山中社長が考える勝ち残るカギ 「市場拡大」 技術力で多大な開拓の余地 司会 国内需要が縮小するなかで海外市場の開拓は多くの金型メーカーの課題です。山中社長(ヤマナカゴーキン)は勝ち残るカギに「市場拡大」を挙げられました。…
フタバ産業 超ハイテンを冷間で量産【特集:プレス加工最前線】
自動車のボデー部品や排気系部品など手掛けるフタバ産業は1470MPa超ハイテン材の冷間プレス部品の量産を確立、今年1月に発売した新型プリウスに採用された。先代プリウスはホットスタンプを用いた部品を採用していたが、冷間プレスの量産化を図ったことで生産性を数倍に高めた。
採用されたのは新型プリウスの「フロントピラーアッパアウタ」(写真)で、深い絞りなど複雑な形状部品で冷間プレス加工するのは難しく、従来はホットスタンプを採用していたが、材料を熱したり、冷やしたりするなど生産性が低く、コスト面で課題を持っていた。生産技術本部の山田豊副本部長は「自動車部品は軽量化とカーボンニュートラルのニーズが高く、工法転換するために、技術開発に取り組んだ」。

1470MPaの超ハイテン材を冷間プレスする際の課題といえば、成形後に残る残留応力による強いスプリングバックで、CAE解析を行っても予測通りの結果にならない。そこで、試作型を作り、リアルな検証で材料評価を行いながら、CAEとの両輪で開発を進めていく。開発を担当したボデー開発部の宮本吉貴氏は「想定外の割れやシワ、寸法精度を確保するのが難しく、材料メーカーとも連携しながら開発した」と語るほど、材料に伸びがなく、金型の耐久性にも課題を残した。
金型の長寿命化を図るために、製品形状を見直し、パンチの刃先形状や材質(靭性など)、コーティングの工夫など試行錯誤を繰り返す。製品形状は顧客と相談し、従来フラットな面の部分に凹凸形状を施すことで、シワの課題を克服した。結果、5年の開発期間を経て、1470MPaの超ハイテン材の冷間プレス(トランスファープレス)による量産を確立。「ホットスタンプに比べ生産性が数倍向上した」と山田副本部長も胸を張る。さらに、フロントピラーロアやカウルサイドインナ及びレールアウタなどに1180Mpaの冷間超ハイテン材が採用され、先代モデル比で3・3㎏軽量化に成功し、年890㌧のCO2削減を達成した。
同社では今後も軽量化やCO2削減を図る技術開発に取り組む。直近は1470MPaと440Mpaの異なるハイテン材をテーラードブランクする開発を進めている。山田副本部長は「大型化や一体化ニーズが高まっており、ホットスタンプとも比較しながら新しい工法開発に取り組む」と話す。だが、強度差の大きい材料の同時加工は難易度も高いようだ。開発を手掛けるボデー開発部の南風香氏は「従来からある工法だがハイテン材となると、技術的な難易度が違う。でも、軽量化を目指すには不必要な板厚を減らし軽くすることが求められるため、研究開発を進めたい」と意気込みを語った。

金型新聞 2023年7月10日
関連記事
金型の品質高めトライ減らす 明星金属工業が手掛けるのは、ボンネットやドアなど自動車ボディー部品のプレス金型。トライ&エラーを重ねて品質を高めていくため完成までの時間が予測しにくい。受注は新車開発の時期に集中するな…
リーマン後に加工メーカーを立ち上げた 「日本一の賃加工屋を目指す」。リーマンショック後の2009年、世界的な不況の真っただ中に部品加工メーカーから独立。ダイセットやモールドベースなどを手掛ける明工精機を設立した。金融機…
日本でのプレス加工の歴史が始まって約150年。日本の製造業の発展とともに、プレス加工は進化を続けてきた。近年では最大の需要先である自動車産業でEVシフトが活発化していることから、新しい需要獲得に向けた開発や事業に取り組む…
ITやセンシング技術を駆使した「金型のスマート化」が進んでいる。温度や圧力など様々なセンサを金型に取り付け、インターネットに接続することで、金型の状態がいつでもどこでも把握できるようになるほか、取得したこれらのデータを…


