樹脂部品の金型から成形、組み立てまでを手掛けるムトー精工は金属3Dプリンタによる金型づくりを進めている。成形サイクルを上げ、コストダウンや成形機の設備削減などを狙う。さらに、他の技術と組み合わせ、付加価値の向上にもつなげ…
瑞穂工業 新社長 大澤史和氏に聞く
超硬工具や各種超硬素材の製造販売を手掛ける瑞穂工業(大阪市西淀川区、06・6471・4721)は4月、大澤史和氏が代表取締役社長に就任し、新たな船出を迎えた。同社は1944年創業以来、超硬工具や金型の製造に携わり、独自の製造技術を磨いてきた。直近では表面改質技術に力を入れ、新市場の開拓も進める。大澤社長に今後の抱負を聞いた。
働きがいのある会社へ

社長に就任して。
私の祖父が創業し、戦後は日本の復興に貢献したいと電線向けの超硬線引きダイスの製造で事業を発展させ、高度成長期やバブル崩壊など様々な困難を乗り越えながら、超硬メーカーとして技術強化を図ってきました。現在は自動車や電子部品、医療、産業機械向けの切削工具(特殊品)や金型、特殊刃物(スリッター)などで使用されています。これまでの技術を継承しつつ、新技術で市場開拓するのが私の役目です。
新技術とは。
従来のコーティングとは異なり、超硬製品の表面の組織を変化させる処理で、結合相を取り除き、最前面をWCの硬質相のみで構成させるこどで、表面に微細な凹凸を形成させる技術となります。『SurmoX)』として商標登録しており、被膜を載せる処理ではないため、処理前後で外径寸法の変化がなく、コーティングでは難しい内径の奥深くまで処理できるのが大きな特長です。焼き嵌め品やロウ付け品にも対応可能で、支給品にも処理を施しています。
販売時期や効果は。
21年から販売を始めています。超硬スリッターによる切断の際に被削材に発生するバリの抑制冷間鍛造用の超硬金型や超硬伸線ダイスの長寿命化、粉末成形金型の離型性向上といった効果が期待できます。まだまだ認知度も低いため、PR強化を図っていきます。
今後の抱負は。
超硬は様々な分野に使用されているため、縁の下の力持ちという重要な存在です。当社はこれまでの歴史を大事にしつつ、『みづほで働く1人1人の幸せを追求し、心ある材料で世の中を支える』を企業理念に、価値観の共有や女性活躍など多様性を認め合い、働き甲斐のある社風を築きながら、新技術など海外販路開拓も含め展開していきます。
金型新聞 2023年6月10日
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