金型メーカーやプレス部品メーカーがデジタル技術や暗黙知の定量化による技能伝承にチャレンジしている。MR(複合現実)によるマニュアルで新人が経験者並みの作業をできたり、トライ結果を蓄積し改善方法を導きやすくしたり。熟練技能…
日本金型工業会 山中雅仁会長に聞く 4つの軸を推進する理由【特集:日本金型工業会第14回定時総会】
「業界連携」、「市場拡大」、「魅力度」、「商品企画」—。日本金型工業会は昨年、これら4つを金型産業の稼ぐ力向上の推進軸として打ち出した。それぞれにワーキンググループ(WG)を立ち上げ、施策検討や事業活動を進めている。4つの軸を推進する理由は、それによる目標は。山中雅仁会長に聞いた。

技術力や対応力が日本の強さ
日本の金型産業はいま、大きな変革期にあります。需要の60~70%といわれる自動車業界で新車開発のサイクルが伸びている。ギガキャストの採用や電動化で部品点数が減っていく。中国の電気自動車が世界市場で躍進している。こうしたなか、日本の金型需要はここ数年、低迷しています。
4つの推進軸はこうした状況で稼ぐ力の向上を目的とするものです。4つのテーマは金型産業ビジョンで提唱するなどかねて業界共通の課題でした。多くの金型メーカーが抱える課題の解決に取り組むことで金型産業を持続可能な産業にすることを目指しています。
「業界連携」(※価格決定力→業界連携に変更)は、金型やプレス、成形など関連する企業が事業連携やM&Aによって競争力を高める。「市場拡大」は、成長するあるいは未開の海外市場を開拓したり、営業の生産性を高めることで新たな顧客を開拓したりする。
「魅力度」は、自動車や電機業界などの金型ユーザーや、子どもや学生、社会に金型の魅力を伝える。「商品企画」は、金型に関連する企業や異分野の企業、大学、研究機関など様々な人がコラボレーションすることで新たな商品を開発する。
4つの推進軸は、昨年発足した4つのWGがそれぞれ施策を検討し事業を進めていきます。事業活動による目標の達成度は、定量的に評価していきたい。ただ成果を急がず、数年で計画を立てて成果を出していきたいと考えています。
金型産業を取り巻く環境はこれからも変化していくでしょう。しかし日本の金型メーカーは乗り越えられると感じます。技術力が高く、顧客の多種多様なニーズに応える力が極めて優れている。そうした強みを生かし、事業連携や市場開拓、魅力の発信、商品開発に取り組めば道は拓けます。
なによりまずその一歩を踏み出すことです。一歩を踏み出せば、成功もするし失敗もする。ストロングポイントもウィークポイントも良くわかる。それが糧となり、力をつけ、また次の一歩を踏み出せる。そうすれば必ず新しい道へとつながります。
金型しんぶん2026年5月10日号
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