金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

SEPTEMBER

08

新聞購読のお申込み

太陽光発電導入し、CO²排出量を削減 J-MAXが取り組むCNに向けた取り組み

脱炭素社会に向けた取り組みがものづくりで加速し、金型業界でもその動きが広がりつつある。先手を打つ金型メーカーの対応には大きくは2つの方向性がある。一つは、太陽光パネルの設置や設備の省エネ化などによる自社の生産活動でCO2 を削減すること。そしてもう一つは、顧客のCO2 削減に貢献する金型の開発や提案だ。カーボンニュートラルの達成に向け、積極的に取り組む金型メーカーを取材した。

太陽光発電設備を導入

屋根に設置した太陽光パネル

AGVやトラック便、 工場塗装にも工夫

熱反射塗装で断熱

J‐MAX(旧丸順、岐阜県大垣市、0584-46-3191)は、カーボンニュートラルに向けた取組みを加速している。

昨年10月にサステナビリティ方針を作成し、プロジェクトを始動。CO2排出量削減など重要課題とKPIを設定した。今期はサステナビリティ推進室を新設し、活動を加速させている。

まず太陽光発電設備の導入。すでに国内外の3拠点で導入しており、タイ・マルジュンでは消費電力量の30%を賄う太陽光発電設備が7月に完成する。本社工場も現設備の倍増に今年着工し、同20%をカバーする計画だ。さらに、発表したばかりの岡山新工場(2024年3月竣工予定)にも設置し、同50%をカバーする計画。今後も追加導入を検討していく。

また、岡山新工場にはエンジンフォークリフトに代わりAGV(無人搬送車)を導入することでCO2 排出量を削減する。材料ピックアップから機械へのセットまでをAGVを使って自動化対応する。既存工場へのAGV導入については、機械の改造も必要となるため、今後の検討課題となる。

さらに、トラック輸送だ。積載効率の改善や便数の削減を推進しており、得意先も含めたサプライチェーン全体で効率的なトラック便の運用、減便のプランを作成し、トラック輸送による化石燃料の消費・CO2 排出量を2/3まで削減する考え。岡山工場を新設することにより、岡山地域の得意先に納入するためのトラック便を減らすことが可能になり、ひいては化石燃料の消費・CO2 排出量削減に繋がる。

同社では、2019年、本社工場敷地内に3000㌧トランスファープレスを擁した新工場を建設した際、熱反射塗装による断熱構造の採用や、採光を考慮した設計による照明電力の削減、フルLED照明の採用など、従来から消費電力削減に取り組んできた。サステナビリティ推進室を核に世界全拠点で、カーボンニュートラルに向けた取組みを強化していく。

金型新聞 2022年7月1日

関連記事

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

【特集】金型メーカー新春座談会(第1部) 5氏が語る〜地平拓く人材〜

経営支える中核人材を  金型メーカーを取材すると必ずと言っていいほど話題になるのが人材育成の苦労や確保の難しさ。少子高齢化に伴う人材不足に加え、金型づくりで求められる人材像が変わってきていることも大きな理由だ。そこで、今…

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

守りから攻めへ<br>ー本紙金型メーカーアンケートー

守りから攻めへ
ー本紙金型メーカーアンケートー

生産性向上や技術開発 守りから攻めの設備投資に転じる金型メーカーが増えている。日本工作機械工業会によると、金型メーカー向けの受注額の4―9月期累計は前年度比で4割超増加した。これまでの買い控えの反動や、補助金や減税などの…

【特集】日本の金型業界に必要な4つの課題 -取引適正化-

PART4 日本金型工業会 専務理事・中里栄氏に聞く「取引適正化」 取引ガイドラインを改定 イコールパートナーに  ユーザーの意識にも変化 現在、春先に公表予定の「金型取引ガイドライン」の改定版の策定に取り組んでいます。…

JIMTOF総集編 PART1:カーボンニュートラル CO2排出量の削減につながる技術多数

JIMTOF2022で注目を集めたテーマの一つが、カーボンニュートラルや環境対応だ。工作機械メーカーを始め、多くの出展企業がCO2排出量の削減や環境負荷低減につながる製品や技術を紹介した。世界的にカーボンニュートラルが求…

関連サイト