自動車のフィックスドウインドウやクォーターウィンドウ。その成形コストや歩留まりを改善し、環境に配慮した金型も設計した。顧客製品設計の最終確認会にも出席しアドバイスする。それらが評価され、令和2年度「現代の名工」に選ばれた…
新栄ホールディングス 金型の新会社を設立
プレス加工メーカー3社を傘下に持つ新栄ホールディングス(東京都中央区、03・5843・6096)は昨年8月、傘下のアポロ工業(埼玉県吉川市)の金型部門を切り離し、アポロ技研(同)を設立した。金型の設計、製作に加え、メンテナンス・保守なども手掛けていく考え。

新栄ホールディングスは2023年に設立。傘下には母体の新栄工業(千葉市花見川区)の他、20年に買収したアポロ工業、23年に買収した飯能精密工業(埼玉県飯能市)を持つ。新会社のアポロ技研はグループ3社の出資により設立された。従業員はアポロ工業の金型部門を担当していた技術者など5人。社長は飯能精密工業の中山久喜社長が兼務する。
設立した理由について新栄ホールディングスの小田省一取締役は「金型メーカーは仕事に波があり、安定した経営や技術者の育成が難しい。プレス加工メーカー3社がグループにあれば、安定した受注につながると考えた」と話した。グループ3社はそれぞれが異なる業界で事業を展開し、特定の顧客に依存しないため、不況時にも仕事を融通できるという。
また、山内謙太郎取締役は「金型から量産まで一気通貫でのビジネスを可能にするというのも狙い」と語る。精密プレスから最大150tの中物プレスまで幅広い対応が可能。グループ向けの金型の他、外販も行う。また、金型の保守やメンテナンスなども請け負う。
現状はアポロ工業内で操業しているが、26~27年をめどに新工場を設立する予定。小田氏は「製造の効率化を進める。生産能力を現状の月産2型から4型に引き上げ、収益力の向上を目指す」とし、山内氏は「グループ3社をしっかりと稼働させ、アポロ技研の受注につなげる。また、アポロ技研からの仕事も増やし、グループ全体で成長していく」と語った。
金型しんぶん2025年5月10日号
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