金型は量産の道具 理解するマスターが必要人材発掘が経営者の仕事 「金型は量産のための道具である」と長年言い続けています。金型というものの本質がそこにあると思うからです。お客様は金型が欲しいわけじゃない。金型を使って効率…
任せろプレスの生産性向上 VEST 高橋 実プレスマン【この人に聞く】
「プレスの何でも相談室」を掲げるVESTの“プレスマン”こと高橋実代表は、40年以上にわたりプレス加工の現場に身を置き、全国のプレスユーザーの課題解決に向き合ってきた。売るものをあらかじめ決めず、ユーザーの課題から最適解を導く独自のビジネスモデルを強みとする。「誇りを持ってプレスの仕事に取り組んできた」と胸を張る同氏に自社の強みや現場から見たプレス・金型業界の今とこれからを聞いた。

1958年、岐阜県出身。81年、南山大学経済学部卒業後、ワシノ機械に入社。大阪営業所長を経て、2004年にVEST創業。屋号の由来は「Value」、「Engineerin Solutions」、「Technologies」の頭文字から。趣味は1日1万歩の散歩とサンダーバードのプラモデル収集。モットーは「人間は死ぬその瞬間まで進化できる生き物」。
生産技術のアウトソーシングで課題解決
まずは事業内容について教えてください。
ベストは最初から売るものが決まっているわけではない。ユーザーの相談に応じ、予算や納期などを加味して最適な提案を行い、納得頂ければ、販売やサービスを提供している。
内容は新品・中古プレス機の販売、修理、順送ラインの構築など様々で、今風に言えばソリューションビジネスということになるが、こうしたビジネスモデルは他にない。
そのビジネスモデルを支えているのは。
全国に広がるアウトソーシング先とのネットワークだ。部品加工、電気制御、金型など分野は広く、数と質の両面で体制を整えている。このネットワークがあるからこそ、ユーザーの要望に柔軟に応えられる。
プレス機械のリビルド(再生)も得意としています。
価格が高騰している新品のプレス機械に比べて、リビルド機は明らかに安価。1980年代から2000年代までの日本のプレスメーカーの技術力は世界最高峰で、機械の品質も良く、当時のフレームや鋳物は一生もの。良い材料で作られた機械をリビルドすれば、良い機械に生まれ変わるのは最初から約束されているようなものだ。
確実に言えるのは50年前も今も、プレス機械の性能はほとんど変っていない。つまり、新しい機械を必ずしも買う必要はないと言うこと。新品のサーボプレスじゃなくても、リビルド品で十分に代用できるので、浮いた費用を別の設備投資に回すことだって出来る。
金型業界の現状についてはどう見る。
プレスに関して言えば、売り型専業は今後、立ちいかなくなるだろう。今も残っている優秀なプレス屋は、ほぼ金型を内製している。理由は外注だと自分たちの思うものをうまく作ってくれない場合が多いからだ。良い成形品というのは金型、プレス、材料、オペレーターがうまく組み合わさることで作られるのに、「金型」のことだけを考える金型メーカーが多い。メンテナンスの苦労など、使う側の事情をもっと知ることが大事だ。
業界に対しての提言は。
金型業界もプレス業界も縮小傾向にある。ただ、その中で生き残るには、得意先を分散させることが重要。1社依存では足元を見られるし、得意先の分散が必須。リスクを考えてやったことがない仕事でもいいからやってみろと言ってやりたい。儲けが少なくても経験として取り組む価値はあるし、そうすれば明るい未来は必ず来る。
そうした中でベストが提案することは。
「生産技術のアウトソーシング」を掲げ、今やプレス機械メーカーがフォローできないユーザーの受け皿となっている。アウトソーシング先も含めたプロの集団として、ユーザーに対して結果のコミットを約束する。「安くて良いもの」を求めるユーザーも多いが、きっちりお金はいただく代わりに費用対効果の面でも満足いただいている。何よりもリピート率の高さがそれを証明している。協業先もお客さんも、誰かが損をするようなことはあってはならない。
仕事は楽しいですか。
ベストに飛び込んでくる案件はどれも難易度が高い案件ばかり。これらの問題を解決した時の喜びは何物にも変え難い。これからも機械屋道、プレス道を極めていきたい。
金型しんぶん2026年5月10日号
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