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井高らギガキャストイベントを開催 欧州の最新事例学ぶ
自動車メーカーら120人が参加
機械商社の井高(愛知県名古屋市)とコンサル企業のHakataInternational(神奈川県茅ケ崎市)は11月14日、愛知県名古屋市で、一体で大型部品を鋳造する「ギガキャスト」のイベントを開催した。自動車メーカーや部品メーカーら約120人が参加した。
同イベントは7月に続き2度目。今回はドイツの金型メーカーら4社がメインスピーカーとして講演。ゲストスピーカーとして、吉利汽車も自社のギガキャストの取り組みを紹介した。
講演したシェフラー社を中核とするSFツーリンググループ(独)は、ギガキャストの金型を約20型製造したノウハウを持つ。最大では型重量で300tの金型製造の能力もある。講演では「現状では(ギガキャスト)のサイクルタイムは約100秒程度」と紹介。課題は「冷却効果の高い水管をどう配置するか」や、「(冷却回路で)型が大きくならないために、冷却の回路をどう減らすか」が課題だと述べた。また、水管内部の錆など防ぐために、冷却水の工夫についても解説した。
今後の動向について「現状、ギガキャストでリアとフロント部を製造しているが、自動車メーカーからアンダーボディを鋳造したいという要望もある」とし、「大型化に対応していく」とした。
次いで講演したブーマー社(独)は離型材の塗布や自動化に関するメーカー。シミュレーション技術を活用して、「金型のどこの部分に離型剤を噴霧すべきか」、「そのためにノズルの位置」などについて解説した。ロボットを活用して、大量の部位に離型剤を塗布できる2m角の「メガボックス」というスプレーシステムや、リアやフロント部位向けの離型剤の塗布の実績なども紹介した。鋳造後の製品を測定して、治具による補正作業も発表した。
ABK社(独)はギガキャスト向けのトリミングプレスやツールを提供するメーカー。すでにグローバルで7台の納品実績を持ち、近く日本国内にも納品するという。トリミングプレス型を製造するAulback社からは、ギガキャストに関するトリミング型の技術などを発表。一発でトリミングして、バリ取りまで行う技術を紹介した。
その後はゲストスピーカーとして、吉利汽車が講演。自社のギガキャストの取り組みを発表するとともに、7200tのダイカストマシンで58㎏まで軽量化に成功したリア部品(写真)の製造プロセスを紹介した。
ワークを見たダイカスターの技術者は「ギガキャストによるワークを継続的に調査しているが、以前に比べ湯流れが改善している」と話していた。井高の石川博常務取締役は「今後も定期的にギガキャストのイベントを開きたい」と継続した取り組みにしていくという。
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