金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

DECEMBER

14

新聞購読のお申込み

【特集:技能レス5大テーマ】3.研削加工

誰でも高精度な研削

金型づくりで欠かせない研削加工。仕上げに近い工程のため、熟練技能を必要とする領域は多い。しかし近年、長年培った経験やノウハウを持っていなくても高精度の研削加工ができる機械や装置などが登場している。人手不足で熟練技能者が減少する中、研削加工のスキルレス化が進む。

研削盤では、デジタルプロジェクターを搭載した研削盤が台頭。技能が必要な計測をデジタル化することで、経験の浅い技術者でも高精度な加工を可能とする。

また、自動で加工と計測ができる研削盤も出ている。ワークを加工後、接触式プローブにより形状を計測し、差分を補正加工。このサイクルを全自動で繰り返し、高品質のワークを完成することができる。

研削加工をサポートするシステムも進化している。全自動で高能率かつ高精度加工を可能にするソフトが登場。機上に搭載された加工物を自動測定し、最も高い部分から加工するプログラムやドレス条件などを自動作成できる。

平面研削盤用の画像投影システムでは、CCDカメラによって最大600倍までワークを拡大し、0・001㎜の位置決めが可能。これを活用し、熟練技能者でしかできなかった追い込み加工を簡単にした。

研削アタリ出し作業を自動で実施するソフトも見逃せない。砥石とワークの自動接触検知によって加工開始点を認識できるだけでなく、砥石タッチ後の自動スタート機能も備える。

金型新聞 2024年7月10日

関連記事

-混沌の時代を切り拓く- 金型メーカーの連携

金型広がる協力の輪  金型メーカー同士や異業種、加工技術などを軸とした様々な形での連携や協業の重要性が高まっている。ユーザーの海外展開に伴うサポートや需要開拓、技術の複合化や高度化などによって、金型メーカー単独では顧客の…

藤木孝弘専務に聞く 新中期計画のもう一つの目的 【ササヤマ challenge!Next50

「SAIMS247」の推進役、藤木孝弘専務はその目的の一つに「次の50年を担う人材の育成」があるという。自らの体験を振り返りつつ、思いを語ってもらった。 金型の魅力をもっと社員に知って欲しい SAIMS247のもう一つの…

微細加工でブランド化 稲垣哲也氏(アイジーエヴァース社長)【特集:次の10年を勝ち残る4つの道】

EV化などによる金型需要の変化やAMをはじめとする新たな製造技術の登場など金型産業を取り巻く環境はこれまで以上に大きく変化している。金型メーカーには今後も事業を継続、成長させていくため未来を見据えた取り組みが求められてい…

【特集】型材・部品

精密、高精度、短納期 ニーズに応える 高精度や超精密、複雑形状—。日本の金型の強みはこうした高難度な部分にある。その強みは金型メーカーの設計や生産技術による部分が大きい。しかし金型は部品の集合体で、高難度な金型づくりには…

エリコンジャパン 射出成形、押出成形向けの新被膜を発売

GFRPやリサイクル材に最適 エリコンジャパン(神奈川県平塚市、0463-67-0878)はこのほど、射出成形と押出成形向けのコーティング「BALINIT MOLDENA」を発表した。ガラスファイバー強化樹脂(GFFP)…

トピックス

関連サイト