わっていないと生き残れない時代になる」と話すのはプレ…