金型業界のいまを届けるニュースサイト「金型しんぶんONLINE」

AUGUST

24

新聞購読のお申込み

この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

1982年生まれ、大阪府出身。2006年大阪大学経済学部卒。大手メーカーを経て、16年同社入社。17年執行役員経営企画室長、19年取締役副社長に就任。

 冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客である自動車産業の変革が叫ばれるなど、将来の見通しは決して平坦ではなく、新たな挑戦を必要としている。同社の伊藤直紀副社長に将来の展望などを聞いた。

    

目指すはニッチトップ

自動車産業について。

 CASEからみると、冷間鍛造に関連するのは電動化とシェアリング。電動化は我々の携わるエンジンやトランスミッション系の部品に影響し、シェアリングで自動車のコモディティ化を懸念している。日本でモノづくりする以上、自動車の軸は変わらないが、これまでと同じではいけない。私の思いは、ニチダイは他社と違うことをやる。また、やっていないことを最初にやりたい。これまで得てきた顧客の信頼は当社が開発した技術だ。今後も技術開発を通じて『ニチダイに頼めば大丈夫』というブランドを持ち、ニッチトップ企業を目指す。

そのためには。

 1つは既存事業の強化。既存事業は継続しつつ、さらに技術革新を進め、これまで冷間鍛造では出来なかった部品の生産を可能にすること。例えば、車体部品の厚板鍛造だ。従来の切削加工から鍛造に替え、部品の中空化(軽量化)、高強度化、ネットシェイプによる材料のムダ削減、生産性の向上を実現した。こうした冷間鍛造の領域拡大を図る。

 2つ目は技術の開発。金型の課題は寿命であり、同じ金型でも10万個生産できる場合と1万個しか生産できない場合がある。原因は材料や条件など様々で最適な解を出すのは難しく、答えを出すにはお客様と一緒に開発するのが1番だ。当社は大型プレス機を複数保有し、新工法開発から金型製作、周辺技術を含むトータルエンジニアリングでサポートする体制が整っており、お客様との共同開発に力を入れ、新型受注や最新技術に触れる機会を創出していく。

IoTについては。

 金型のIoT化やセンシング技術のモデルを作りたい。日本の冷間鍛造は世界トップクラス。型寿命の見える化や保全につながれば、大きな付加価値になる。

新部署立ち上げも。

 新規開発プロジェクトという部署を立ち上げ、新事業や新規開拓を視野に入れている。今後は電池ケースやバッテリー市場に冷間鍛造を活かす技術提案を行う予定だ。こうした動きを、お客様にも感じてもらい、開発案件で当社に声のかかる関係を構築できれば、私としては最高だ。

金型新聞 2020年6月4日

関連記事

この人に聞く2015 <br>アカマツフォーシス 赤松 隆司社長

この人に聞く2015
アカマツフォーシス 赤松 隆司社長

生産性高める技術提案 シナジー生むプロ集団に  昨年10月、兄の憲一会長から経営のバトンを受け継いだ。歯車などの精密冷間鍛造金型を手掛けるアカマツフォーシスが取り引きするのは、自動車部品などのメーカー。「金型を通じて顧客…

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

この人に聞く 2014 CAPABLE 河原 洋逸社長

海外の金型市場に活路 半導体金型でファブレス、設計・営業に特化  海外に金型市場があるならそれを取って日本で作ればいい―。それを実践しているのが、半導体封止装置金型に特化したファブレス企業のCAPABLE(京都市南区、河…

堀江亜衣奈さん 醍醐味は職人技の瞬間【ひと】 

「六角パンチやピンの研削加工では多少寸法のズレが発生するため、補正するのが常ですが、狙い通りに寸法がハマッた瞬間はヨシッとガッツポーズします」と笑顔を見せるのは堀江亜衣奈さん(22)。精密鍛造金型や部品を手掛ける阪村エン…

【金型応援隊】ミサト技研 熟練した技術と知見による磨き

高品質な鏡面磨き ミサト技研はプラスチック金型やダイカスト金型、機械部品などの鏡面磨きを手掛けている。「納期に遅れず、顧客が希望する品質に応えることができる」(牧野聖司社長)と強調するように、熟練した技術と知見による高品…

三光化成 エアと水のハイブリッド冷却【特集:金型づくりで広がる金属AM活用】

ラティス構造を採用し、材料費と造形時間を削減 自動車関連を中心に6000品目を超える樹脂成形部品を生産する三光化成。ソディックの金属3Dプリンタ「OPM350L」を活用し、水とエアを冷却媒体として活用する「ハイブリッドコ…

トピックス

関連サイト