金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

OCTOBER

18

新聞購読のお申込み

造形の歪み1/10に
ソディック

金属3Dプリンタ新工法

 ソディックはこのほど、金属3Dプリンタの造形後のワークの歪みを10分の1に抑える新技術「SRT工法」を開発した。これにより、樹脂型などで多く使われるステンレス系の素材での造形も可能になるなど、金属3Dプリンタの適用範囲の拡大につながるという。

 金属3Dプリンタでは粉末金属をレーザーで溶融・凝固させるために、必ず残留応力が発生する。その応力が造形後のワークを収縮させ、歪みや反りの原因となり、金型への採用の障壁の一つとなっていた。

 今回開発したSRT工法は、焼入れなどの熱処理をすると、ワークが膨張するというマルテンサイト変態という理論を活用。造形後に収縮したワークに独自の「熱処理」を施すことで、収縮と膨張を相殺させ、歪みを抑える。

 この技術により、樹脂型で使われるSUS420J2の大型金型の造形も可能になる。SRT工法を使った試験によると、歪み量を300μmから、30μmと10分の1に抑制できたほか、幅と長さ248㎜、高さ42㎜の造形もできたという。

 ソディックは「OPM250L・350L」と「LPM325」の3機種の金属3Dプリンタを持つ。SRT工法は全ての機種に活用できるほか、既存機種に追加で採用することもできる。同社では「SRT工法を実践することで、プラスチック金型での金属3Dプリンタの活用を広げたい」としている。

金型しんぶん 2019年5月14日

関連記事

ベントム工業が管理システムの新会社

ベントム工業が管理システムの新会社

少量多品種生産向け  鋳造、ダイカスト金型メーカーのベントム工業(静岡県浜松市、053・437・5691)はこのほど、工程管理システム「サイクロン」の販売を強化するために、新会社「シンクビジョン」(同)を設立した。  シ…

特集〜世界需要をどう取り込む
どう取り込む 変わる金型の世界地図

 国際金型協会(ISTMA)の統計によると、2008年以降の10年近くで金型生産額は約3割増加した。新興国の経済発展に伴う消費財の需要増や、自動車の生産台数の増加などを背景に金型需要が拡大したからだ。ただ、かつて日本が金…

大貫工業所 油圧機能内蔵での深絞りプレス成形【金型テクノラボ】

次世代自動車用小型モータやセンサ、産業用ロボットの圧力制御機器などの筐体に用いられるステンレス製の深絞り加工品は今後需要増加が期待される一方で、時期割れの発生や工程の複雑化などの加工課題も少なくない。大貫工業所が開発した…

マーポス 切削、プレス加工の監視システム<br>金型分野で事業領域拡大

マーポス 切削、プレス加工の監視システム
金型分野で事業領域拡大

 マーポスは1952年にイタリアで設立され、70年に日本に進出。自動車部品の計測装置や研削盤の定寸装置を始め工作機械の制御・計測装置などを手掛ける。特に金型分野ではタッチプローブでの工具やワーク計測によって金型の高精度加…

スペシャリスト<br>超硬材料 共立合金製作所

スペシャリスト
超硬材料 共立合金製作所

自動車の電動化に商機  「日本に残る分野に経営資源を投下していく」。そう話すのは「エバーロイ」ブランドで知られる、超硬材料メーカーの共立合金製作所の池田伸也超硬事業部長。同社が国内で伸びると判断するのは、①大型の超硬材料…

トピックス

AD

FARO スキャンしたらすぐに結果まで:工数低減を実現

金型のメンテナンス、修復、複製に3次元測定アームを活用 製品を製造するために欠かせない金型ですが、そのメンテナンスには多くの課題が存在します。金型は使用するうちに摩耗し、時... 続きを読む

関連サイト