金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

28

新聞購読のお申込み

この人に聞く2016
C&Gシステムズ 塩田 聖一社長

開発やサポートを強化

金型業界を支え続ける存在に

塩田聖一社長

 金型用CAD/CAMメーカー、C&Gシステムズの業績が回復を続けている。グラフィックプロダクツとコンピュータエンジニアリングが合併してから6年間の年平均成長率が9%を超える。「金型は成長産業」が持論で、「金型向けCAD/CAMのグローバルニッチトップを目指す」と話す、塩田聖一社長に今後の方針などを聞いた。

―業績回復の理由は。
 「日本で作るもしくは回帰している金型は難易度の高いものが多くなり、ソフトも高度化している。こうしたニーズに応えるため、金型から逃げずに、開発やサポートを強化し続けてきたことが奏功していると思う。しかし、リーマンショック後のリバウンド成長の側面は否めない。今後は自律的な成長を目指す」。

―成長の骨子となる中期計画のポイントは。
 「金型に特化することは変わらない。保守更新は9割を超えているが、開発や継続的なサービスを認知頂いているからだと思う。開発やサポートはさらに強化していく」。

 「もう一つの柱となるのが海外だ。製造業の現地化は進んでおり、日系、ローカルに限らず、現地で細やかなサポートを受けたいという声も多い。これに対応するため、現地代理店の技術力を向上させ、独自のフランチャイズ網を構築する。将来は現地でカスタマイズ対応も行いたい。例えば自動化のニーズ一つとっても国によって異なる。現地のニーズをくみ上げ、現地で完結できる力が必要になる。すでにインフラ作りも進めている」。

―金型市場をどう見る。
 「金型は成長産業だ。新興国が文化的生活になればなるほど、多くのものが必要になり、量産技術が必要になる。グローバルでは金型需要はもっと増える。そして、厳しい時代を乗り越えた日本の金型メーカーはすでに競争力もあり、グローバルで戦える力もある。我々はそれを支え続けられる、金型業界用CAD/CAMのグローバルニッチトップを目指す」。

金型新聞 平成28年(2016年)10月10日号

関連記事

【ひと】サンアイ精機 代表取締役社長 菊地 晋也さん

髭のサンタクロース 誰しも12月24・25日をワクワクして過ごした子供時代の記憶があるだろう。それはクリスマスプレゼントがもらえる日だからだ。「子供たちにとって記憶に残る楽しい1日を体験してほしい」。そんな願いを込めて地…

日本製鉄 江尻室長に聞く 自動車用鋼板のトレンドや加工技術【特集:プレス加工最前線】

自動車業界の脱炭素化や、安全性向上に欠かせない高強度鋼板による軽量化。近年では980Mpa超のウルトラハイテン(超高張力鋼板)や、2・0GPa級のホットスタンプ材など高強度化が加速している。こうした鋼板の進化で、金型づく…

切削加工の領域を拡大 矢野雄介氏 (碌々スマートテクノロジー社長)【この人に聞く】

微細加工機メーカーの碌々スマートテクノロジー(東京都港区、03・3447・3421)は昨年、「碌々産業」から社名を変更した。創立120周年を迎え、これまで標榜してきた「微細加工機のリーディングカンパニーへ」から「微細加工…

J-MAX 新工場建設や船活用でCO2削減【特集:カーボンニュートラルに向けたはじめの一歩】

自動車の大型プレス用金型及び部品を製造するJ‐MAX。特に、ハイテン材・超ハイテン材用の金型で高い技術を有し強みを発揮している。「2030年度までに、CO2排出量を2013年度比半減、50年度にはカーボンニュートラル実現…

学生教育でCAEを活用 岩手大学【特集:シミュレーションの使い方再発見!!】

CAEを活用しているのは企業だけではない。岩手大学では、樹脂流動解析ソフト「3DTimon」(東レエンジニアリングDソリューションズ)を学生の教育で利用している。樹脂を流す際、最適なゲート位置などを自らの勘や経験から教え…

関連サイト