新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…
電動系、車体系部品へ事業拡大【特集:自動車の電動化とダイカスト】
自動車の電動化が金型に及ぼす影響は大きい。エンジンなどの減少が懸念される一方、軽量化ニーズでアルミの採用が期待されるなどダイカスト金型は変化を迫られている。では電動化でダイカストはどう変わっていくのか。昨秋のダイカスト展での出展製品などから変化のトレンドを探るとともに、変革期に挑むダイカスター、ダイカスト金型メーカーを取材した。
ハイサイクル、大型化に対応

1958年生まれ、山梨県出身。81年東北大学卒業。2015年アーレスティ入社。19年アーレスティメヒカーナ社長、21年執行役員、同年アーレスティダイモールド浜松社長に就任し、現在に至る。
電動化による影響は。
ハイブリッド車(HV)であれば、既存の自動車部品にモータやバッテリー、インバータなどの電動化部品が加わるため、部品点数は増える方向にあった。それが電動車(EV)になると、部品点数が極端に減る。すでに日本の自動車メーカーも新しいエンジンの開発はほぼストップしている状況で、出てくる仕事はEV関連部品が多い。
注力していることは。
電動車向け部品の受注。また、電動系部品と車体系部品への拡大だ。電動系部品はバッテリーケースやモータハウジングなどといった部品。電動化で必要となるアルミダイカスト製品の開拓を進めている。一方、車体系部品はこれまで板金加工で製造されていたショックタワーなどの構造部品。軽量化ニーズが高まる中、ダイカストへの置き換えを提案している。
既存部品との違いは。
電動系部品はハイサイクルが求められる。1つの部品が複数の車種で使用されるため、生産数が多くなり、いかにサイクルタイムを短くするかが課題となる。これまで1個当たり60秒程度だったのが、40秒切るほどまで短くすることが要求される。そうなると、金型には短時間で冷却するための機能や真空鋳造などより生産性の高い鋳造法への対応などが求められる。
車体系部品では。
大型化だ。例えばドアだと1・5m×1mほどの大きさで、鋳造機だとシリンダブロックなどを生産していた2500~3500tクラスが必要になる。ただ、金型は熱処理や冷却で少し課題はあるものの、もともと板金加工で製造していた部品なので、難度はそこまで高くなく、現状の技術で十分対応できる。
金型製造ではどんなことに取り組んでいるか。
直彫りと5軸加工を取り入れている。リードタイムの短縮が求められる中、いかに早く加工できるかが鍵となる。直彫りは以前から取り組んでいるが、L/Dの大きい加工など技術開発を進めている。また、5軸加工では立形と横形5軸マシニングセンタを保有し、効率化を進めている。
それほどリードタイムの短縮が求められるのか。
例えば、成長著しい中国のEVメーカーからは従来の半分以下の納期を要求される。いかに早く作るかが、競争力の源泉になると考えている。
今後の戦略は。
海外市場を開拓したい。特に中国や欧米は今後、EV市場の中心になる。浜松工場と同程度の製造能力を持つ中国工場を中心に、市場の需要を上手く取り込むための取り組みを進めていく。
金型新聞 2023年3月10日
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