「六角パンチやピンの研削加工では多少寸法のズレが発生するため、補正するのが常ですが、狙い通りに寸法がハマッた瞬間はヨシッとガッツポーズします」と笑顔を見せるのは堀江亜衣奈さん(22)。精密鍛造金型や部品を手掛ける阪村エン…
エムアイモルデ
デザイナーと協業してオリジナルロボを製品化
プラスチック金型メーカーのエムアイモルデ(静岡県富士市、0545・38・1142、宮城島俊之社長)はガレージキットのデザイナーと協業で、オリジナルロボットのプラモデルキットを作るプロジェクトを進めている。金型技術を活かし、製品販売までを手掛けることで、新事業として確立させる考えだ。
プロジェクトを共同で進めるのは、ガレージキットの制作から販売までを手掛ける西沢弘宜氏。同氏が製作したガレージキットロボット「Ⅳ号人型重機」(写真)を、エムアイモルデが製造する金型を使い、量産化する計画だ。この事業に合わせて成形機も導入した。
金型費などは自己資金に加え、クラウドファンディングを活用し、資金調達する。協賛した個人への返礼のほかに、大きくは2つの企業向けパッケージをラインアップした。まず、1つ目が個人支援者向けキット(箱・説明書)に企業ロゴや企業名を印刷するというもの。キットに同封されるデカール(シール)にも企業ロゴを貼付する。約500個のキットに採用され、300人以上の支援者の手に渡る予定だ。支援金は50万円。2つ目が、企業専用キットの製作。主にノベルティや広告宣伝の一環として支援企業のコーポレートカラーなどの希望色を採用した専用プラキットを製作する。加えて専用パッケージや専用説明書を製作する。50万円の支援で100個から対応し、金額に応じて製作数量も柔軟に対応する。
また、同プロジェクトが特徴的なのは、販路の確保や露出を高めるなどマーケティング戦略も同時に進めていることだ。すでに様々なイベントへの出展の他に、複数のおもちゃ問屋や秋葉原などの店舗など販売チャネルも構築中だという。
将来的には、西沢氏だけでなく、多くのクリエーターやデザイナーに対し、量産から販売までを支援したり、企業の販促物の制作を請け負ったりするなどして、2020年の事業化を目指す。
宮城島社長は「金型技術を活かし、才能と熱意あるクリエーターに向けて何ができるのか。日本の金型メーカーの可能性の一つとして挑戦をしたい」と話している。
詳細や質問などはクラウドファンディングのページ(https://camp-fire.jp/updates/view/44190)で受け付けている。
金型新聞 平成30年(2018年)1月10日号
関連記事
金属3D積層で水管自在 リョービはダイカスト金型の開発で、ダイカストプロセス解析技術の向上や、金属3D積層埋め子(入れ子)の活用を進めている。金型の設計・製作期間を短縮し、またギガキャストなど次代の製品の金型を開発にも活…
前号では、日本金型工業厚生年金基金(上田勝弘理事長、以下金型基金)の現行制度の「定額加算」と「高い予定利率」の2つの課題とその解決策を紹介した。本号では、3つ目で最大の課題でもある「終身年金」の課題と、新制度ではどのよ…
常識破る新技術 進化する5軸、鏡面加工の切削 世界から最新技術が集まる国内最大の工作機械展示会「JIMTOF2016」(東京ビッグサイト、11月17~22日)では、これまでの金型づくりの常識を破る新技術が次々と登場した…
世界35カ国の統計データ 日本金型工業会(山中雅仁会長・ヤマナカゴーキン社長)は世界金型協会(ISTMA)が発行している「ISTMA統計ブック2023」を販売している。正会員は無料で、賛助会員は1万円、会員以外は4万円。…


