金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

31

新聞購読のお申込み

設計、見積もり時間を短縮 サイベックコーポレーション【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

ギア部品など高難度な加工にも対応

プレス用金型メーカーのサイベックコーポレーションは金属成形加工シミュレーションを活用し、設計や見積もりにかかる時間の短縮を実現した。EV関連など高難度部品への対応を進めている。

同社は冷間鍛造と順送プレスを組み合わせた独自のCFP工法によって、自動車部品などの精密部品を生産する。従来の順送プレスでは難しかった立体的な形状の厚板部品を高速で量産することができるのが特長だ。

CFP工法で加工した精密部品

そのため、同社の案件は難度の高いものが多く、製品検討や工程設計に多くの時間を要していた。「試作金型を使い、何度もトライを重ねて試行錯誤しながら開発を行っていた」(VT研究所マネージャーの吉田善成氏)。

こうした問題を解消するために、20年ほど前からシミュレーションソフトを取り入れていたが、「ソフトの操作性や計算速度に問題があり、上手く活用できていなかった」(吉田氏)。そこで2019年に導入したのが、Hexagon社(スウェーデン)の金属成形加工シミュレーションソフト「Simufact Forming」だ。

解析の計算時間が数時間に

活用するのは主に塑性変形の挙動確認。塑性フローや成形実現性、応力分布などの解析や、自社設備でプレス成形できるかを確認する成形荷重の計算などを実行している。

同ソフト導入によって、解析にかかる計算時間を従来の2分の1~4分の1まで短縮。これまで十数時間かかっていた解析が数時間で可能になった。解析速度向上によって、これまで時間の都合で断念していた多工程の解析も可能になり、より多くの条件で解析し、最適な条件を見つけ出すことが可能になったという。

「工法の実現性を事前に解析で確認し、結果をもとに試作トライを行うことができ、製品精度の向上やリードタイムの短縮につながっている」(吉田氏)。また、見積もり案件に対しても解析を活用。製品の実現性を事前に確認することができるようになり、見積もり精度の向上や期間短縮を実現した。

同社では近年、自動車の電動化によって、ギア部品の案件が増加しているという。「ギアは加工も難しいが、要素数が多くなるため、解析も難しい」(吉田氏)。今後もシミュレーションを活用しながら、こうした高難度な加工にも対応していく考えだ。

会社概要

  • 住所:長野県塩尻市広丘郷原南原1000-15
  • 電話:0263・51・1800
  • 代表者:白井靖信社長
  • 従業員数:75人
  • 事業内容:超精密部品の金型開発及びプレス加工

金型新聞 2023年5月10日

関連記事

この人に聞く2015 <br>型技術協会 会長 田岡 秀樹氏

この人に聞く2015
型技術協会 会長 田岡 秀樹氏

出会い生み出せる場に 来年30周年、記念事業 全社参加の展示会  金型技術者、経営者らが集まる型技術協会は来年30周年を迎える。来年9月には、大田区産業プラザPiOで記念イベントを開く予定だ。「全会員参加で出会いの場を創…

日本金型工業会 学術顧問
横田 悦二郎 氏(日本工業大学客員教授)
〜鳥瞰蟻瞰〜

コロナを好機にするには 営業など中間層の変革をICTの活用が絶対条件  コロナで金型業界は難しい状況にありますが、大変だと騒いだり、パラダイムシフトを心配したりしても何も生まれません。むしろ、やり方次第では、ピンチをチャ…

【金型応援隊】KGM経営戦略製作所 勤怠管理・生産管理ツールの導入支援

金型企業にBPOサービス提供 KGM経営戦略製作所は、金型企業向けにBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスを提供する。 代表の古賀寿彦氏は機械商社から中小企業診断士に転身し、独立した。製造現場に精通する強みを…

米山金型製作所が「微細成形ラボ」を設立するワケ

微細成形ラボを設立 量産化までの支援サービスを提供 自動車や医療などの精密プラスチック射出成形用金型を手掛ける米山金型製作所は今年9月、微細成形技術が提供可能な「微細成形ラボ」を設立する。既存設備よりも大型の射出成形機を…

【金型応援隊】ミサト技研 熟練した技術と知見による磨き

高品質な鏡面磨き ミサト技研はプラスチック金型やダイカスト金型、機械部品などの鏡面磨きを手掛けている。「納期に遅れず、顧客が希望する品質に応えることができる」(牧野聖司社長)と強調するように、熟練した技術と知見による高品…

トピックス

関連サイト