あらゆる業界で叫ばれているDX(デジタルトランスフォーメーション)。各企業には、デジタル技術を使い、ビジネスモデルや組織、働き方など会社そのものの構造を大きく変えていくことが求められている。金型業界も例外ではない。次代…
この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客である自動車産業の変革が叫ばれるなど、将来の見通しは決して平坦ではなく、新たな挑戦を必要としている。同社の伊藤直紀副社長に将来の展望などを聞いた。
目指すはニッチトップ
自動車産業について。
CASEからみると、冷間鍛造に関連するのは電動化とシェアリング。電動化は我々の携わるエンジンやトランスミッション系の部品に影響し、シェアリングで自動車のコモディティ化を懸念している。日本でモノづくりする以上、自動車の軸は変わらないが、これまでと同じではいけない。私の思いは、ニチダイは他社と違うことをやる。また、やっていないことを最初にやりたい。これまで得てきた顧客の信頼は当社が開発した技術だ。今後も技術開発を通じて『ニチダイに頼めば大丈夫』というブランドを持ち、ニッチトップ企業を目指す。
そのためには。
1つは既存事業の強化。既存事業は継続しつつ、さらに技術革新を進め、これまで冷間鍛造では出来なかった部品の生産を可能にすること。例えば、車体部品の厚板鍛造だ。従来の切削加工から鍛造に替え、部品の中空化(軽量化)、高強度化、ネットシェイプによる材料のムダ削減、生産性の向上を実現した。こうした冷間鍛造の領域拡大を図る。
2つ目は技術の開発。金型の課題は寿命であり、同じ金型でも10万個生産できる場合と1万個しか生産できない場合がある。原因は材料や条件など様々で最適な解を出すのは難しく、答えを出すにはお客様と一緒に開発するのが1番だ。当社は大型プレス機を複数保有し、新工法開発から金型製作、周辺技術を含むトータルエンジニアリングでサポートする体制が整っており、お客様との共同開発に力を入れ、新型受注や最新技術に触れる機会を創出していく。
IoTについては。
金型のIoT化やセンシング技術のモデルを作りたい。日本の冷間鍛造は世界トップクラス。型寿命の見える化や保全につながれば、大きな付加価値になる。
新部署立ち上げも。
新規開発プロジェクトという部署を立ち上げ、新事業や新規開拓を視野に入れている。今後は電池ケースやバッテリー市場に冷間鍛造を活かす技術提案を行う予定だ。こうした動きを、お客様にも感じてもらい、開発案件で当社に声のかかる関係を構築できれば、私としては最高だ。
金型新聞 2020年6月4日
関連記事
ユーザー視点の型づくり樹脂とプレス技術の融合 成形メーカーだった、いがり産業が金型製作に着手したのは2004年。10年以上経て、今や金型の外販が売上の7割以上を占めるまでに成長した。成形メーカーという利点と生かし、ユーザ…
デジタルマーケティングで見込客を獲得 近年は国内の金型市場が縮小しており、いかに新規開拓を行うかが大きな課題となっており、効率良く営業活動を展開するための仕組みやシステムの構築も求められる。年間の新規引き合い件数500件…
加工効率高める金型を設計 歯ブラシのプラスチック金型を手掛ける武林製作所(大阪府八尾市、072・998・1207)の金型設計技術者・千田雄一さんが、2023年の「八尾ものづくり達人」に選ばれた。金型の加工効率や品質を高め…
牧野フライス製作所は今年4月、6年ぶりに社長交代を発表した。6月に新社長に就いた宮崎正太郎氏は、就任後わずか3か月で増産体制の強化や開発テーマの絞り込みなどを相次いで発表。さらに、顧客の課題を聞くための部署を新設するなど…
