金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

APRIL

22

新聞購読のお申込み

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

1982年生まれ、大阪府出身。2006年大阪大学経済学部卒。大手メーカーを経て、16年同社入社。17年執行役員経営企画室長、19年取締役副社長に就任。

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客である自動車産業の変革が叫ばれるなど、将来の見通しは決して平坦ではなく、新たな挑戦を必要としている。同社の伊藤直紀副社長に将来の展望などを聞いた。

    

目指すはニッチトップ

自動車産業について。

 CASEからみると、冷間鍛造に関連するのは電動化とシェアリング。電動化は我々の携わるエンジンやトランスミッション系の部品に影響し、シェアリングで自動車のコモディティ化を懸念している。日本でモノづくりする以上、自動車の軸は変わらないが、これまでと同じではいけない。私の思いは、ニチダイは他社と違うことをやる。また、やっていないことを最初にやりたい。これまで得てきた顧客の信頼は当社が開発した技術だ。今後も技術開発を通じて『ニチダイに頼めば大丈夫』というブランドを持ち、ニッチトップ企業を目指す。

そのためには。

 1つは既存事業の強化。既存事業は継続しつつ、さらに技術革新を進め、これまで冷間鍛造では出来なかった部品の生産を可能にすること。例えば、車体部品の厚板鍛造だ。従来の切削加工から鍛造に替え、部品の中空化(軽量化)、高強度化、ネットシェイプによる材料のムダ削減、生産性の向上を実現した。こうした冷間鍛造の領域拡大を図る。

 2つ目は技術の開発。金型の課題は寿命であり、同じ金型でも10万個生産できる場合と1万個しか生産できない場合がある。原因は材料や条件など様々で最適な解を出すのは難しく、答えを出すにはお客様と一緒に開発するのが1番だ。当社は大型プレス機を複数保有し、新工法開発から金型製作、周辺技術を含むトータルエンジニアリングでサポートする体制が整っており、お客様との共同開発に力を入れ、新型受注や最新技術に触れる機会を創出していく。

IoTについては。

 金型のIoT化やセンシング技術のモデルを作りたい。日本の冷間鍛造は世界トップクラス。型寿命の見える化や保全につながれば、大きな付加価値になる。

新部署立ち上げも。

 新規開発プロジェクトという部署を立ち上げ、新事業や新規開拓を視野に入れている。今後は電池ケースやバッテリー市場に冷間鍛造を活かす技術提案を行う予定だ。こうした動きを、お客様にも感じてもらい、開発案件で当社に声のかかる関係を構築できれば、私としては最高だ。

金型新聞 2020年6月4日

関連記事

山口製作所 アモルファス箔のモータコアの量産に挑む【特集:自動車金型の未来】

特殊な型内積層技術を開発 電動車を始め次世代車で採用が増えるモータ。脱炭素の観点からも、その効率化は欠かせない。その一つとして注目を集めるのが、磁気特性の高いアモルファス箔を採用したモータコア。金型からプレスまで一貫して…

【この人に聞く】マーポス、マルコ・ゾーリ社長

 今年、日本法人設立50周年を迎えたマーポス(東京都大田区、03 -3772-7011)。精密計測機器を手掛け、特に金型分野ではタッチプローブやレーザーによる工具やワークの計測などで、日本の金型づくりを支えてきた。近年は…

キャステム 微細ワークを肉盛溶接【金型応援隊】

コネクタメーカーを始め、全国の金型ユーザーから補修の依頼が舞い込む。50μmという微細な肉盛り溶接ができるからだ。あまりに微細なため、溶加棒も自社製というこだわりを持つ。 また微細溶接だけではなく、ダイカスト金型等のボリ…

この人に聞く
沖電線 電極線事業部 吉本雅一事業部長

 沖電線(川崎市中原区、044-766-3171)は今年5月、ワイヤ放電加工機用電極線製品を全面リニューアルした。電極線全製品の真円度を現行品の4分の1に抑え、高品質化。パッケージも一新した。電極線製品をリニューアルする…

ものレボ 生産工程など見える化[金型応援隊]

中小製造業ではフレキシブルな対応や生産性向上を図るためのデジタル化が喫緊の課題だ。 2016年創業した『ものレボ』は現場の工程管理、在庫管理、受発注管理、分析などの見える化を図るDXアプリ『ものレボ』を開発し、従来ホワイ…

トピックス

関連サイト