埼玉県川口市で70年以上続く老舗鋳造用金型メーカーに生まれた。幼い頃から創業者の祖父に「3代目はお前だ」と言われて育ってきた。 高校に上がる頃には自然と会社を継ぐことを意識した。大学は理工学部に入り、機械工学を学んだ。後…
「顧客の課題をもっと聞きたい 専門部署を設立」牧野フライス製作所社長・宮崎正太郎氏【この人に聞く】
牧野フライス製作所は今年4月、6年ぶりに社長交代を発表した。6月に新社長に就いた宮崎正太郎氏は、就任後わずか3か月で増産体制の強化や開発テーマの絞り込みなどを相次いで発表。さらに、顧客の課題を聞くための部署を新設するなど改革を進める。打ち出した施策はいずれも顧客の声をより深く聞くためだ。「お客様の課題をもっと聞く必要がある」と話す、宮崎社長に今後の方針などを聞いた。
増産や開発体制強化

みやざき・しょうたろう
1986年牧野フライス製作所入社。95年からドイツで金型向けのテクニカルセンターの開設に尽力した後、中国を担当するなど、海外畑一筋。慶應義塾大学経済学部卒、東京都出身、60歳。
就任後、真っ先に表明したことは何でしょうか。
「お客様の苦情や困りごとをもっと聞きましょう」ということ。我々はお客様の困りごとを聞き、それに対応する機械を迅速に作り、お客様に儲けて頂くことで成長してきた。それを徹底していく。
具体的には。
まずその一つとして、組織を生産、開発、営業、スタッフ部門の4つにシンプルに再編した。お客様から見てわかり易いのはもちろん、社内でも自らの責任と権限を明確にさせるためだ。
足元の困りごとは納期の長期化です。
就任後すぐに増産の号令をかけた。ロットの見直しなどを徹底し、下期には、1割ほど増産できる見通しだ。今の体制でもっと工夫すれば2割程度までなら増産できる。それでも足りないので、海外工場の立ち上げや、子会社を有効活用するなどして増産に対応する。
開発面はどうでしょう。
集中と選択を行い、開発スピードを上げる。長期的な視点に立った開発も重要だが、お客様は「すぐに使える」ものを求めている。年度内に複数の新製品を出す予定だ。
今秋にはJIMTOFもあります。
5軸を中心にラインアップを強化する。「DAシリーズ」ほか、バンパーなど大型金型向けの5軸機も展示する。金型向けでは「Vシリーズ」の後継機の開発も課題だと思っている。詳細はこれからだが、お客様が独自性を活かし、ご自身で付加価値を創出できるような機械を考えているところだ。また機械だけでなく、その先にあるお客様の課題にも目を向けたい。
どういうことでしょう。
技能の継承で悩んでいる金型メーカーは多く、「この加工条件がベストなのか」と悩む若い技術者も少なくないと思う。そんな時に、気軽に問い合わせ頂けるように「カスタマーアプリケーションセンター」を設けた。従来の加工技術を中心に、120人体制にした。お客様からの相談に一緒に考えていきたい。
金型メーカーに一言。
課題や苦情を言ってくれるお客様が我々を育ててくれたと思っている。実際に苦情を言われるお客様ほど当社の機械を使って頂いている。だから、もっと「こうして欲しい」など様々な課題や要望を遠慮なくぶつけて欲しい。
金型新聞 2022年9月10日
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