金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

NOVEMBER

17

新聞購読のお申込み

瑞穂工業 新社長 大澤史和氏に聞く

超硬工具や各種超硬素材の製造販売を手掛ける瑞穂工業(大阪市西淀川区、06・6471・4721)は4月、大澤史和氏が代表取締役社長に就任し、新たな船出を迎えた。同社は1944年創業以来、超硬工具や金型の製造に携わり、独自の製造技術を磨いてきた。直近では表面改質技術に力を入れ、新市場の開拓も進める。大澤社長に今後の抱負を聞いた。

働きがいのある会社へ

社長に就任して。

私の祖父が創業し、戦後は日本の復興に貢献したいと電線向けの超硬線引きダイスの製造で事業を発展させ、高度成長期やバブル崩壊など様々な困難を乗り越えながら、超硬メーカーとして技術強化を図ってきました。現在は自動車や電子部品、医療、産業機械向けの切削工具(特殊品)や金型、特殊刃物(スリッター)などで使用されています。これまでの技術を継承しつつ、新技術で市場開拓するのが私の役目です。

新技術とは。

従来のコーティングとは異なり、超硬製品の表面の組織を変化させる処理で、結合相を取り除き、最前面をWCの硬質相のみで構成させるこどで、表面に微細な凹凸を形成させる技術となります。『SurmoX)』として商標登録しており、被膜を載せる処理ではないため、処理前後で外径寸法の変化がなく、コーティングでは難しい内径の奥深くまで処理できるのが大きな特長です。焼き嵌め品やロウ付け品にも対応可能で、支給品にも処理を施しています。

販売時期や効果は。

21年から販売を始めています。超硬スリッターによる切断の際に被削材に発生するバリの抑制冷間鍛造用の超硬金型や超硬伸線ダイスの長寿命化、粉末成形金型の離型性向上といった効果が期待できます。まだまだ認知度も低いため、PR強化を図っていきます。

今後の抱負は。

超硬は様々な分野に使用されているため、縁の下の力持ちという重要な存在です。当社はこれまでの歴史を大事にしつつ、『みづほで働く1人1人の幸せを追求し、心ある材料で世の中を支える』を企業理念に、価値観の共有や女性活躍など多様性を認め合い、働き甲斐のある社風を築きながら、新技術など海外販路開拓も含め展開していきます。

金型新聞 2023年6月10日

関連記事

日本金属プレス工業協会 久野忠博新会長インタビュー、交流深め、地域と国のパイプ役に

人手不足や事業承継問題に取り組む 「地域の工業会との交流を深め、プレス業界として、もっと発信力を高めたい」。そう話すのは、6月の総会で日本金属プレス工業協会(日金協)の会長に就任した久野忠博氏(久野金属工業社長)。プレス…

「大型レーザーや自動化に注力し、生産性向上、現場改善を提案する」 木元武一氏(ALPHA LASER JAPAN取締役COO)【この人に聞く】

独・アルファレーザー社は1994年に設立されたレーザーシステムメーカー。世界で初めて移動式レーザー溶接機を開発し、肉盛溶接現場に革新をもたらしてきた。近年では高出力モデルの開発や、3Dプリンタ事業などにも注力する。日本市…

フタバ産業 超ハイテンを冷間で量産【特集:プレス加工最前線】

自動車のボデー部品や排気系部品など手掛けるフタバ産業は1470MPa超ハイテン材の冷間プレス部品の量産を確立、今年1月に発売した新型プリウスに採用された。先代プリウスはホットスタンプを用いた部品を採用していたが、冷間プレ…

【この人に聞く】ヨロズ会長・志藤昭彦氏「金型や生産設備の外販を事業の一つに」

 サスペンションやリヤビームなど自動車用プレス部品を手掛けるヨロズは2023年をめどに、プレス金型の生産能力を年1600型から2400型の1.5倍に引き上げる。生産増強に合わせて、金型を中心に生産設備の外販を始める一方、…

新しい価値の金型を
キヤノンモールド 斎藤憲久社長に聞く

 キヤノンモールドが発足したのが2007年。前身のイガリモールドとキヤノンの金型部門で伝承されてきた技能や最新技術など互いの得意分野の融合を図ってきた。「新しい価値を生み出す金型メーカーを目指したい」と語る、昨年4月に同…

トピックス

関連サイト