大阪産業創造館で8月に開催した「金型技術展2022」を企画、運営した。大阪産業創造館が金型をテーマとする展示会を開くのは初めて。金型メーカーや関連企業44社が出展し、コロナ禍ながら会期1日で688人が訪れた。 金型をテー…
木村有貴さん 金属3D造形の困りごとを解決する【ひと】
金属3Dプリンタで造形した金型部品のトラブルを分析・解決する「診断士」のような業務を担当する。珍しいトラブルほどテンションが上がるそうで、「難しい問題を解明できた時の達成感が何よりも気持ちがいい」。
大学では金属材料を研究。材料を追求するだけでなく、学んだ知見を活かし、製品が造りたいと自動車業界を選んだ。研究開発部門を志望したが、配属先は現場に近い大府工場。
決まった時「トイレでこっそり泣いた」くらいショックだった。「当初は作業服を着ることや、ヘルメットをかぶることにも抵抗があった」と笑う。
そんな彼女の個性やキャリアを見て、上司の佐藤良輔室長は「工場の常識を変えるには彼女のようなタイプが必要。従来と違う育成がいい」とすぐに金属3Dプリンタの担当に。2年目に社内技報を書かせるなど「あり得ない経験をしてもらった」と苦笑いする。
入社4年目だが、今や担当する問題解決は金属3Dプリンタにとどまらない。同社で使ったキャビティは全て彼女の元に集まるようになっており、彼女の許可なしで廃棄もできない。自ら部品の問題点を発見し、分析・解決するためだ。今後も「プリンタと金型で得た知見を融合させ、金型の不具合のメカニズムをもっと解明したい」と、達成感を得るためのネタは尽きない。
金型新聞 2022年11月10日
関連記事
埼玉県川口市で70年以上続く老舗鋳造用金型メーカーに生まれた。幼い頃から創業者の祖父に「3代目はお前だ」と言われて育ってきた。 高校に上がる頃には自然と会社を継ぐことを意識した。大学は理工学部に入り、機械工学を学んだ。後…
今年5月、日本金型工業会東部支部の若手経営者や後継者で組織される天青会の第50代会長に就任した。「つながりを創る」をスローガンに掲げ、コロナ禍で希薄化した会員同士のつながりや、海外とのつながりを強化する活動に取り組む。 …
海外の金型市場に活路 半導体金型でファブレス、設計・営業に特化 海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河…
各種工業用ヒーターや金型均熱システムなどを手掛ける平和電機(愛知県一宮市、0586-77-4870)は独自のエンジニアリング力を強みに、金型メーカーの様々なニーズに応える。近年はSDGsなど循環型社会への貢献を目指し、新…