金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

31

新聞購読のお申込み

三菱電機 ワイヤ放電13年ぶり刷新

AIで誰でも高品位加工

三菱電機は13年ぶりに、全面刷新したワイヤ放電加工機「MGシリーズ」を発売した。独自のAI(人工知能)を搭載し、技能者でなくても高品位な加工ができる機能を盛り込んだ。遠隔監視によるメンテナンスの簡素化や省エネ性能も高めた。価格はサイズや性能で異なるが、1980万円~2650万円(税抜き)。

2013年に発売した基幹機種「MVシリーズ」の後継機。独自のAI技術「Maisart(マイサート)」を搭載し、熟練技能者の加工ノウハウを再現できる機能を実装した。「マイサートノズル離れ制御」は、板厚やノズル離れが変化しても細かい加工条件の調整が不要になる。対象のワーク材質に超硬、銅、アルミを追加し、対応する板厚も拡充した。従来機種で作成したプログラムでもマイサートに対応できる加工条件に自動変換できるなどの機能も追加した。

ワイヤの搬送ユニットでは、ワイヤ線の巻くせを取り除くアニール制御などにより、自動結線率を改善。メンテナンス回数を約6分の1に減らしても安定的な稼働を可能にした。

AIが稼働状況やアラームをチェックし、トラブル時にスムーズに復旧できる「見守りサービス」を導入したほか、加工機やフィルタの状態に合わせて、ポンプの出力を制御するなど、約30%の消費電力削減を実現した。

金型しんぶん2025年9月10日号

関連記事

【Breakthrough!】平面研削加工

平面研削加工はこれまで、加工条件の設定や砥石の管理に高い技能が必要なため熟練技能者の存在が不可欠だった。しかし近年、自動化技術をはじめとする様々な機能を搭載する平面研削盤の登場で、誰でも簡単に加工できるようになりつつある…

NKワークス 5軸用バイス、把持力30%向上

 NKワークス(東京都千代田区、03-3864-5411)はこのほど、米5thAXIS(フィフスアクシス)社製の5軸バイス「Xシリーズ」を発売した。従来品に比べ、把持力が約30%向上し、対応できる被削材の範囲が大幅に拡大…

ジェイテクトファインテック 難加工材の精密せん断加工技術を確立

ジェイテクトのグループ会社であるジェイテクトファインテック(栃木県宇都宮市)は培ってきた高精度な金型加工技術を活かし、高炭素鋼(SUJ2材)やステンレス材(SUS材)など難加工材に対応する高精度な精密せん断加工技術を確立…

【Breakthrough!】微細加工機

半導体やレンズ、電子部品など微細精密な金型は成長分野の一つだ。こうした市場に参入するには微細精密加工機は欠かせない。その技術は日進月歩で、加工精度もサブミクロンレベルが当たり前になっている。最近では参入する機械メーカーが…

【金型テクノラボ】倉敷機械 AI活用による金型・加工見積の自動化

金型・部品加工の見積作成における最大の課題は、相応の専門知識がないと見積作成が困難であるという点だ。そのため、熟練者の経験への依存度が高く、さらに加工業者間での金額差異の問題も発生している。これらの課題に対して、半自動化…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト