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MECT2023総集編
国内最大級の工作機械見本市「MECT2023」が10月18日~21、ポートメッセ名古屋(名古屋市港区)で開催され、77,225人が来場した。会場では、工作機械メーカーや切削工具メーカーなどが最先端の技術を披露した。
大型化への対応目立つ
今回目立ったのが、「大型化」への対応を意識した展示だ。安田工業は大型のダイカスト金型などに最適な5軸加工機「YBMVi50」を紹介した。高精度、高面品位、高い位置決め精度に加え、徹底した熱変位対策により安定した加工が可能。また、レニショーの「SPRINT」とコラボレーション。機上測定を活用することで、段取りの工数を減らし、生産性向上に貢献する提案も行った。
ソディックは、Z軸を従来の350㎜から500㎜に拡張したハイコラム仕様のワイヤ放電加工機「ALN600GH iG+E」を初出展。厚物・大型化するワークに対応する。ワイヤ回転機構(i groove)を搭載し、常に無消耗のワイヤ面で仕上げ加工が可能だ。
黒田精工は、精密平面研削盤「GS-86CV」を披露。チャックサイズ長さ800×幅600mmで、モーターコア用金型や多数個取りなどで大型化するワークの加工に対応する。
マーポスは、大物工具対応の撮像式(CCDカメラ)機上測定システム「WF170」を参考出展した。間口170mmで最大φ165mmの工具まで測定できる。切削工具だけでなく、砥石の測定も可能だ。
C&Gシステムズは、牧野フライス製作所の5軸制御立形マシニングセンタ「D2」による加工サンプルを展示。CAM-TOOLを活用し、大型の自動車用金型を高精度かつ加工負担を低減する提案を行った。
熟練技能を代替する技術
熟練技能者が持つ技術を代替する展示や提案も注目を集めた。三菱電機は、同社独自のAI技術「マイサート」を搭載した放電加工機「MX900」を展示した。「マイサート」は、これまでオペレータが調整していたノズル離れやコーナなどの制御をAIによって自動で行うことができるシステム。熟練技能者に頼らず、高精度、高効率な放電加工が可能になる。
ナガセインテグレックスは、砥石を観察して不具合を予測するAI砥面観察システム「GRIDE EYE」や研削加工支援アプリ「GRINDROID」を紹介。「GRIDE EYE」は、砥石回転中に砥面を高速撮影し、AI解析によって加工不具合の発生防止やドレスタイミングの適正化に貢献する。「GRINDROID」は、加工要求仕様を入力すると、最適な研削加工システムや条件を提示できる。
MOLDINOは、プレス金型の切り出しモデルを展示し、磨き時間の短縮を提案した。提案に至った背景は短納期化のニーズや、熟練技能者の減少。荒加工から中仕上げ、仕上げ加工までを高い面品位で加工することで、磨き時間を短縮。従来工程だと、切削加工時の表面粗さはRa2μm程度だったが、同工法だと、Ra0.5μmまで仕上がる。
微細加工や新しい提案も
微細加工の展示も随所で見られた。日進工具は、ヘッドマウントディスプレー用の金型など曲面や傾斜面を効率よく加工できるレンズ刃形3枚刃のエンドミル「MLFH330」を展示。大きな底刃形状としたことで、従来のエンドミルよりもピックフィードを大きく取れる。φ6㎜の2枚刃のエンドミルと比較すると、ピックフィードは1.63倍、送り速度を1.5倍にすることができ、約2.4倍の高能率な加工を可能にする。
京セラは、コガネイモールド、C&Gシステムズとの3社コラボレーションで加飾金型のワークを披露。高硬度材加工用ソリッドボールエンドミル「2KMB」のみで、荒~仕上げまで全工程を加工し、工具の長寿命化と鏡面性の高い仕上げ面を実現した。
また、新しい実機の展示や提案などを行う会社もあった。イリスは、ドイツのブロームユング社のクリープフィード研削盤「PLANOMAT XT 608」を紹介。初めて日本で実機の展示を行った。クリープフィード研削とは、ワンパスでミリ単位の研削を可能とする技術。タービンブレードや油圧ポンプなどのニッチな加工領域で採用されていたが、金型のパンチやダイセットなどの加工にも適用できるという。
三菱電機は、半導体パッケージ用金型向けに特別仕様の形彫放電加工機「SV12P」を披露した。半導体パッケージ用金型は、離型性の向上などを図るために表面を梨地に仕上げる必要がある。従来は後工程で仕上げていたが、同仕様機で加工すれば一発で仕上げることができる。
ダイジェット工業は、5軸加工用工具「チューリップSヘッド」で加工したエイを模したワークを展示。長い刃を活かして効率よく加工することで、従来の4枚刃ボールエンドミルと比べて加工時間を78%削減した。
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