AI・ロボット開発のベンチャー企業a‐roboは2023年2月、プラスチック成形中の異常を検知し、成形機を制御するカメラシステム「GROW‐V」を発売した。 カメラの画像情報をもとにAIが金型の異常を検知する。既存のシス…
変化対応できる体質への転換 春田善和氏(冨士ダイス社長)【この人に聞く】
今年1月、超硬合金製の耐摩耗工具や金型を手掛ける冨士ダイス(東京都大田区、03・3759・7181)の新社長に春田善和氏が就任した。同氏は管理畑を歩み、財務部長や企画部長を歴任。海外拠点の立ち上げや、事業戦略の策定などに従事した。2024~26年度までの新たな中期経営計画をスタートさせ、新規事業の確立や海外事業の推進の他、情報の見える化など経営基盤の強化に取り組む。春田社長に抱負や今後の展開などを聞いた。

1963年生まれ、神奈川県出身。87年慶應義塾大文学部卒業後、冨士ダイス入社。2015年取締役、18年常務、23年専務、24年社長に就任し、現在に至る。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」、趣味はサッカー観戦。
情報の見える化、新規事業確立
どんな会社にしたいか。
当社の企業理念である「事業を通じて広く社会に貢献し、幸せな人を育てる」「人間尊重、人間中心の経営」を引き継ぐ。ここで言う「幸せな人」とは、「夢・挑戦」「感謝」「自立」「前向き」の4つの因子と心身の健康が備わった人のこと。こうした人たちが働く会社にしていきたいと考えている。
新中計で「変化に対応できる企業体質への転換」を掲げた理由は。
100年企業を目指して持続的な成長を実現するため。市場環境は常に変わっており、今後さらに激しい変化が予測される。当社は2015年に上場し、資本と経営を分離させた。この先も事業を続け、成長していくためには一人ひとりが変化に対応できる企業体質にならないといけない。そのための取り組みを進めていく。
具体的には。
一つは社内の見える化。これまで個人に依存していた情報を社内で共有化できる仕組みを構築する。そのためには、ITツールの導入はもちろんだが、個人の意識を変革する必要がある。これまでのように成果主義による評価だけでなく、プロセスもきちんと評価し、情報を共有化する習慣を根付かせていく。将来的には蓄積したデータをもとに、個人に依存せずとも意思決定ができる組織にしたいと考えている。
その他には。
新規事業の確立だ。24年7月に新規事業組織を発足させた。今までも新規事業の開拓に向けたチームを組織することはあったが、一時的なもので継続性がなかった。本格的な専門組織を設けることで、将来の種まきを具体化させていく。
「海外事業の飛躍」も掲げている。
国内市場が縮小傾向にある中、海外市場の深耕は欠かせない。特にインドは輸出ベースで伸び始めており、今後に期待している。現在休眠中の拠点を復活させ、底上げを図っていくつもりだ。また、中国や東南アジアにも注力していく。特にタイは生産能力が向上し、海外生産の中核地にすることも検討している。将来的には海外比率を25%まで引き上げたい。
そのためには。
ブランドイメージを浸透させる。当社は創業以来、75年の長きにわたって日本のものづくりを支えてきたが、海外での知名度は高いとは言えない。100年企業に向けて、ブランディングを確立し、新たな冨士ダイスとして歩み出していくつもりだ。
金型新聞 2024年9月10日
関連記事
新天地を求めて、世界に進出していった日本の金型メーカーは、何を考え、どんな苦労や課題を乗り越えて、取り組みを進めてきたのか。また、さらなる成長に向け、どんな青写真を描いているのか。中国、タイ、メキシコ、アメリカ、欧州そ…
製造業のネット活用は新規顧客や新分野の開拓、知名度向上など様々な方面で大きな効果を上げている。金型メーカーにとっても例外ではない。ただ、その効果は限定的で、ホームページ(HP)を作っても大きな効果を得られていない企業も…
魂動デザインなど独自の哲学で「走る歓び」を追求するクルマづくりに取り組むマツダ。金型はそれを実現するための極めて重要なマザーツールだ。なぜ社内で金型を作り続けるのか。金型づくりを進化させるため取り組むこと、これから目指す…
トーヨーエイテック(広島県南区、082-252-5212)が今年2月に発表したアルミのプレス金型用DLCコーティング「TOYO Arc‐DLC」。高硬度で強固に密着するため、軟質で融点の低いアルミをプレス加工しても金型に…