金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

24

新聞購読のお申込み

【金型テクノラボ】岡本工作機械製作所 大型プレートの高精度、高効率な平面研削技術

順送プレス金型などの大型プレートは、平面度を維持するために再研削によって何度も繰り返し使用されている。また、焼き入れ処理を行うため、反りが発生し、加工時間の増加や測定方法などが課題となっている。ここでは、このような金型プレートをいかに効率良く、精度良く平面研削するかを総合的に解説する。

大型プレートの加工ニーズが増加

【図1】

近年のものづくりは、自動車・バイクに代表されるように、エレクトロニクス技術の向上によって、モータによる電子制御へとシフトしようとしている。このモータの製造方法として日本企業が以前から得意としてきた順送プレス金型によるモータコアの製造が大きなポイントとなっている。

モータコアは積層された薄い鋼板で構成されており、かつてはワンスタンプ金型と呼ばれる方式だった。しかし現在では、複数のパンチ加工と積層を連続して出来る順送プレス金型によって製造されている。複数の抜き工程を1つの型内で行う金型プレートのサイズは、最大1800mm×1000mm程度で、金型プレートの中でもかなり大きなサイズのものとなる【図1】。

加工時間、測定方法などが課題

【図2】
【図3】

これらの金型プレートはプレス加工による劣化平面度が悪くなるため、再研削のニーズが存在している。大型プレートを研削しようとすると大型研削盤が必要となり、市場にはコラムタイプ【図2】・門形タイプ【図3】の2種類が存在している。当社は双方のラインナップを揃え、さらにキサゲ摺動面・静圧摺動面などに分けて市場価格帯に合わせた製品の提案を行っている。

一方、オペレータ側からの課題としては、硬度を上げるための焼き入れ処理もある事から、反りの影響・加工開始点の位置決め時間・加工時間の増加・加工後の測定方法などを抱えており、現場では各社工夫をしながら研削を行っている。

自動で加工プログラムを作成

【図4】
【図5】

そこで、当社が新たに開発したのが「MAP研削システム」。本システムは機上測定装置を搭載した研削盤と研削盤専用のCAMで構成されている。機上に搭載されたプレートの情報を測定し、最も高い部分から自動加工するプログラムを加工条件やドレス条件も含めて自動作成しながら、あらかじめ指定された製品寸法まで行うことができる。

同ソフトには対象加工物に穴が開いている場合は測定ポイントを省く機能、反っている対象加工物をエアカットレス(最短の加工プログラム作成)で加工する機能、単独測定プログラム作成機能、自動補正研削プログラム機能なども搭載されており、生産現場のオペレータ不足解消や加工時間短縮による生産性向上にも貢献する【図4・図5】。

独自治具で反りの問題を解消

【図6】
【図7】

また、焼き入れ後の反りが大きいプレートには「反り取り治具SGマスター」を搭載したチャッキング方法での研削を推奨している。「SGマスター」は、反っているプレートを反った状態で保持することが可能なオプション製品で、電磁チャックの磁力を受けにくい状態での研削が可能となり、最後まで残る微小な反りの問題を解消し、精密研削加工の時間短縮に繋げることができる【図6・図7】。

今回は金型プレートに限定した説明を行ったが、他にも研削加工はガイドピン・パンチ・ダイなどにも多く用いられており、加工用途に応じた様々な加工提案を用意している。

岡本工作機械製作所

  • 商品企画部マーケティングチームチーム長 西上  和宏氏
  • 群馬県安中市郷原2993
  • TEL : 027・385・5800

記者の目

モータコアなど大型金型への需要が高まる中、金型製造現場には生産効率のさらなる向上が求められている。一方、少子高齢化による人手不足で、大型金型など難度の高い加工ができる熟練技能者は減少しつつある。「MAP研削」のような自動化やスキルレスで加工効率を向上させる技術のニーズは益々高まっていくだろう。(平)

金型新聞 2021年7月10日

関連記事

新明和工業 成膜&研磨で金型を長寿命化

最短2時間で研磨 多結晶ダイヤモンドのコーティング装置を手掛ける新明和工業(兵庫県宝塚市、0798・54・2156)は、コーティング後の研磨技術の開発にも注力している。これまで時間がかかっていた鏡面仕上げを最短2時間でで…

プラスチック射出成形品の離型抵抗評価金型【金型テクノラボ】

プラスチック製品を射出成形金型から突き出す際に生じる離型抵抗は、製品に変形や破損を引き起こすため、様々な抑止方法が提案されている。この抑止方法を検討する際には離型抵抗の定量的な評価が重要となる。本稿では、離型抵抗を評価す…

独自の型構造を採用
トヨタ自動車

アンダーカットで新工法  トヨタ自動車は独自の金型構造を採用した新たなアンダーカットの処理方法を開発した。これまでに比べて高い意匠面が得られるほか、設計時間の短縮や、金型の保全の手間削減にもつながる。この機構は特許も取得…

MTA合金 高硬度と熱伝導を両立した鋼と銅の合金開発【金型テクノラボ】

高い冷却効果が必要な金型では、硬度と高い熱伝導性を併せ持つ材料が求められている。しかし、この相反する要素を両立させるのは難しい。こうした場合にはベリリウム銅を使用するケースも多い。しかし近年は安全性や価格面から代替え品を…

REALIZE 精密ダイセットを外販

角ポストで精度・剛性高く、半導体などニーズに応え 半導体、車載用電子部品、医療機器製造装置、搬送用ロボットを手掛けるREALIZE(大分県大分市、097・544・1001)は、精密金型向け「角ポストダイセット」を発売した…

トピックス

関連サイト