徹底して顧客の声を聞く 高温の射出成形用金型を得意とするケイ・エス・エムは医療機器分野への参入やロボット販売など事業の多角化を進めている。新事業の立ち上げで苦労する企業が多い中、成功しているのは「金型技術をコアにものづく…
木村有貴さん 金属3D造形の困りごとを解決する【ひと】

金属3Dプリンタで造形した金型部品のトラブルを分析・解決する「診断士」のような業務を担当する。珍しいトラブルほどテンションが上がるそうで、「難しい問題を解明できた時の達成感が何よりも気持ちがいい」。
大学では金属材料を研究。材料を追求するだけでなく、学んだ知見を活かし、製品が造りたいと自動車業界を選んだ。研究開発部門を志望したが、配属先は現場に近い大府工場。
決まった時「トイレでこっそり泣いた」くらいショックだった。「当初は作業服を着ることや、ヘルメットをかぶることにも抵抗があった」と笑う。
そんな彼女の個性やキャリアを見て、上司の佐藤良輔室長は「工場の常識を変えるには彼女のようなタイプが必要。従来と違う育成がいい」とすぐに金属3Dプリンタの担当に。2年目に社内技報を書かせるなど「あり得ない経験をしてもらった」と苦笑いする。
入社4年目だが、今や担当する問題解決は金属3Dプリンタにとどまらない。同社で使ったキャビティは全て彼女の元に集まるようになっており、彼女の許可なしで廃棄もできない。自ら部品の問題点を発見し、分析・解決するためだ。今後も「プリンタと金型で得た知見を融合させ、金型の不具合のメカニズムをもっと解明したい」と、達成感を得るためのネタは尽きない。
金型新聞 2022年11月10日
関連記事
米に工場、生産力強化 自動車ボディ向けプレス金型を手掛けるオギハラの社長が今年1月に交代した。新社長はアメリカ現地法人副社長の長谷川和夫氏。製造部門を経験し、長く海外畑を歩み、海外自動車メーカーの金型調達や開発にも携わ…
自動車向け大型プラスチック射出成形用金型メーカーのTMWが、金型製造の効率化に向けた取り組みを進めている。販売代理店も務めるクランプシステムや、5軸加工に対応した最新の切削工具などを活用し、加工時間や段取り工数の短縮、5…
2月17日、ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区)で、2年ぶりに金型シンポジウムが開催される。「新たな社会環境・新たなステージ・新たな価値を創造 関西からの発信」をテーマに、自動車部品メーカーによる基調講演や、金型メー…
熱間鍛造金型を直彫り トヨタグループ唯一の素材メーカーである愛知製鋼は、特殊鋼に加えて、自動車のエンジンや足回り部分に使用する鍛造部品も手掛けている。「月間1万型を生産、消費する」という金型部門では、高い品質と生産性を実…


