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プロニクス 短納期・自動化で成長目指す【金型の底力】

常に新たなことへ挑戦

測定受託サービスや医療部品、光コネクタ部品などの金型設計・製作、成形を手掛けるプロニクスは、短納期・自動化で事業成長を目指す。昨年11月、ベトナムに切削部品の加工を行う部品工場を立ち上げた。またホーチミン工場では自動放電加工機を導入し、ロンアン工場では金型監視装置や自動化装置の開発・製造に取り組む。短納期や自動化に注力し、生産性を上げて売上拡大を図る。

「金型は検収までに時間がかかり、資金繰りにも苦労する。部品加工は長くても2週間程度と短い期間で納品可能。資金も60日程度で回収できる」と話すのは、同社創業者の井上仁良相談役。

今年2月、ホーチミン工場に自動放電加工システムを導入した

ベトナムの部品工場では「電極加工」、「金型部品」、「アルミダイカストの金型メンテ部品」などの加工をメインで行う。マシニングセンタ6台、CNC旋盤1台、ワイヤ放電加工機2台、測定顕微鏡2台を揃え、昨年11月の操業スタート時からフル稼働している。

安定して受注できるのは、常にニーズがあるアルミダイカストの修理部品などを手掛けているからだ。「今後は次世代の半導体部品に対応した製造装置部品を手掛けていく」(井上仁良相談役)。

ロンアン工場で開発した「金型監視装置」

同社は、金型の製作期間短縮にも取り組む。今年2月、ホーチミン工場にソディック+エロワの自動放電加工システムを導入。電極60本、ワーク20個の外段取りをロボットが自動で行うため、「工数は変わらないが、段取りが早くなったので従来よりも半分の時間で加工できるようになった」(井上仁良相談役)という。長時間の無人加工を可能とした上に放電加工の稼働率も上げ、金型の納期短縮を実現した。

設立は1989年。京都市南区の165㎡程度のスペースで金型・測定・成形事業を始めた。2002年、ホーチミンと上海に事業所を開設。海外でも金型製作、成形を手掛けるようになり、その後、ホーチミンと上海の事業所を法人化。バンコク、ハノイ、ロンアンと次々に会社を設立した。日本、ベトナム、上海、タイとグローバルに金型を製作している。

部品工場ではブラザー工業のマシニングセンタを6台揃える

2020年には、プロニクスロンアンの工場で独自の「金型監視装置」を開発。成形不良やピン折れなどを常に監視し、金型破損や不良品流出を未然に防ぐことができる。自動化・省人化で業務効率化につながった。金型監視装置は外販もしており、ベトナムで20台ほど売れている。

また、ロンアン工場では自社で開発した自動検査機や自動梱包装置などを設置し、自動化を進めている。同工場は振動モータ組立などを手掛けており、その組立で自動化を進めていた経緯がある。自動化装置の開発に力を入れ、成形の自動化への取り組みも始めている。井上仁良相談役は「ロンアンが持つ自動化の技術をホーチミンやハノイ、日本の拠点に展開していく」と意気込む。

今後は、部品工場を「プロニクスエンジニアリング」として独立させ、設備を100台まで増強し、売上高を年12億円にする計画だ。また、ロンアン工場も自動化装置の会社「プロニクステクノ」としての独立を目指す。新たなことに挑戦し続ける、同社の今後の動向に注目したい。

井上 仁良相談役

会社の自己評価シート

「チャレンジ精神」「変化に対応する力」「未来に投資する力」に最高得点と高評価。同社は失敗を恐れずさまざまなことにチャレンジし、事業を拡大させてきた。変化に対応する力も生かしながら、今後は「短納期・自動化」の拡大に向けた投資にも注力する。

会社概要

  • 本社: 京都府宇治市槇島町落合144-7
  • 電話: 0774・28・1045
  • 代表者: 森本奈美社長
  • 創立: 1989年
  • 従業員: 475人(国内:80人、海外:395人)
  • 事業内容: 測定受託サービス、プラスチック金型の設計・製作、量産、リバースエンジニアリング、切削部品加工サービスなど。

金型新聞 2024年7月10日

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