今年6月の日本金型工業会の総会で、3期6年会長を務めた小出悟氏(小出製作所社長)に代わり、新たに会長に就任した山中雅仁氏(ヤマナカゴーキン社長)。「金型づくりはもっとワクワクできる魅力的な仕事のはず。ワクワクするために儲…
この人に聞く
ニチダイ 伊藤 直紀 副社長

冷間鍛造金型などを手掛けるニチダイは2018年3月期、目標としていた売上高150億円を超え、19年3月期には売上高174億円と過去最高を更新。だが、昨年から続く米中貿易摩擦や新型コロナウィルスの感染拡大に加え、主要顧客である自動車産業の変革が叫ばれるなど、将来の見通しは決して平坦ではなく、新たな挑戦を必要としている。同社の伊藤直紀副社長に将来の展望などを聞いた。
目指すはニッチトップ
自動車産業について。
CASEからみると、冷間鍛造に関連するのは電動化とシェアリング。電動化は我々の携わるエンジンやトランスミッション系の部品に影響し、シェアリングで自動車のコモディティ化を懸念している。日本でモノづくりする以上、自動車の軸は変わらないが、これまでと同じではいけない。私の思いは、ニチダイは他社と違うことをやる。また、やっていないことを最初にやりたい。これまで得てきた顧客の信頼は当社が開発した技術だ。今後も技術開発を通じて『ニチダイに頼めば大丈夫』というブランドを持ち、ニッチトップ企業を目指す。
そのためには。
1つは既存事業の強化。既存事業は継続しつつ、さらに技術革新を進め、これまで冷間鍛造では出来なかった部品の生産を可能にすること。例えば、車体部品の厚板鍛造だ。従来の切削加工から鍛造に替え、部品の中空化(軽量化)、高強度化、ネットシェイプによる材料のムダ削減、生産性の向上を実現した。こうした冷間鍛造の領域拡大を図る。
2つ目は技術の開発。金型の課題は寿命であり、同じ金型でも10万個生産できる場合と1万個しか生産できない場合がある。原因は材料や条件など様々で最適な解を出すのは難しく、答えを出すにはお客様と一緒に開発するのが1番だ。当社は大型プレス機を複数保有し、新工法開発から金型製作、周辺技術を含むトータルエンジニアリングでサポートする体制が整っており、お客様との共同開発に力を入れ、新型受注や最新技術に触れる機会を創出していく。
IoTについては。
金型のIoT化やセンシング技術のモデルを作りたい。日本の冷間鍛造は世界トップクラス。型寿命の見える化や保全につながれば、大きな付加価値になる。
新部署立ち上げも。
新規開発プロジェクトという部署を立ち上げ、新事業や新規開拓を視野に入れている。今後は電池ケースやバッテリー市場に冷間鍛造を活かす技術提案を行う予定だ。こうした動きを、お客様にも感じてもらい、開発案件で当社に声のかかる関係を構築できれば、私としては最高だ。
金型新聞 2020年6月4日
関連記事
〜世界の需要どう取り込む〜 世界の金型需要を取り込むには何が必要か—。世界各地の金型工業会の設立に関わり、世界中の金型業界をよく知る日本金型工業会学術顧問の横田悦二郎氏は「コロナで世界の金型需要は高まるが、需要を確保す…
つくれる領域を広げる 顧客ニーズに応えたい 特異性のある会社作り 〜金型の大型化に対応〜 1970年生まれ、岐阜県岐阜市出身。大阪経済法科大学法学部卒、金融機関に勤務後、1996年に黒田製作所に入社し、製造部仕上課に配…
システムつなぎ、一気通貫で提案 NTTデータエンジニアリングシステムズは2025年7月、金型向けCAD/CAM「Space‐E」などを手掛ける製造ソリューション事業とクラウド事業を分社化し、新会社「NDES」として独立さ…
「扱い切る」ことが重要 「CAD/CAMを取り扱うのは、あくまで人。だから、CAD/CAMを扱い切れる人材から育てる必要がある」と語るのは、GENIO Solutionsの渡邉康二社長。同社は、海外メーカーのCAD/CA…


