金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

22

新聞購読のお申込み

ツバメックス 多田羅晋由社長インタビュー【特集:金型メーカーのコト売り戦略】

昨今、顧客の課題解決につながるソリューションやサービスなどを提供する金型メーカーが増えている。なぜ、従来の金型づくりだけでなく、自社が保有する技術を生かしたソリューションや、AI・IoTを活用したサービスなどを提供するのか。金型メーカーでありながら、製造現場のデジタル変革(DX)を支援する事業を展開し、コト売り戦略に取り組むツバメックス(新潟市西蒲区)の多田羅晋由社長に聞いた。

ツバメックス社長 多田羅晋由(たたら・くによし)氏
1959年生まれ、大阪府出身。82年サンスター技研に入社、2005年同社代表取締役、19年2月ツバメックス代表取締役に就任し、現在に至る。サンスターグループでは数件のM&Aを手掛けた。また、オランダでMBA(経営学修士)を取得した他、シンガポールやスイスに駐在するなど豊富な海外経験も持つ。

収益構造多角化し、変化に対応

コト売りに取り組む理由、意義とは。

今後、モノ売りだけで付加価値を最大化したり、人生産性を高めて生産高を増やしたりするのは限界がある。従来のモノ売りによる収益力に頼るだけでなく、コト売りによって収益構造を多角化し、変化への対応力を強化することが必要になっている。

当社でも今後はモノではなく、進化を感動とともにお客様に提供していくことを考えている。お客様が早く簡単に片付けたいと思っている仕事を無くすことに貢献することがコト売りの意義だと思う。

貴社がDX支援事業に取り組み始めた経緯は。

当社の主力事業は自動車部品用プレス金型の製造販売とプレス加工および樹脂成形の量産加工ビジネスの2本柱。40年前から金型づくりの業務を見える化、標準化し、プロセスをデジタル化するシステムを社内で構築し運用してきた。このシステムを外販し、製造現場の課題解決につながるソリューションを提供するビジネスを3本目の事業の柱にしたいと考えた。

セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

現状は。

当社が運用しているシステムの機能を抜き出して販売している。人や設備の稼働状況をクラウド上で一元管理できる「Tsubamex MM Dashboard」や、生産現場の進捗状況を把握できる「金型進捗管理システム」などが一例だ。また、当社の試行錯誤の歴史が多くの企業の参考になればと思い、セミナーやコンサルティングも実施している。セミナーでは座学や工場見学の他、参加者からの相談に対して具体的なソリューションを提案する。

コト売りの課題は。

モノ売りと大きく異なるのは品質保証だろう。当社で言えば、サイバーセキュリティは大きな問題。目に見えないコトやサービスを提供していくには、新たなリスクを低減できる人材育成や仕組みづくりが重要となる。

コト売りに取り組む上で必要なことは。

限られた資源の中で新しい取り組みを進めるには、競争領域と協調領域の見極めが重要。本当に競争しなければいけない領域に投資するためにもオープンイノベーションは必要だ。業界内での水平的な仲間づくりと、お客様や仕入先様との垂直的な仲間づくりを進めていきたい。

金型新聞 2024年2月10日

関連記事

現場の思いを尊重<br>天青会 野口 賢太郎 会長

現場の思いを尊重
天青会 野口 賢太郎 会長

企業見学会に注力  日本金型工業会東部支部の若手経営者らが集まる天青会の会長に今年5月、就任した。現場至上主義を自身のテーマとして掲げ、「今年は、工場見学会など現場に足を運ぶということをメインに活動していきたい」と意気込…

真のグローバル企業に 圷祐治氏(ソディック社長)【この人に聞く】

売上高1,000億円目指す 今年3月、ソディックは、圷祐次副社長が代表取締役CEO社長執行役員に就く人事を発表した。欧米経験が長い圷社長は自身のミッションを「ソディックを真のグルーバル企業にすること」と明言する。売上高は…

共立精機(大連) ギガキャストで進む大型化【特集:進む設備の大型化】

12000tの金型に対応 大型のダイカストマシンで、アルミ部品を一体鋳造する「ギガキャスト」。トヨタ自動車やリョービが参入を表明し、注目を集めている。ただ、国内でギガの量産金型を手掛けた企業はほとんどない。 三重県の共立…

東亜成型 キャンプ用品を販売

培った技術活かす 自動車の電動化、医療関連や半導体関連需要の拡大などで、国内のものづくり産業に求められるものも大きく変化している。自動車の電動化ではモータやバッテリーなどの電動化部品や材料置換による軽量化部品などが増えて…

【ひと】明輝 技術部・センシル クマールさん 高度な技術に挑むインド出身の金型設計者

インド・ムンバイ出身。2018年に来日し、プラスチック金型メーカーの明輝に入社した。担当は設計。自動車内外装品や機能部品など大小様々な金型を手掛けている。 金型技術者だった父親の影響で幼い頃から金型に興味を持っていた。地…

トピックス

関連サイト