テクノア(岐阜県岐阜市、03-5649-3211)は9月1日、定額サービスを採用したクラウド対応型生産管理システム「TECHS‐S NOA」を発売した。バーコードリーダーやハンディターミナルを利用し、リアルタイムで進捗状…
マツダ モーションキャプチャーとARで匠の技を短期間で習得
自動車メーカーのマツダが、モーションキャプチャーと拡張現実(AR)の技術を金型溶接の技能指導に活かしている。肉盛り溶接するときの匠の手や身体の動きを見える化し、それとの差異を把握し、シミュレータによる訓練で正す。効果的に改善サイクルを回せる環境をつくり、匠の技を短期間で次代に伝承できるようにしている。

技能者がつけたゴーグルの画面に金型とトーチ、溶接棒のバーチャル画像が映る。左右の手のコントローラを操作するとリアルに近い感覚で金型の肉盛り溶接を体験できる。操作が正しいと緑色のマークが現れ、誤ると赤色のマークが警告する。ARシミュレータによる溶接技能訓練の様子だ。
操作の良否判定の基準は『匠の体の使い方』。匠と呼ばれる熟練技能者が39個のマーカーをつけたボディスーツを着て、溶接するときの頭や手、身体の動きを8台のカメラで測定。その結果からトーチと溶接棒の動かし方や筋活動量を導き出した。
そこから分かったのは、匠は体幹の筋活動量が大きく、トーチを持つ手の筋活動量は小さいということ。すなわち体幹を効率良く使って身体をコントロールし、トーチを持つ手の筋力の負荷を小さくすることで作業の安定性を維持している。

ツーリング製作部ツーリング技術グループの須賀実氏は「技能者はそれぞれモーションキャプチャーで自らの身体の動きを理解したうえで訓練する。作業を誤った原因を、匠の動きと重ね合わせて探る。それを繰り返すことで匠の技を習得できる」と話す。
モーションキャプチャーによる技能訓練は、金型の研削で確立したノウハウと経験を応用した。ただ、研削と同じように実習訓練の中では匠との身体の差異を評価しにくい。溶接は研削と比べて身体の動きが小さく、また火花の発光で手元の動きを正確に捉えにくいためだ。

そこで、手元の動きを捉えやすく光の影響の無いARシミュレータを活用した。市販のシステムを用い、操作の良否判定にモーションキャプチャーで導いた基準値を設定。課題もストレートビードに加え、 形状多層盛り、切刃盛りなど金型で用いる技法も追加した。
この技能指導は2024年4月から運用を始めた。同グループの佐伯千春氏は「巣や欠肉を減らすなど訓練を通じて技能者の習熟度は高まっている」。加えて「ARによる訓練のため煙や光による身体への影響もなく、訓練用の資材や器具のコストも削減できた」。

金型しんぶん2025年7月10日号
関連記事
粉末交換2時間以内 ソディックは造形と切削が1台で行える精密金属3Dプリンタ「OPM250L」を刷新する。独自機能を搭載し、複数粉末への対応や、材料交換の簡素化による稼働率向上、状態監視による造形不良の防止が可能。デュア…
「ロギング装置」 サーボプレスや卓上プレス機などの製造・販売を手掛けるシージーケー(広島市佐伯区、0829・86・2061)は4月25日、レーザー光の反射を利用してプレスの下死点位置を計測しロギング(記録)する「下死点…
電子回路を組み込んだフィルム基板やICカードなどの精密打ち抜きで、大きな課題となるのが板材の位置決め。しかしプレス加工を手掛けるサンコー技研は、金型に内蔵したカメラとロボットにより±5μmの精度で位置決めしてプレス加工す…
「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表されるように、「百年に一度の変革期」と言われる自動車業界。金型にとってもその影響は大きく、舵取り次第では将来の成長を左右しかねない。特に、金型へのインパ…
